制御工学特論

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学特論
科目番号 0008 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電子システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自動制御  柏木濶 著   朝倉出版株式会社
担当教員 宮田 千加良

到達目標

1.システムの伝達関数と、ステップ応答、インパルス応答との関係を説明することが出来る。
2.システムの伝達関数表現を理解し,等価変換を用いてブロック線図を簡単化することができる
3.システムの特性根と過渡応答との関係を理解し、系の安定性を判別することができる。
4.システムの周波数特性と安定性との関係を理解し,系の安定性を判別することができる。
5.システムの 一巡伝達関数について根軌跡を描き、安定性との関係を説明することができる。
6.システムの定常特性について説明することができる
7.等傾線の方程式からトラジェクトリを作成し、システムの動きについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラプラス逆変換により、システムのステップ応答、インパルス応答を計算することができる。またインパルス応答をラプラス変換して伝達関数を求めることができる。ラプラス逆変換により、システムのステップ応答、インパルス応答を計算することができる。ラプラス逆変換により、システムのステップ応答、インパルス応答を計算することができない。
評価項目2システムをブロック線図で表し、結合・等価変換を用いてブロック線図を簡単化して、閉ループ伝達関数を求めることができる。ブロック線図の結合・等価変換を用いてブロック線図を簡単化して、閉ループ伝達関数を求めることができる。ブロック線図の結合・等価変換を用いてブロック線図を簡単化して、閉ループ伝達関数を求めることができない。
評価項目3特性根を用いてインパルス応答を導き、安定性を説明できる。代表根を用いて2次系でシステムを近似することができる。ラウス・フルビッツの方法を用いて安定判別をを行うことができる。特性根を用いてインパルス応答を導き、安定性を説明できる。ラウス・フルビッツの方法を用いて安定判別を行うことができる。特性根を用いてインパルス応答を導くことができず、安定性を説明できない。ラウス・フルビッツの方法を用いて安定判別を行うことができない。
評価項目4ナイキスト線図・ボード線図を描き、ゲイン余裕、位相余裕を求めて、安定度合いを説明できる。ナイキスト線図、ボード線図相互の関係を説明することができる。ナイキスト線図・ボード線図を描き、ゲイン余裕、位相余裕を求めて、安定判別を行うことができる。ナイキスト線図・ボード線図から、ゲイン余裕、位相余裕を求めることができず、安定判別を行うことができない。
評価項目5漸近線の実軸との交角、実軸との交点、軌跡の分離点、虚軸との交点をもとに、一巡伝達関数の根軌跡を描き、ゲインの変化に伴う根の動きと安定性について説明することができる。漸近線の実軸との交角、実軸との交点、軌跡の分離点、虚軸との交点をもとに、一巡伝達関数の根軌跡を描き、安定性との関係を説明することができる。漸近線の実軸との交角、実軸との交点、軌跡の分離点、虚軸との交点を求めることができず、一巡伝達関数の根軌跡を描くことがでず、安定性との関係を説明することができない。
評価項目6伝達関数・入力が与えられた際に、 誤差定数、及び定常偏差を、位置、速度、加速度について求め、誤差信号がどのように変化していくかを説明することができる。 伝達関数・入力が与えられた際に、 誤差定数、及び定常偏差を、位置、速度、加速度について求めることができる。 伝達関数・入力が与えられた際に、 誤差定数、及び定常偏差を求める ことができない。
評価項目7等傾線の方程式から,トラジェクトリを作成し,自励振動の様子など,安定性について説明できる.等傾線の方程式を導出し,トラジェクトリが作成できる等傾線の方程式を導出することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は企業で計測器や音響機器の設計開発を担当していた教員が、その経験を活かし、解説と演習を交えて授業を行うものである。
伝達関数を主に制御設計に用いる古典制御理論は現在でも多用されている制御理論であり、基礎・及び実用的な知識として非常に重要である。そこで古典制御理論を用いた線形システムについて理解を深め、実際の制御システムの設計に 必要な基礎的能力を修得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
本科で既に古典制御理論について学習しているが、更に深く理解できるよう詳細について説明する。各理論・方法・内容相互の関係についても理解を深め、後期開講の計測制御工学の導入部とする。
注意点:
講義内容をよく理解するために、本科で使用した教科書ノート等も参考にしながら、毎回2時間程度の予習をし、授業時間での質問等に対応できるようにしておくこと。また、講義終了後は、復習として2時間程度の演習問題等の課題に取組むこと。また、疑問点があれば、その都度質問すること。ラプラス変換、伝達関数、安定性、などは大切である。相互の関係にも注目すること。
〔授業(90分)+自学自習(210分)〕×15回

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ラプラス変換 ラプラス変換、逆変換ができる。
2週 線形系の特徴と表現 基本要素について伝達関数、ステップ応答、インパルス応答が算出できる。
3週 線形系の特徴と表現 一次遅れ系の時定数が求められる。
4週 線形系の特徴と表現 伝達関数、周波数伝達関数について説明できる。
5週 ブロック線図 ブロック線図から伝達関数を等価変換を用いて算出できる。
6週 安定判別 安定条件を説明でき、安定判別ができる
7週 安定判別 ゲイン余裕,位相余裕を求め、安定の度合いを比較できる。
8週 安定判別 ゲイン余裕,位相余裕を求め、安定の度合いを比較できる。
2ndQ
9週 根軌跡 根軌跡が作成できる。
10週 根軌跡 根軌跡が作成できる。
11週 根軌跡 代表根を用いて系を2次系で近似できる。
12週 定常特性 定常特性,誤差定数が算出できる。
13週 非線形制御系
-状態面解析-
等傾線の方程式を導出し、位相面が作成できる。
14週 非線形制御系
-状態面解析-
等傾線の方程式を導出し、位相面が作成できる。
15週 定期試験 授業項目1~4に対して達成度を評価する
16週

評価割合

試験小テスト+レポート態度合計
総合評価割合70300100
基礎的能力0000
専門的能力70300100
分野横断的能力0000