ベクトル解析

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 ベクトル解析
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「新応用数学」高遠節夫ほか著,大日本図書.参考書・補助教材:「新応用数学 問題集」高遠節夫ほか著,大日本図書.
担当教員 松浦 將國

到達目標

1. ベクトルの和,差,スカラー倍,位置ベクトル,ベクトルの成分,内積,外積の定義を式で説明できる(復習).
2. ベクトルの微分が説明できる.
3. 接線ベクトルを用いて空間上の曲線の長さが計算できる.
4. 法線ベクトルを用いて空間上の曲面の面積が計算できる.
5. スカラー場の定義が説明でき,勾配を求めることができる.
6. 発散,回転を求めることができる.
7. スカラー場とベクトル場に対してそれぞれ線積分を計算できる.
8. グリーンの定理を説明できる.
9. スカラー場とベクトル場に対してそれぞれ面積分を計算できる.
10. ガウスの発散定理とストークスの定理が説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ベクトルの和,差,スカラー倍,位置ベクトル,ベクトルの成分,内積,外積(復習)ベクトルの和,差,スカラー倍,内積,外積などの計算問題をほとんど解くことができ,これらに関連した公式の導出も概ね自力でできる.ベクトルの和,差,スカラー倍,内積,外積などの計算問題を概ね解くことができ,これらに関連した公式の意味も説明できる.ベクトルの和,差,スカラー倍,内積,外積などの計算問題をほとんど解くことができない.
ベクトルの微分ベクトルの微分に関する計算問題をほとんど解くことができて,内積や外積を組み合わせた種々の公式の導出もできる.ベクトルの微分の定義を概ね正しく答えられて,ベクトルの微分に関する計算問題を概ね解くことができる.ベクトルの微分の定義をあまり答えられず,ベクトルの微分に関する計算問題をほとんど解くことができない.
接線ベクトル曲線の長さの公式に関する計算問題をほとんど解くことができて,曲線の長さの公式の導出もできる.曲線の長さの公式を利用して,空間上の具体的な曲線の長さを求める問題を概ね正しく計算できる.曲線の公式の意味を説明できず,それを利用して空間上の曲線の長さを計算することもほとんどできない.
法線ベクトル単位法線ベクトルを用いた曲面の面積公式を証明し,様々なアプローチにより具体的曲面の面積計算ができる.単位法線ベクトルを用いた曲面の面積公式を利用して,具体的曲面の面積計算ができる.曲面の面積公式をほとんど説明できず,具体的曲面の面積計算もほとんどできない.
スカラー場の定義,勾配ナブラの線形性に関する公式の証明ができて,具体的なスカラー場に対して勾配を計算することができる.ナブラの線形性をおおむね説明できて,具体的なスカラー場に対して勾配を計算することができる.ナブラの線形性をほとんど説明できず,具体的スカラー場に対する勾配の計算もほとんどできない.
発散,回転具体的なベクトル場に対して発散と回転を計算できて,発散と回転に関する公式を概ね自力で証明できる.ベクトル場の発散と回転の違いをナブラにより説明できて,具体的なベクトル場に対して発散と回転を計算できる.ベクトル場の発散と回転の違いを説明できず,具体的なベクトル場に対して発散と回転を計算することができない.
線積分の計算スカラー場やベクトル場の具体的な計算ができて,ビオ・サバールの法則などの応用問題も解くことができる.具体的なスカラー場やベクトル場に対し,与えられた具体的閉曲線について線積分を概ね正しく計算することができる.与えられたスカラー場やベクトル場の線積分の定義を説明できず,これらの具体的計算もほとんどできない.
グリーンの定理グリーンの定理を応用した計算問題を解くことができて,グリーンの定理の証明もできる.グリーンの定理を応用して具体的な線積分の計算問題を解くことができる.グリーンの定理の内容をまったく説明できず,線積分の計算問題に応用することもできない.
面積分の計算具体的なスカラー場やベクトル場に対して面積分の計算ができて,面積分の公式の証明の概要も説明できる.面積分の公式を応用して,具体的なスカラー場やベクトル場に対して面積分を計算することができる.面積分の公式の内容をまったく説明できず,具体的なスカラー場やベクトル場に対して面積分を計算することができない.
ガウスの発散定理,ストークスの定理ガウスの発散定理やストークスの定理の概要を説明できて,様々な数理的モデルに応用できる.ガウスの発散定理やストークスの定理の概要を具体的なモデルに即して説明できる.ガウスの発散定理やストークスの定理の概要をまったく説明できない.
曲率・捩率とその応用曲率・捩率を完全に説明できて,かつフレネ・セレの公式や多様体など応用的事項を含む問題も解くことができる.曲率・捩率をおおむね説明できて,基本的な計算問題を解くことができる.曲率・捩率をまったく説明できず,基本的な計算問題も解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 3-1 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(c) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (2)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ベクトルに関する微積分を具体的な計算問題に即して習得し,物理学や工学等に応用することを目標とする.本科目は物理学や工学等でよく取り扱われる重要な科目である.
授業の進め方・方法:
おもにベクトルの微分,勾配・発散・回転の計算法,ベクトル場/スカラー場での線積分や面積分を学習する.本科目は学生の予習を前提に行われる.なお,中間試験を実施する.
注意点:
各回授業前に予習を済ませ,教科書内の用語の意味や具体例を把握し,例題も解いておくこと. 教科書や問題集などで問題を解き,具体的な問題の解法を習得すること.不明な点は必ず担当教員に質問すること

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ベクトルと内積・外積 ベクトルの和,差,スカラー倍,位置ベクトル,ベクトルの成分,内積,外積の定義を式で説明できる(復習).
2週 ベクトルの微分 ベクトルの微分が説明できる.
3週 曲線と曲面 接線ベクトルを用いて空間上の曲線の長さが計算できる.
4週 曲線と曲面 法線ベクトルを用いて空間上の曲面の面積が計算できる.
5週 スカラー場とベクトル場 スカラー場の定義が説明でき,勾配を求めることができる.
6週 スカラー場とベクトル場 発散,回転を求めることができる.
7週 スカラー場とベクトル場 発散,回転を求めることができる.
8週 線積分 スカラー場とベクトル場に対してそれぞれ線積分を計算できる.
4thQ
9週 線積分 スカラー場とベクトル場に対してそれぞれ線積分を計算できる.
10週 線積分 グリーンの定理を説明できる.
11週 線積分 スカラー場とベクトル場に対してそれぞれ面積分を計算できる.
12週 線積分 スカラー場とベクトル場に対してそれぞれ面積分を計算できる.
13週 線積分 ガウスの発散定理とストークスの定理が説明できる.
14週 曲率・捩率とその応用 曲率・捩率を計算できる.
15週 期末試験 上記項目に対して到達度を確認する.
16週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目).

評価割合

試験課題等合計
総合評価割合7525100
基礎的能力7525100