到達目標
システム制御理論(現代制御理論)の理解,ならびに基本的な制御システムの解析・設計能力の修得を目標とする.
【V-A-8】計測制御:制御系分野は,制御系の数学的な表現方法ができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限必要な到達レベル(可) |
さまざまな物理システムを状態方程式・出力方程式および伝達関数行列により表現することができる.前期中間試験によって評価する. | さまざまな物理システムにおいて数式モデルを導出することができ,その数式モデルをもとに,適切な状態方程式・出力方程式および伝達関数行列を導出できる. | 一部の物理システムにおいて数式モデルを導出することができ,その数式モデルをもとに,適切な状態方程式・出力方程式および伝達関数行列を導出できる. | 与えられた物理システムの数式モデルをもとに,手順に従って状態方程式・出力方程式および伝達関数行列を導出できる. |
システムの安定性,可制御性,可観測性について理解し,それらを判別できる.前期期末試験よって評価する. | 導出した状態方程式・出力方程式をもとに,安定性,可制御性,可観測性を適切に判別することができ,制御対象の本質を洞察することができる. | 導出した状態方程式・出力方程式をもとに,安定性,可制御性,可観測性を適切に判別することができ,制御対象の特性を理解することができる. | 与えられた状態方程式・出力方程式をもとに,手順に従って,安定性,可制御性,可観測性を判別することができる. |
状態フィードバックおよびレギュレータの役割について理解し,極設定によるレギュレータが適切に設計できる.状態推定およびオブザーバの役割について理解し,極設定による同一次元オブザーバが適切に設計できる.前期期末試験によって評価する. | 制御目標に応じた極を適切に設定し,レギュレータを設計することができる.実システムのノイズの影響およびレギュレータとの連携を考慮した極を設定し,オブザーバを設計することができる. | レギュレータの応答を考慮しながら極を設定し,レギュレータを設計することができる.レギュレータとの連携を考慮した極を設定し,オブザーバを設計することができる. | 与えられたレギュレータの極をもとに,手順に従ってレギュレータを設計することができる.与えられたオブザーバの極をもとに,手順に従ってオブザーバを設計することができる. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
システム制御理論において数学モデルとして利用される「状態方程式」・「出力方程式」について学び,基本概念である「時間領域での安定性」,「可制御性」,「可観測性」について学ぶ.そして,それらに基づいた制御システムの設計(「レギュレータ」および「オブザーバ」の設計)について学ぶ.
授業の進め方・方法:
適宜教員作成プリントの配布や動画資料の配信を行い,それを利用して授業を進めていく.
注意点:
本講義では数学を多用するので,これまでに学んできた「基礎数学Ⅰ・Ⅱ」,「線形代数」,「微積分Ⅰ・Ⅱ」,「応用数学Ⅰ」,「制御工学」の内容はきちんと理解しておくこと.また,講義内容の予習・復習を行うこと.
なお,本講義は遠隔授業(オンデマンド)で行う場合もある.その場合は連絡するので必ず自学自習で対応すること.
教科書は利用せず教員作成資料を中心に授業を進めていくが,参考書の購入を強く推奨する.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
システム制御理論(現代制御理論)について概説する.モデルベース制御について学ぶ. [教員作成資料] |
システム制御理論(現代制御理論)およびモデルベース制御の概要を理解することができる.
|
2週 |
微分方程式(運動方程式)と状態方程式の関係について学ぶ. [参考書:1~3ページ] |
状態方程式の意味を理解し,微分方程式(運動方程式)から状態方程式を導くことができる.
|
3週 |
状態方程式による機械システムと電気システムの表現について学ぶ. [参考書:4~7ページ] |
様々な物理システムの状態空間表現を導くことができる.
|
4週 |
ブロック線図と状態変数線図について学ぶ. [参考書:7~8ページ] |
状態変数線図を理解し,ブロック線図から状態変数線図に変換できる.
|
5週 |
非線形システムの線形化について学ぶ. [参考書:9~13ページ] |
システムの線形性を理解し,非線形システムの線形化を行うことができる.
|
6週 |
状態推移行列について学ぶ. [参考書:49~51,61~64ページ] |
状態推移行列について理解し,これらの計算ができる.
|
7週 |
状態方程式の解,システムの出力応答について学ぶ. [参考書:61~63ページ] |
状態方程式の解,システムの出力応答について理解し,これらの計算ができる.
|
8週 |
前期中間試験 |
これまで学んだ内容について,前期中間試験を実施する.
|
2ndQ |
9週 |
漸近安定性とシステムの極の関係について学ぶ. [参考書:69~71ページ] |
システムの安定性について理解し,安定判別を適切に行うことができる.
|
10週 |
システムの可制御性について学ぶ.システムの可観測性について学ぶ.可制御性と可観測性の双対性について学ぶ. [参考書:85~91ページ] |
システムの可制御性について理解し,可制御性を適切に行うことができる.また,システムの可観測性について理解し,可観測性を適切に行うことができる.さらに,可制御性と可観測性の双対性について理解できる.
|
11週 |
システムの伝達関数行列,状態変数変換について学ぶ. [参考書:92~96ページ] |
システムの伝達関数行列,状態変数変換について理解し,これらの計算ができる.
|
12週 |
対角正準形式,可制御正準形式,可観測正準形式について学ぶ.実現について学ぶ. [参考書:96~109ページ] |
対角正準形式,可制御正準形式,可観測正準形式について理解し,これらの計算ができる.
|
13週 |
状態フィードバックについて学び,レギュレータの設計について学ぶ. [参考書:115~118ページ] |
状態フィードバックを理解し,極配置法によるレギュレータの設計ができる.
|
14週 |
状態変数の推定について学び,オブザーバの設計について学ぶ. [参考書:121~124ページ] |
状態変数の推定を理解し,極配置法によるオブザーバの設計ができる.
|
15週 |
オブザーバを利用したレギュレータの設計について学ぶ. [参考書:130~132ページ] |
オブザーバを利用したレギュレータの必要性を理解し,極配置法によってこの設計ができる.
|
16週 |
前期期末試験 |
これまで学んだ内容について,前期期末試験を実施する.
|
評価割合
| 前期中間試験 | 前期期末試験 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的理解 | 40 | 40 | 80 |
応用力(実践・専門・融合) | 10 | 10 | 20 |
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL) | 0 | 0 | 0 |
主体的・継続的学修意欲 | 0 | 0 | 0 |