応用数学II

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用数学II
科目番号 5101 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 千葉逸人 著,これならわかる工学部で学ぶ数学,プレアデス出版
担当教員 比嘉 吉一

到達目標

機械工学分野で対象とする物理現象を記述する数学的技法の中で,必要不可欠となるベクトル解析と複素関数論について学修する.これら基礎を理解するとともに,道具として使いこなせるようになることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転を理解する.物理量をテンソル量(スカラー,ベクトル)として取り扱うことで,各種力学理論と関連していることが理解できる.勾配,発散,回転の演算ができる.基本的なベクトル量の加減,内積,外積,微分の演算ができる.
線積分・面積分および各種積分定理を理解する.ガウスの発散定理,ストークスの定理が理解でき,力学問題における具体例と結びつけることができる.スカラー場,ベクトル場の線積分・面積分が理解でき,基本的な演算ができる.曲線・曲面の媒介変数表示,接線ベクトル・法線ベクトルが理解できる.
複素数・複素関数を学修し理解する.コーシーの積分表示が理解でき,それを用いた演算ができる.複素関数としての指数関数,三角関数の性質が理解できる.複素数の極形式表示ができる.絶対値と偏角を用いた四則演算ができる.
留数定理を理解し,定積分の計算ができる.右に加えて,実積分への応用ができる.孤立特異点と留数,留数定理が理解できる.複素関数におけるテイラー展開,ローラン展開について理解できる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械系エンジニアに必要な数学的手法であるベクトル解析および複素関数について学修する.
授業の進め方・方法:
本講義では,固体力学・流体力学・電磁気学・量子力学といったわれわれが対象とする物理現象を取り扱う分野において,世界共通言語として使用される数学的手法を道具として使いこなすために,講義内および自学自習時間を含めて数多くの例題演習を課す.
注意点:
中間・期末試験の得点を70%,各単元ごとに実施する小テストを30%の割合で総合的に評価する.合計点の60%以上取得の時,単位を認定する.
授業および授業内での演習への積極的な取り組みのみならず,小テストの配分も大きいことからも,日頃からの自学自習が必要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトル解析【1】・ガイダンス・基本事項の確認と復習 4年生までに学修した数学の内容について確認できる.
2週 ベクトル解析【2】・ベクトルの微積分 ベクトルの微積分について理解できる.
3週 ベクトル解析【3】・スカラー場の勾配 スカラー場の勾配(grad)の計算ができる.
4週 ベクトル解析【4】・ベクトル場の発散と回転 ベクトル場の発散(div),回転(rot)の計算ができる.
5週 ベクトル解析【5】・スカラー場,ベクトル場の微分に関する公式と応用 スカラー場,ベクトル場の微分ができる.
6週 ベクトル解析【6】・重積分・線積分・面積分 多重積分ができる.
7週 ベクトル解析【7】・空間中の曲線と曲面・直交曲線座標表示 曲面・直行曲線座標表示ができる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ベクトル解析【8】・前期中間試験の解説・ガウスの定理 ガウスの発散定理が理解できる.
10週 ベクトル解析【9】・グリーンの定理・ストークスの定理 グリーンの定理・ストークスの定理が理解できる.
11週 複素数と複素関数【1】・複素数の基礎(複素数,複素平面,基本演算) これまでに学修した複素数の知識を復習できる.
12週 複素数と複素関数【2】・複素数の図示(極形式表示,図形表示) 複素数の極形式表示ができる.
13週 複素数と複素関数【3】・複素関数の微分・正則関数 複素関数の正則性について理解できる.
14週 複素数と複素関数【4】・複素関数の積分・コーシーの積分定理 コーシーの積分定理が理解できる.
15週 複素数と複素関数【5】・複素関数の展開・留数定理 留数定理が理解できる.
16週 前期期末試験

評価割合

定期試験小テストレポートその他(演習課題・発表・実技・成果物)合計
総合評価割合703000100
基礎的理解50100060
応用力(実践・専門・融合)20100030
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL)0100010
主体的・継続的学修意欲00000