材料力学設計II

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料力学設計II
科目番号 3106 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 有光 隆 著,図解でわかる はじめての材料力学,技術評論社,単元ごとに演習プリントを配布する.【参考図書】井山裕文著,絵とき材料力学基礎のきそ,日刊工業新聞社,石田良平,秋田剛 著,ビジュアルアプローチ 材料力学,森北出版,斉藤渥,平井憲雄共著,詳解材料力学演習(上),(下)など
担当教員 比嘉 吉一

到達目標

機械工学技術者として必要不可欠な力学的視点を基礎とする方法論と機械・構造物設計における実問題を解決する能力を学修する.3年生では,2年生で学習した材料力学を基礎に発展的な内容として,はり理論の応用を理解する.また,多軸応力下の応力・ひずみ関係の学修により,応力主軸・主応力の概念を理解する.さらに,数値解析手法の基礎となるエネルギ原理に基づいた解析手法についても学習し,より高度な機械構造物の設計の基礎を修得する.
【V-A-3】機械構造物に作用する力と部材に生ずるさまざまな変形を理解することで,各種機械構造物を合理的かつ安全に
設計することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限必要な到達レベル(可)
曲げ変形時に起こ る「たわみ変形」の 評価ができる.たわみの基礎式の 導出過程に用いた力 学的な前提条件につ いて理解できる.右に加えて,力学的 不静定問題に対する 各種境界値問題が 解ける.たわみの基礎式によ り,力学的静定問題 に対する各種境界値 問題が解ける.
多軸応力下での 応力-ひずみ関 係式から応力主 軸・主応力の概念 を理解できる.3次元応力状態から 具体的な力学事例と ともに,2次元平面問 題への縮退が可能と なることを理解でき る.せん断応力=零の 極値問題から応力主 軸,主応力が算出で きる.一軸問題と多軸問題 の違いが理解でき る.
エネルギ原理に基 づく材料の変形, 応力評価ができ る.右に加えて,これま でに学修してきた変 形体の力学が,エネ ルギ原理をベースと した力学体系で説明 可能であることが理 解できる.一般化外力-一般 化変位系と関連する 諸法則について理解 できる.引張・圧縮系,ねじり 系,曲げモーメント系 でのひずみエネルギ 評価ができる.
理論の前提条件 やその適用範囲に ついての十分な理 解を通して,エンジ ニアとして必要な 『工学的センス』を 身に付ける.右に加えて,用いて いる力学モデルの前 提条件について説明 できる.各種外力下で,部材 内部に生ずる変形に ついて説明できる.各種外力下で,部材 内部に生ずる変形に ついて概ね理解でき る.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料力学は,機械や構造物が安全にかつ経済的に使用されるために必要な強度・構造設計に関する基礎的な学問であり,機械技術者が理解すべき最重要科目である.本授業では,機械工学技術者として必要不可欠な力学的視点を基礎とする方法論と機械・構造物設計における実問題を解決する能力を学修する.
授業の進め方・方法:
講義では数多くの例題を解説し,内容理解と応用力養成の目的から,多くの問題演習を課す.1年生で履修した物理,基礎数学I,IIの復習はもちろんのこと,2年生で履修する微積分I,線形代数をしっかりと勉強すること.
注意点:
「総合評価」に記載の通り,理解の定着を図るため毎回,復習のための小テストを実施する.積極的な自学自習,講義参加(ノートを取る・ペアワーク・グループワーク)が必要不可欠である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 はりの理論・各種外力下での単純支持はりのたわみ【航】 【V-A-3:15-6】曲げ変形によって生ずるたわみ角およびたわみ量が評価できる.
2週 はりの理論・曲げ変形を受けるはり/たわみの基礎式の誘導(2)【航】 【V-A-3:15-6】曲げ変形を記述するたわみの基礎式が誘導できる.
3週 はりの理論・各種外力下での片持ちはりのたわみ【航】 【V-A-3:15-6】片持ちはりの変形が理解できる
4週 はりの理論・各種外力下での単純支持はりのたわみ【航】 【V-A-3:15-6】単純支持はりの変形が理解できる
5週 はりの理論・不静定はりのたわみ変形(1)【航】 【V-A-3:15-6】不静定はりの変形が理解できる
6週 はりの理論・不静定はりのたわみ変形(2) 【V-A-3:15-6】不静定はりの変形が理解できる
7週 はりの理論・はりの理論のまとめ/まとめ演習 【V-A-3:15-6】複雑なはりの変形が理解できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 組合せ応力・任意の横断面に生ずる内力によって評価される垂直応力,せん断応力(1) 【V-A-3:16-2】任意の斜面上に生ずる応力について理解できる.
10週 組合せ応力・任意の横断面に生ずる内力によって評価される垂直応力,せん断応力(2) 【V-A-3:16-2】角度の関数で表現される垂直応力,せん断応力
の極値が計算できる.主応力,主せん断応力の概念が理解でき
る.
11週 組合せ応力・モールの応力円(1) 【V-A-3:16-2】図式解法により主応力,主せん断応力が算出で
きる.
12週 組合せ応力・モールの応力円(2) 【V-A-3:16-2】モールの応力円上で任意斜面上での応力状態に
ついて説明できる.
13週 組合せ応力・一般化された応力ーひずみ関係,多軸応力状態 【V-A-3:16-1】多軸応力の意味を説明できる.
14週 組合せ応力・平面応力/平面ひずみ近似【航】 【V-A-3:16-1】多軸応力問題を2次元問題へ縮退することができ
る.
15週 組合せ応力・曲げとねじりを受ける軸-軸設計 【V-A-3:16-1】多軸応力状態におかれた軸の設計指針を提示で
きる.
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 組合せ応力・内圧を受ける薄肉円筒/薄肉球殻【航】 【V-A-3:16-1】多軸応力問題の拡張として薄肉円筒,薄肉球殻
の応力計算ができる.
2週 組合せ応力・焼きばめ問題,円周応力/円周ひずみの関係式 【V-A-3:16-1】多軸応力問題の拡張として薄肉円筒,薄肉球殻
の応力計算ができる.
3週 ひずみエネルギ・種々の外力に対するひずみエネルギとその表式(1)-引張・圧
縮,せん断
【V-A-3:17-1】引張・圧縮・せん断変形を受ける部材内に蓄積するひずみエネルギの評価ができる.
4週 ひずみエネルギ・種々の外力に対するひずみエネルギとその表式(2)-引張・圧
縮,せん断
【V-A-3:17-2】ねじり・曲げ変形を受ける部材内に蓄積するひずみエネルギの評価ができる.
5週 ひずみエネルギ・一般化力-一般化変位系でのひずみエネルギ表現 【V-A-3:17-1,2】一般化力-一般化変位系でのひずみエネルギ
表現が理解できる.
6週 ひずみエネルギ・衝撃による変形と応力 【V-A-3:8-1,2】エネルギ保存則をベースとした力学計算ができる.
7週 中間試験
8週 ひずみエネルギ・Maxwellの相反定理,Bettiの相反定理,トラス構造物に対するCastiglianoの定理【航】(1) 【V-A-3:17-3】各種定理を用いて未知の一般化力,一般化変位が求められることを理解する.
4thQ
9週 ひずみエネルギ・Maxwellの相反定理,Bettiの相反定理,トラス構造物に対するCastiglianoの定理【航】(2) 【V-A-3:17-3】各種定理を用いて未知の一般化力,一般化変位が求められることを理解する.
10週 ひずみエネルギ・Castiglianoの定理とその応用 【V-A-3:17-3】各種定理を用いて未知の一般化力,一般化変位が求められることを理解する.
11週 ひずみエネルギ・変分原理,一般化外力-一般化変位との関係について 【V-A-3:8-1,17-3】変分法をベースに力のつりあい式が導出されることが理解できる.
12週 複雑なはりの問題 ・連続はりと3モーメントの式,SFDとBMD(1)【航】 3モーメントの式の導出過程が理解できる.関連するSFD,BMDの作図ができる.
13週 複雑なはりの問題 ・連続はりと3モーメントの式,SFDとBMD(2)【航】 3モーメントの定理を用いて未知反力・モーメントが求められる.
14週 断面の幾何学・断面の幾何学(慣性テンソル),主断面二次モーメントのモールの円
(1)【航】
断面相乗モーメントが求められる.慣性テンソルにおける主値について理解できる.
15週 断面の幾何学・断面の幾何学(慣性テンソル),主断面二次モーメントのモールの円
(2)【航】
断面相乗モーメントが求められる.慣性テンソルにおける主値について理解できる.
16週 期末試験

評価割合

定期試験小テストレポートその他(演習課題・ 発表・実技・成果物)合計
総合評価割合6025015100
基礎的理解451501070
応用力(実践・専門・融合) 1500015
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL)00000
主体的・継続的学修意欲0100515