技術者の社会的責任

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 技術者の社会的責任
科目番号 0020 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 技術者倫理事例集 電気学会倫理委員会編 電気学会/事例で学ぶ技術者倫理 技術者倫理事例集(第2集) 電気学会倫理委員会編 電気学会
担当教員 中村 格

到達目標

本科目を履修することにより、以下の目標に到達できる。
1.倫理的な課題が内在する事例に対し、その課題の存在を把握できる。(感受性の涵養)
2.倫理的課題解決に役⽴つ知識を獲得できる。(知識の獲得)
3.種々の制約条件の下で、複数の解決策を考え、その中から合理的理由付けを⾏った最適解を提案できる。(解のデザイン⼒の獲得)
4.多⾯的なものの⾒⽅、他⼈の意⾒を聴く⼒、⾃らの意⾒を主張する⼒、チームとしての意⾒をまとめる⼒を獲得できる。(多様性の理解)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.倫理的な課題が内在する事例に対し、その課題の存在を把握できる。(感受性の涵養)倫理的な課題が内在する事例に対し、その課題の存在について、問題なく十分に把握できている。倫理的な課題が内在する事例に対し、その課題の存在について、不十分な部分があるが、比較的十分に把握できている。倫理的な課題が内在する事例に対し、その課題の存在について、把握が不十分である。
2.倫理的課題解決に役立つ知識を獲得できる。(知識の獲得)倫理的課題解決に役立つ知識について、問題なく十分に獲得できている。倫理的課題解決に役立つ知識について、不十分な部分があるが、比較的十分に獲得できている。倫理的課題解決に役立つ知識の獲得が不十分である。
3.種々の制約条件の下で、複数の解決策を考え、その中から合理的理由付けを⾏った最適解を提案できる。(解のデザイン⼒の獲得)種々の制約条件の下で、複数の解決策を考え、その中から合理的理由付けを⾏った最適解について、問題なく明確に提案できる。種々の制約条件の下で、複数の解決策を考え、その中から合理的理由付けを⾏った最適解について、不明確な部分があるが、比較的明確に提案できる。種々の制約条件の下で、複数の解決策を考え、その中から合理的理由付けを⾏った最適解の提案が不明確である。
4.多⾯的なものの⾒⽅、他⼈の意⾒を聴く⼒、⾃らの意⾒を主張する⼒、チームとしての意⾒をまとめる⼒を獲得できる。(多様性の理解)多⾯的なものの⾒⽅、他⼈の意⾒を聴く⼒、⾃らの意⾒を主張する⼒、チームとしての意⾒をまとめる⼒について、問題なく十分に獲得できている。多⾯的なものの⾒⽅、他⼈の意⾒を聴く⼒、⾃らの意⾒を主張する⼒、チームとしての意⾒をまとめる⼒について、不十分な部分があるが、比較的十分に獲得できている。多⾯的なものの⾒⽅、他⼈の意⾒を聴く⼒、⾃らの意⾒を主張する⼒、チームとしての意⾒をまとめる⼒が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 1-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 2-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 4-1 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(a) 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(b) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (1)① 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (2)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
科学技術と社会・環境との関係を歴史的・多面的に考察し、現代の高度科学技術社会における科学者・技術者として重視すべき価値を共有する必要性を理解する。科学者・技術者が直面する可能性のある倫理問題を疑似体験し、倫理的意志決定の手法を学ぶ。加えて、組織において科学者・技術者が如何に行動すべきかを具体的な事例を通して検討する。本科目全体を通して、予防倫理のみではなく志向倫理を重視する。
授業の進め方・方法:
講義による知識の習得・理解に加え、調査レポート提出、それに基づくプレゼンテーション、グループ討議を通したアクティブ・ラーニングを行う。それらにより技術者倫理課題に直⾯したときの課題解決⼒を身に付けさせる。また、⾃分の意⾒を相⼿が理解できる形で表明する⼒、相⼿の意⾒を理解して議論する⼒を身に付けさせる。
注意点:
毎回、予習、課題を含む復習として、210分以上の自学自習が必要である。また、プレゼンテーション、グループ討議を通したアクティブ・ラーニングを行うため、講義への出席が不可欠である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 科目ガイダンス
科学技術の専門家として

公衆の安全・健康・福利、逸脱の標準化、公益通報について説明できる。
2週 倫理問題の考え方① 普遍性と自律、事実と価値、予防倫理と志向倫理について説明できる。
3週 倫理問題の考え方② セブン・ステップ・ガイドについて説明できる。
4週 組織の社会規範としての倫理綱領 倫理綱領、公的使命、プロフェッション、倫理と法律について説明できる。
5週 企業経営の価値観と倫理 コンプライアンス、効率と競争、ステークホルダー、CSRについて説明できる。
6週 研究開発の倫理 捏造・改ざん・盗用、研究不正の社会的背景、デュアルコースについて説明できる。
7週 利益相反 利益相反、責務相反について説明できる。
8週 科学と技術の歴史 科学技術の制度化について説明できる。
4thQ
9週 グループでの事例討議①
新幹線と地震対策
事例について、自分の意見をまとめ、他者の意見を聞き、自分の考えを深めることができる。
10週 グループでの事例討議②
原子力発電所の事故を振り返って
事例について、自分の意見をまとめ、他者の意見を聞き、自分の考えを深めることができる。
11週 グループでの事例討議③
原子力発電所の事故を振り返って(続き)
事例について、自分の意見をまとめ、他者の意見を聞き、自分の考えを深めることができる。
12週 グループでの事例討議④
論文問題と利益相反
事例について、自分の意見をまとめ、他者の意見を聞き、自分の考えを深めることができる。
13週 グループでの事例討議⑤
訓練と非常事態時の行動
事例について、自分の意見をまとめ、他者の意見を聞き、自分の考えを深めることができる。
14週 グループでの事例討議⑥
耐震強度偽装事件
事例について、自分の意見をまとめ、他者の意見を聞き、自分の考えを深めることができる。
15週 まとめ 本科目で学習したことを振り返り、まとめることができる。
16週

評価割合

グループディスカッションレポート・プレゼンテーション受講態度合計
総合評価割合404020100
基礎的能力10101030
専門的能力2020040
分野横断的能力10101030