日本語アカデミックライティング

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 日本語アカデミックライティング
科目番号 2028 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『留学生のためのここが大切文章表現のルール』『大学で学ぶための日本語ライティング』『小論文への12のステップ』その他教員自作資料
担当教員 玉城 梓,サビケ 理奈

到達目標

【前期目標】
・教室活動 日常生活での出来事や自分の専門範囲の事柄について、導入・本文・まとめの構成で書ける。(400~800字程度)
・寮生活 必要に応じて確認することができれば、学生生活に関する一般的な意識調査アンケートの質問をだいたい理解し、答えを書くことができる。
・作文指導 スピーチコンテスト用原稿(800字〜1200字程度)作成を行い、7月の名護市日本語弁論大会の準備を万全に行う。
【後期目標】
・教室活動/寮生活 部活や寮の活動等を紹介するインタビュー記事を、ある程度詳しくニュースレターなどに書くことができる(600字〜800字程度)実験や調査の結果について、グラフや図表などを説明する文章が書ける。書式に従って基礎的なレポートを書くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
語・句の使い方・話し言葉と書き言葉の基本的な使い分けができる。 ・書き言葉特有の語、句、文法表現ができる。←左記がまあまあできる。←左記に達していない。
文の作り方・やや複雑な連帯修飾を用いた複文が書ける。 ・やや複雑な呼応・文末表現が書ける。←左記がまあまあできる。←左記に達していない。
談話の作り方・普通体と丁寧体を統一した文章が書ける。段落ごとの要点や段落間のつながりが明確な文章が書ける。(事実と意見、他者の意見と自分の意見、説明と例示、結果と原因、順序、変化、定義など)。 ・プログラミング入門等の授業で自分が作成しようとするプログラムのアウトラインが書ける。 ・答案を作成する上で、途中式を羅列するだけでなく、当該の数式が持つ役割や前後の数式との関係を示す日本語(~とする、そのため、よって、ゆえに等)を添えながら、自分の考えが説明できる。 ←左記がまあまあできる。←左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年次留学生を対象としたアカデミックライティングの授業である。
高等教育機関で必要な「書く力」=論理的なライティング力を養成する。比較・理由・引用・定義など、さまざまな機能表現を学ぶと同時に、短文から段落作成、体験・実験報告などの一般的な文章作成、そして資料を利用したレポートの書き方へと文章構成を段階的に学んでいく。
・文法表現のルール(理論)・・中級学習者がよく間違える誤用例をもとに、初級で勉強した文法や表現を使って正しい文を作る練習からはじめ、つぎに文と文のつながりを考えて、まとまった内容の文章を分かりやすく書く練習をし、最後にはレポートや論文などお複雑な内容や専門的なテーマの文章も書くことができることを目標としている。
・日本語ライティング(実践)・・留学生活に必要な書く能力を身につけるために、さまざまな場面に応じて表現や文章の書き方の練習を積み上げていく
授業の進め方・方法:
(授業の進め方・方法)
・文章表現のルール (1課学習時間目安=2コマ 前半45分×2回)
・日本語ライティング(1課学習時間目安=2コマ 後半45分×2回)
基本的に教科書に沿って進めるが、「文章表現のルール」は既習でできているものは省き、誤用が頻発するものを重点的に取り上げる。「日本語ライティング」は1コマ目に「表現の練習」と「課題」を行い、2コマ目に「課題」の確認、「教室活動」を行う
※7月中旬に名護市日本語弁論大会に出場するため、「聴解・会話Ⅱ」の授業と連動し、6月中間試験以降原稿作成に時間をあてる。
注意点:
1.開講後、学習者の日本語力に応じ、授業計画・内容を変更することがある。
2.2年次以降留学生は日本語学習の補講として聴講することを許可する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・文法表現のルール 第1課① 
・日本語ライティング 第1課 準備・課題
<簡潔に回答する>アンケートで使われる表現を練習し、質問の意味を理解して簡潔な回答文が書けるようにする
2週 ・文法表現のルール 第1課② 
・日本語ライティング 第1課 課題・教室活動
<簡潔に回答する>アンケートで使われる表現を練習し、質問の意味を理解して簡潔な回答文が書けるようにする
3週 ・文法表現のルール 第2課① 
・日本語ライティング 第2課 準備・課題
<情報を文章にする>
位置関係や違いなどを説明する文章を練習し、図やパンフレットなどから読み取った情報を比較・整理して伝える文が書けるようになる
4週 ・文法表現のルール 第2課② 
・日本語ライティング 第2課 課題・教室活動
<情報を文章にする>
位置関係や違いなどを説明する文章を練習し、図やパンフレットなどから読み取った情報を比較・整理して伝える文が書けるようになる
5週 ・文法表現のルール 第3課① 
・日本語ライティング 第3課 準備・課題
<状況を説明し意見を述べる>
状況説明や意見述べの表現を練習し、日常生活で経験したことをわかりやすく説明し、意見を述べる短い文が書けるようにする
6週 ・文法表現のルール 第3課② 
・日本語ライティング 第3課 課題・教室活動
<状況を説明し意見を述べる>
状況説明や意見述べの表現を練習し、日常生活で経験したことをわかりやすく説明し、意見を述べる短い文が書けるようにする
7週 ・文法表現のルール 第4課①、1課〜3課の復習
・日本語ライティング1課〜3課の復習
日本語弁論大会原稿作成
6週までの定着ができていることを確認する
日本語弁論大会原稿の下書きを行う
8週 前期中間試験
・文法表現のルール 1課〜3課
・日本語ライティング 1課〜3課
これまでで定着できていない部分の補足を行う
2ndQ
9週 ・文法表現のルール 第4課② 
・日本語ライティング 第4課 準備・課題
<段落を作る>
中心文に続けて支持文を書く練習をし、長文作成の基礎である段落を作れるようにする
10週 ・文法表現のルール 第5課① 
・日本語ライティング 第4課 課題・教室活動
<段落を作る>
中心文に続けて支持文を書く練習をし、長文作成の基礎である段落を作れるようにする
11週 ・文法表現のルール 第5課② 
日本語弁論大会原稿作成
日本語弁論大会原稿1回目の清書を行う
12週 ・文法表現のルール 第6課① 
日本語弁論大会原稿作成
日本語弁論大会原稿最終の清書をし、提出準備を行う
13週 ・文法表現のルール 第6課② 
・日本語ライティング 第5課 準備・課題
<体験したことを報告する文を書く>
体験や施設などを説明するために必要な表現を練習し、留学中に体験したことを報告する文が書けるようにする
14週 ・文法表現のルール 第7課① 
・日本語ライティング 第5課 課題・教室活動
<体験したことを報告する文を書く>
体験や施設などを説明するために必要な表現を練習し、留学中に体験したことを報告する文が書けるようにする
15週 ・文法表現のルール 第7課②、第4課〜7課の復習
・日本語ライティング 第4.5課の復習
14週までの定着ができていることを確認する
16週 前期期末試験
・文法表現のルール 4課〜7課
・日本語ライティング 4.5課 or弁論大会清書提出
これまでで定着できていない部分の補足を行う
後期
3rdQ
1週 ・文法表現のルール 第10課① 
・日本語ライティング 第6課 準備・課題
<テーマに沿った意見文を書く>
説得力のある意見を述べるために必要な表現を練習し、環境をテーマにした意見文が書けるようにする
2週 ・文法表現のルール 第10課② 
・日本語ライティング 第6課 課題・教室活動
<テーマに沿った意見文を書く>
説得力のある意見を述べるために必要な表現を練習し、環境をテーマにした意見文が書けるようにする
3週 ・文法表現のルール 第11課① 
・日本語ライティング 第7課 準備・課題
<自分をアピールする文を書く>
自分の経歴や長所などを説明するために必要な表現を練習し、自分をアピールする文が書けるようにする
4週 ・文法表現のルール 第11課② 
・日本語ライティング 第7課 課題・教室活動
<自分をアピールする文を書く>
自分の経歴や長所などを説明するために必要な表現を練習し、自分をアピールする文が書けるようにする
5週 ・文法表現のルール 第12課① 
・日本語ライティング 第8課 準備・課題
<順序立ててレポートを書く>
レポートに必要な表現を練習し、資料を利用して順序立てて、レポートが書けるようにする
6週 ・文法表現のルール 第12課② 
・日本語ライティング 第8課 課題・教室活動
<順序立ててレポートを書く>
レポートに必要な表現を練習し、資料を利用して順序立てて、レポートが書けるようにする6
7週 ・文法表現のルール 10課〜12課復習 +とばした課の補足など
・日本語ライティング 6〜8課の復習
6週までの定着ができていることを確認する
8週 後期中間試験
・文法表現のルール 10課〜12課
・日本語ライティング 6〜8課
これまでで定着できていない部分の補足を行う
4thQ
9週 ・文法表現のルール 第13課① 
・日本語ライティング 第9課 準備・課題
<引用して、レポートを書く>
レポートを書く際に必要な表現を練習し、資料から必要な部分を引用して、レポートが書けるようにする。
10週 ・文法表現のルール 第13課② 
・日本語ライティング 第9課 課題・教室活動
<引用して、レポートを書く>
レポートを書く際に必要な表現を練習し、資料から必要な部分を引用して、レポートが書けるようにする。
11週 ・文法表現のルール 第14課① 
・日本語ライティング 第10課 準備・課題
<資料を利用して、レポートを書く>
レポートを書く際に必要な表現を練習し、効果的に資料を利用して、レポートが書けるようにする
12週 ・文法表現のルール 第14課② 
・日本語ライティング 第10課 課題・教室活動
<資料を利用して、レポートを書く>
レポートを書く際に必要な表現を練習し、効果的に資料を利用して、レポートが書けるようにする
13週 ・文法表現のルール 第15課① 
・小論文への12のステップより 11事実を示す方法
これまでの基本学習をもとに実際に小論文を作成していく
14週 ・文法表現のルール 第15課② 
・小論文への12のステップより 12小論文のはじめとおわり
これまでの基本学習をもとに実際に小論文を作成していく
15週 ・文法表現のルール 13課〜15課復習 +とばした課の補足など
・小論文の課題作成
15週までの定着ができていることを確認する
16週 後期期末試験
小論文の課題提出

評価割合

試験発表相互評価ポートフォリオ合計
総合評価割合25252525100
基礎的能力25252525100
専門的能力00000
分野横断的能力00000