材料科学

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料科学
科目番号 4110 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 材料強度学(材料学会編),教員配布プリントなど
担当教員 政木 清孝

到達目標

所定の使用期間中に破壊,変形を生じさせず、十分な安全性を維持し機能を果たしうる材料の選定を行える基礎的な能力を身につけることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
金属材料の変形と破壊に関する基礎的な概念を体系的に理解できる。応力やひずみの概念,基本的な破壊現象について理解し、破壊原因について定量的に説明できる。応力やひずみの概念,基本的な破壊現象について理解し、破壊原因が何か推測できる。応力やひずみの概念,基本的な破壊現象について説明できる。
疲労損傷について理解し予寿命評価をおこなう能力を身につける。疲労設計法について理解し、疲労設計が行える。疲労設計法について理解し、適切な疲労予測寿命式を用いて、疲労寿命予測が行える。疲労予測寿命式について理解している。
材料破壊事故に関する調査によって得られる情報の真偽について考え、物事を理論的に考える能力を身につける。公開されている情報の真偽について考え、自分の意見を論理的に述べることができる。公開されている情報の真偽について考え、自分の意見を述べることができる。公開されている情報の真偽について考えることができる。
破壊事故などが起きたとき、技術者として何をしなければならないか考えることができる。事故が起きたときに,技術者だけでなく組織として何をしなければならないか説明できる。事故が起きたときに,技術者として何をしなければならないか説明できる。技術者倫理について説明できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械構造部材の破壊は、時に重大な事故を引き起こす原因となる。その材料の破壊を防止するためには、材料の破壊特性を把握することが必要であり、本講義では特に重要な疲労破壊に重きを置いて、疲労設計の基礎を講義する。
授業の進め方・方法:
講義は主としてプロジェクタを用い、講義資料を毎回配布して部分的な記述形式で行う。
注意点:
講義中の居眠りにより配布資料の完成度が低い場合、講義に参加していないものと扱い減点する。
また疲労限度設計に関する試験と疲労寿命予測に関する試験結果を勘案して,到達目標に達していないと判断された場合には単位を認定しない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 (材料の科学)
 結晶の構造と不完全性
結晶の構造と結晶の不完全性(転位)について復習する。【航】
【V-A-6:3-1】金属と合金の結晶構造を説明できる。
2週 (材料の強度)
 応力とひずみ,破損の法則
主応力・主ひずみ、そして代表的な破損法則について学ぶ。【航】
【V-A-3:12-2】応力とひずみを説明できる。
3週  強度の基本的特性(Ⅰ) 引張強度とその影響因子について学ぶ。【航】
ホールペッチの関係を理解する。
【V-A-6:2-1】引張試験の方法を理解し,応力ひずみ線図を説明できる。
【V-A-3:12-3】フックの法則を理解し,弾性係数を説明できる。
4週 強度の基本的特性(Ⅱ) 破壊の基本的形態、破面様相、破壊じん性、疲労の概念について学ぶ。【航】
【V-A-6:2-3】脆性および靱性の意味を理解し,その試験方法を説明できる。
【V-A-6:2-4】疲労の意味を理解し,疲労試験とS-N曲線を説明できる 。
5週 (材料の疲労)
 疲労特性の基礎
疲労限度、寸法効果、応力集中、切欠係数、平均応力の影響について学ぶ。【航】
【V-A-6:2-4】疲労の意味を理解し,疲労試験とS-N曲線を説明できる 。
【V-A-2:1-3】疲労破壊,応力集中の意味を理解できる。
6週 (疲労設計)
 セーフライフ設計
(疲労限度設計)
引き続き疲労特性の基礎を学ぶと共に、セーフライフ設計の例として、疲労限度設計について取り上げる。疲労限度線図の使い方について理解を深める。【航】
【V-A-2:1-1】機械設計の方法を理解できる。
【V-A-2:1-3】許容応力,安全率の意味を説明できる。
7週 疲労限度設計 疲労限度設計に関する試験を行う。【航】
8週 (疲労設計)
 セーフライフ設計
(有限寿命設計)
セーフライフ設計の例として、低サイクル疲労に関する有限寿命設計について学ぶ。【航】
【V-A-2:1-1】機械設計の方法を理解できる。
2ndQ
9週 (疲労設計)
 セーフライフ設計
(変動荷重)
変動荷重下のセーフライフ設計の例として、線形累積損傷則による寿命評価を学ぶ。【航】
【V-A-2:1-1】機械設計の方法を理解できる。
10週 (疲労設計)
 セーフライフ設計
(設計基準の例)
セーフライフ設計のその他の例として、溶接構造物、鉄道台車枠、原子力プラントの設計指針に触れる。
【V-A-2:1-1】機械設計の方法を理解できる。
11週 (疲労設計)
 フェイルセーフ設計、
 損傷許容設計
フェイルセーフ設計の基礎と損傷許容設計の基礎について学ぶ。線形破壊力学の基礎と応力拡大係数について学び、パリス則による寿命評価を学ぶ。【航】
【V-A-2:1-1】機械設計の方法を理解できる。
12週 (疲労設計)
 損傷許容設計、破壊制御設計、
 広域疲労損傷
損傷許容設計に対する微小欠陥の取り扱いについて学ぶ。
破壊制御設計、広域疲労損傷について学ぶ。【航】
【V-A-2:1-1】機械設計の方法を理解できる。
13週 (環境強度)
 各種環境下での材料強度
高温環境下での動的破壊(クリープ、高温疲労)と、腐食環境下での動的破壊(応力腐食割れ、腐食疲労)について学ぶ。【航】
【V-A-6:2-5】機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。
14週 疲労寿命予測 疲労寿命予測に関する理解度を確認する。【航】
15週 材料の破壊・事故と倫理 破壊事故の例、疲労破壊損傷原因について学び、ビデオ鑑賞により技術者倫理について学ぶ。
【IV-B-1:-3】技術者倫理の基本を理解し,説明できる。
16週 期末試験 疲労寿命予測に関する試験を行う。【航】

評価割合

試験小テストレポートその他(演習課題・発表・実技・成果物等)合計
総合評価割合6030010100
基礎的理解4000040
応用力(実践・専門・融合)20300050
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL)00000
主体的・継続的学修意欲0001010