材料力学設計I

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 材料力学設計I
科目番号 2105 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 有光 隆 著,図解でわかる はじめての材料力学,技術評論社,単元ごとに演習プリントを配布する.【参考図書】石田良平,秋田剛 著,ビジュアルアプローチ 材料力学,森北出版,井山裕文 著,絵とき材料力学基礎のきそ,日刊工業新聞社,斉藤渥,平井憲雄 共著,詳解材料力学演習(上),(下)など
担当教員 比嘉 吉一

到達目標

機械工学技術者として必要不可欠な力学的視点を基礎とする方法論と機械・構造物設計における実問題を解決する能力を学習する.2年生では,材料力学の基礎としての応力・ひずみの概念を理解し,実機械部材に作用する外力(引張力,圧縮力,せん断力,曲げモーメント,ねじりモーメント)とそのつりあいについての理論を修得する.
【V-A-3】 機械構造物に作用する力と部材に生ずるさまざまな変形を理解することで,各種機械構造物を合理的かつ安全に設計することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限必要な到達レベル(可)
剛体系・変形体の力学系における「力のつりあい」「力のモーメントのつりあい」について理解できる.種々の外力下での自由体図が作成でき,他人に説明ができる.右の議論の際に必要不可欠な,自由体図が作成できる.力のつりあいに加えて,力のモーメントのつりあい式が理解できる.
荷重を受ける部材の応力,ひずみ,変形の評価ができる.力学的物理量と幾何学的物理量との違いが説明でき,かつこれら物理量の関係式について説明できる.仮想断面上での内力・内モーメントの理解により,応力・ひずみの評価ができる.仮想断面における内力・内モーメントの概念が概ね理解できる.
上記2つを通して,荷重を受ける部材の応力,ひずみ,変形の評価ができる.実機械部材の設計について,寸法・材料選定ともに理由付けにより説明できる.右に加えて,材料選定を含めた実機械部材の設計方法について概ね理解できる.引張・圧縮,ねじり,曲げ変形下での応力計算ができる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料力学は,機械や構造物が安全にかつ経済的に使用されるために必要な強度・構造設計に関する基礎的な学問であり,機械技術者が理解すべき最重要科目である.本授業では,機械工学技術者として必要不可欠な力学的視点を基礎とする方法論と機械・構造物設計における実問題を解決する能力を学修する.
授業の進め方・方法:
講義では数多くの例題を解説し,内容理解と応用力養成の目的から,多くの問題演習を課す.1年生で履修した物理,基礎数学I,IIの復習はもちろんのこと,2年生で履修する微積分I,線形代数をしっかりと勉強すること.
注意点:
「総合評価」に記載の通り,理解の定着を図るため毎回,復習のための小テストを実施する.積極的な自学自習,講義参加(ノートを取る・ペアワーク・グループワーク)が必要不可欠である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料力学序論・ガイダンス,有効数字,関数電卓の利用方法,ギリシャ文字,剛体・変形体の力学,力のモーメントのつりあい,SI単位系,補助単位【航】 【II-B】有効数字を理解する
【V-A-3:2-1,2,3】力のモーメントのつりあいを理解する
2週 材料力学序論・内力と外力,荷重と応力,垂直応力,せん断応力 【航】 【V-A-3:12-1,2】外力と内力の概念を理解する.内力に応じて応力が生じることを理解する.棒に生ずる内力のつりあいについて自由体図を用いて説明できる.
3週 応力とひずみ・変位/ひずみ関係,縦/横ひずみ,せん断ひずみ 【航】 【V-A-3:12-1,2】内力によって生ずる変形によってひずみが定義されることを理解する.
4週 応力とひずみ・体積ひずみ,ポアソン比【航】 【V-A-3:12-2】静水圧応力下での変形を理解する.縦ひずみと横ひずみとの比で表される物理量を理解できる.
5週 応力とひずみ・応力ひずみ関係,フックの法則,応力-ひずみ線図 【航】 【V-A-3:12-3,4】フックの法則を理解し,関連する弾性定数の対応を説明できる.応力-ひずみ線図が説明できる.
6週 応力とひずみ・材料の使用応力,許容応力と安全率【航】 【V-A-3:12-5】許容応力と安全率を説明できる.
7週 段付棒の応力/ひずみ/変位【航】 【V-A-3:13-1】断面が変化する棒に生ずる変形を理解する.関連する自由体図が描ける.
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験解答解説,引張と圧縮・段付棒の応力/ひずみ/変位【航】 【V-A-3:13-1】断面が変化する棒に生ずる変形を理解する.関連する自由体図が描ける.
10週 引張と圧縮・両端拘束された真直棒の応力/ひずみ/変位【航】 【V-A-3:13-3】力学的不静定問題に対する応力,ひずみの定義ができる.
11週 引張と圧縮・熱応力と熱変形【航】 【V-A-3:13-4】熱応力の概念を理解し,説明できる.
12週 引張と圧縮・内部応力(残留応力,組立応力)【航】 【V-A-3:13-3,4】部材を組み立てた際に生ずる変形とその応力の評価ができる.
13週 ねじり変形を受ける部材・ねじりとねじりモーメント,ねじり応力とねじりモーメントとの関係式 【V-A-3:14-1,3】ねじり変形がせん断応力-せん断ひずみの関係式となることが理解できる.軸のねじり剛性について説明できる.棒に生ずる内モーメントのつりあいについて自由体図を用いて説明できる.
14週 ねじり変形を受ける部材・中実/中空丸軸の極断面係数,断面二次極モーメントの誘導 【V-A-3:14-2】断面形状に依存した物理量について説明できる.
15週 ねじり変形を受ける部材・段付丸軸のねじり,ねじりの不静定問題 【V-A-3:14-1,3】ねじり変形がせん断応力-せん断ひずみの関係式となることが理解できる.軸のねじり剛性について説明できる.棒に生ずる内モーメントのつりあいについて自由体図を用いて説明できる.
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 ねじり変形を受ける部材・伝動軸,動力,馬力,伝動軸の設計指針(1) 【V-A-3:14-1,3】軸の設計指針である許容ねじり角,許容ねじり応力について説明できる.
2週 ねじり変形を受ける部材・伝動軸,動力,馬力,伝動軸の設計指針(2) 【V-A-3:14-1,3】軸の設計指針である許容ねじり角,許容ねじり応力について説明できる.
3週 曲げ変形を受ける部材・はりの支持方法,せん断力と曲げモーメントのつりあい 【航】 【V-A-3:15-1,2】はりに作用する外力,支持方法の違いにより生ずる変形を理解できる.はりに生ずる内力と内モーメントのつりあいについて自由体図を用いて説明できる.
4週 曲げ変形を受ける部材・片持ちはり/単純支持はりのSFD,BMD 【航】 【V-A-3:15-3】片持はり,単純支持はりのSFD,BMDが描ける.
5週 曲げ変形を受ける部材・種々のはりのSFD,BMD(1)【航】 【V-A-3:15-3】様々な外力下におかれたはりに生ずる変形を理解し,関連するSFD,BMDが描ける.
6週 曲げ変形を受ける部材・種々のはりのSFD,BMD(2)【航】 【V-A-3:15-3】様々な外力下におかれたはりに生ずる変形を理解し,関連するSFD,BMDが描ける.
7週 中間試験
8週 中間試験解答解説,曲げ変形を受ける部材・はりの断面二次モーメント,断面係数,曲げ応力(1)【航】 【V-A-3:15-3】様々な外力下におかれたはりに生ずる変形を理解し,関連するSFD,BMDが描ける.
4thQ
9週 曲げ変形を受ける部材・はりの断面二次モーメント,断面係数,曲げ応力(2)【航】 【V-A-3:15-5】はりに断面形状に依存した物理量(図心,断面二次モーメントetc.)の計算ができる.
10週 曲げ変形を受ける部材・はりの設計と断面形状(1)【航】 【V-A-3:15-5】はりに断面形状に依存した物理量(図心,断面二次モーメントetc.)の計算ができる.
11週 曲げ変形を受ける部材・はりの設計と断面形状(2)【航】 【V-A-3:15-4】15-3,5を下にはり内部に生ずる曲げ応力の分布について計算し,説明できる.
12週 はりの理論・各種外力下での単純支持はりのたわみ【航】 【V-A-3:15-6】曲げ変形によって生ずるたわみ角およびたわみ量が評価できる.
13週 はりの理論・曲げ変形を受けるはり/たわみの基礎式の誘導(2)【航】 【V-A-3:15-6】曲げ変形を記述するたわみの基礎式が誘導できる.
14週 はりの理論・各種外力下での片持ちはりのたわみ【航】 【V-A-3:15-6】片持ちはりの変形が理解できる
15週 はりの理論・各種外力下での単純支持はりのたわみ【航】 【V-A-3:15-6】単純支持はりの変形が理解できる
16週 期末試験

評価割合

定期試験小テストレポートその他(演習課題・発表・実技・成果物)合計
総合評価割合6020020100
基礎的理解501001070
応用力(実践・専門・融合)1050015
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL)00000
主体的・継続的学修意欲0501015