システム制御論

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 システム制御論
科目番号 5110 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 教科書:『システム制御理論入門』,美多勉,小郷寛,実教出版  教材:教員作成プリント,教員作成プレゼン資料など
担当教員 安里 健太郎

到達目標

システム制御理論(現代制御理論)の理解,ならびに基本的な制御システム設計能力の修得を目標とする.
【V-A-8】計測制御:制御系分野は,制御系の数学的な表現方法ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限必要な到達レベル(可)
システム制御論で広く利用される数学的知識を修得し,それらを応用できる.システム制御論で必要となる基本的な数学的知識を修得しており,数学によって制御の本質を洞察することができる.システム制御論で必要となる基本的な数学的知識を修得しており,システム制御論との関連性を示すことができる.システム制御論で必要となる基本的な数学的知識を修得しており,それらの計算を行うことができる.
さまざまな物理システムを状態方程式・出力方程式および伝達関数行列により表現することができる.さまざまな物理システムにおいて数式モデルを導出することができ,その数式モデルをもとに,適切な状態方程式・出力方程式および伝達関数行列を導出できる.一部の物理システムにおいて数式モデルを導出することができ,その数式モデルをもとに,適切な状態方程式・出力方程式および伝達関数行列を導出できる.与えられた物理システムの数式モデルをもとに,手順に従って状態方程式・出力方程式および伝達関数行列を導出できる.
システムの安定性,可制御性,可観測性について理解し,それらを判別できる.導出した状態方程式・出力方程式をもとに,安定性,可制御性,可観測性を適切に判別することができ,制御対象の本質を洞察することができる.導出した状態方程式・出力方程式をもとに,安定性,可制御性,可観測性を適切に判別することができ,制御対象の特性を理解することができる.与えられた状態方程式・出力方程式をもとに,手順に従って,安定性,可制御性,可観測性を判別することができる.
状態フィードバックおよびレギュレータの役割について理解し,極設定によるレギュレータが適切に設計できる.制御目標に応じた極を適切に設定し,レギュレータを設計することができる.レギュレータの応答を考慮しながら極を設定し,レギュレータを設計することができる.与えられたレギュレータの極をもとに,手順に従ってレギュレータを設計することができる.
状態推定およびオブザーバの役割について理解し,極設定による同一次元オブザーバが適切に設計できる.実システムのノイズの影響およびレギュレータとの連携を考慮した極を設定し,オブザーバを設計することができる.レギュレータとの連携を考慮した極を設定し,オブザーバを設計することができる.与えられたオブザーバの極をもとに,手順に従ってオブザーバを設計することができる.
制御システム(オブザーバを利用したレギュレータ)が適切に設計できる.制御目標に応じた極を適切に設定し,制御システムを設計することができる.レギュレータとの連携を考慮した極を設定し,オブザーバを設計することができる.与えられた制御システムの極をもとに,手順に従って制御システムを設計することができる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
システム制御理論において数学モデルとして利用される「状態方程式・出力方程式」について学び,基本概念である「時間領域での安定性」,「可制御性」,「可観測性」について学ぶ.そして,それらに基づいた制御システムの設計(「レギュレータ」および「オブザーバ」の設計)について学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.毎回教員作成プリントを配布し,教科書の補足資料となるようそれに講義内容を書き込んでいく.また,学習項目毎にレポートを課し,授業内容の理解を深める.
注意点:
本講義では数学を多用するので,関連科目(下記の備考欄参照)の内容はある程度把握しておくこと.また,下記の授業計画の『自学自習(予習・復習)内容』の欄には,授業内容に対する教科書の章節番号を記述しているので,当該章節の予習・復習を行うこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 システム制御理論(現代制御理論)について概説する.行列の和算,乗算について復習する. 行列の和算,乗算について理解し,これらの計算ができる.
2週 行列式,逆行列,転置行列,行列のランクについて復習する. 行列式,逆行列,転置行列,行列のランクについて理解し,これらの計算ができる.
3週 正方行列の固有値,固有ベクトル,対角化について復習する.行列の微分・積分について学ぶ. 正方行列の固有値,固有ベクトル,対角化,行列の微分・積分について理解し,これらの計算ができる.
4週 微分方程式(運動方程式)と状態方程式の関係について学ぶ. 状態方程式の意味を理解し,微分方程式(運動方程式)から状態方程式を導くことができる.
5週 状態方程式による機械システムと電気システムの表現について学ぶ. 様々な物理システムの状態空間表現を導くことができる.
6週 非線形システムの線形化,および,ブロック線図と状態変数線図について学ぶ. システムの線形性を理解し,非線形システムの線形化を行うことができる.また,状態変数線図を理解し,ブロック線図から状態変数線図に変換できる.
7週 状態推移行列,状態方程式の解,システムの出力応答について学ぶ. 状態推移行列,状態方程式の解,システムの出力応答について理解し,これらの計算ができる.
8週 漸近安定性とシステムの極の関係について学ぶ. システムの安定性について理解し,安定判別を適切に行うことができる.
2ndQ
9週 システムの可制御性について学ぶ. システムの可制御性について理解し,可制御性を適切に行うことができる.
10週 システムの可観測性について学ぶ.可制御性と可観測性の双対性について学ぶ. システムの可観測性について理解し,可観測性を適切に行うことができる.また,可制御性と可観測性の双対性について理解できる.
11週 システムの伝達関数行列,状態変数変換について学ぶ. システムの伝達関数行列,状態変数変換について理解し,これらの計算ができる.
12週 対角正準形式,可制御正準形式,可観測正準形式について学ぶ.実現について学ぶ. 対角正準形式,可制御正準形式,可観測正準形式について理解し,これらの計算ができる.
13週 状態フィードバックについて学び,レギュレータの設計について学ぶ. 状態フィードバックを理解し,極配置法によるレギュレータの設計ができる.
14週 状態変数の推定について学び,オブザーバの設計について学ぶ 状態変数の推定を理解し,極配置法によるオブザーバの設計ができる.
15週 オブザーバを利用したレギュレータの設計について学ぶ. オブザーバを利用したレギュレータの必要性を理解し,極配置法によってこの設計ができる.
16週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的理解303060
応用力(実践・専門・融合)301040
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL)000
主体的・継続的学修意欲000