微生物学実験

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 微生物学実験
科目番号 2405 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物資源工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 配布プリント、微生物利用(中西載慶,実教出版)
担当教員 田邊 俊朗,玉城 康智

到達目標

微生物の取り扱い方法、無菌操作方法などを実践的に修得することを目標とする。 自然界や食品から微生物を分離する方法、その分離菌株の培養方法や保存方法、微生物による環境浄化作用を具体的に学ぶ。 【IV 工学基礎】【V-E-8 生物工学】【VI-E-1 専門工学 実験・実習】

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限必要な到達レベルの目安(可)
無菌操作技術に関する知識を習得し、操作技術を身につける。無菌操作技術に関する知識を自らも勉強して身につけ、確実に操作ができる。無菌操作技術に関する基本的な知識を身につけ、雑菌汚染をさせない操作が十分にできる。無菌操作技術に関する基礎的な知識を身につけ、雑菌汚染をさせない基礎的な操作ができる。
微生物培養のための培地調製、機器や器具の操作技術を身につける。微生物培養のための培地調製、機器や器具の操作技術に関する知識を自らも勉強して身につけ、確実に操作ができる。微生物培養のための培地調製、機器や器具の操作技術に関する基本的な知識を身につけ、培地調製から接種、培養までの操作が十分にできる。微生物培養のための培地調製、機器や器具の操作技術に関する基礎的な知識を身につけ、微生物培養の基礎的な操作ができる。
微生物の分離、純粋培養、菌株保存方法、測定方法、観察方法などの技術を身につける。微生物の分離、純粋培養、菌株保存方法、測定方法、観察方法などに関する知識を自らも勉強して身につけ、確実に操作ができる。微生物の分離、純粋培養、菌株保存方法、測定方法、観察方法などに関する基本的な知識を身につけ、純粋培養から微生物観察までの操作が十分にできる。微生物の分離、純粋培養、菌株保存方法、測定方法、観察方法などに関する基礎的な知識を身につけ、微生物の培養から観察までの基礎的な操作ができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微生物学の講義および微生物学実験で習得したことを応用し、実際に各種器具を使って微生物の生育を観察する。 毎回の授業でMCC 2-4-1 IV-A 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)に対応する。また、MCC V-E-8 生物工学の各到達目標を、週ごとの到達目標に紐付ける。
授業の進め方・方法:
手順書に従い、微生物を培養・観察し、微生物の生産物質の確認、微生物が物質を分解することなどを確認する。
注意点:
この科目の主たる関連科目は生物資源工学科科目関連図一覧表を参照のこと

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 微生物実験の基本1(微生物実験を始めるにあたって) 微生物実験の基本操作,安全な作業について学ぶ。 MCC 2-4-1 IV-A 工学実験技術 実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。
2週 微生物実験の基本2(実験器具・機器の種類と扱い方) 微生物用実験器具,機器について学ぶ。 MCC 2-4-1 IV-A 工学実験技術 実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。
3週 微生物実験の基本3(殺菌と除菌) 無菌操作手法について学ぶ。 MCC V-E-8 生物工学 滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。
4週 微生物実験の基本4(培地の種類と調製法) 各種の微生物用培地の調製法を学ぶ。 MCC V-E-8 生物工学 微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。
5週 微生物の増殖と水分の関係 微生物の成育要因を理解する。 MCC V-E-8 生物工学 微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。
6週 微生物の増殖と温度・pH・浸透圧の関係 微生物の成育要因を理解する。 MCC V-E-8 生物工学 微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。
7週 微生物の分離と培養1(微生物の純粋分離) 微生物の分離法法を学ぶ。微生物の培養方法を学ぶ。 MCC V-E-8 生物工学 微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。
8週 微生物の分離と培養2(微生物の保存と入手) 微生物の保存方法を学ぶ。
2ndQ
9週 微生物の観察1(顕微鏡の使い方,顕微鏡による観察) 顕微鏡の使い方を学ぶ。 MCC V-E-8 生物工学 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。
10週 微生物の観察2(微生物の大きさの測定) 微生物の標本の作り方を学ぶ。
11週 微生物の観察3(微生物の増殖量の測定) 微生物の増殖過程を定量的に測定する方法を学ぶ。 MCC V-E-8 生物工学 微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。
12週 クエン酸生産かびの分離と培養1(分離) クエン酸生産かびの純粋分離と培養方法を学ぶ。
13週 クエン酸生産かびの分離と培養2(観察) クエン酸生産かびの純粋分離と培養方法を学ぶ。
14週 クエン酸生産かびの分離と培養3(スライド培養) クエン酸生産かびの純粋分離と培養方法を学ぶ。
15週 クエン酸生産かびの分離と培養4(生産物の確認) クエン酸生産能の確認方法を学ぶ。
16週
後期
3rdQ
1週 酵素の性質 酵素が影響を受ける反応条件について理解する。
2週 酵素生産かびの分離と培養(アミラーゼ抽出) 酵素生産かびの純粋分離や培養方法を学ぶ。
3週 酵素生産かびの分離と培養(アミラーゼの液化力の測定) 酵素生産かびの生産物の確認方法を学ぶ。
4週 酵素生産かびの分離と培養(アミラーゼの糖化力の測定) 酵素生産かびの生産物の確認方法を学ぶ。
5週 酵素生産かびの分離と培養(プロテアーゼ生産能の測定) 酵素生産かびの生産物の確認方法を学ぶ。
6週 きのこの栽培(シイタケ) きのこの純粋分離と培養方法を学ぶ。
7週 きのこの栽培(ヒラタケ) きのこの純粋分離と培養方法を学ぶ。
8週 酵母の分離と培養(アルコール生産酵母の分類と培養) アルコール生産酵母の純粋分離と培養方法を学ぶ。 MCC V-E-8 生物工学 アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。
4thQ
9週 酵母の分離と培養(アルコール発酵とアルコールの定量) アルコール発酵生産物の確認方法を学ぶ。 MCC V-E-8 生物工学 アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。
10週 酵母の分離と培養(酵母の同定) 酵母の同定法を理解する。
11週 酵母の分離と培養(胞子形成と生理的試験) 酵母の形態的特徴と生理的特性を学ぶ。
12週 細菌の分離と培養(納豆菌) 納豆菌の純粋分離と培養方法を学ぶ。好気性菌の性質と培養方法を学ぶ。菌体の染色方法を学ぶ。
13週 細菌の分離と培養(乳酸菌) 乳酸菌の純粋分離と培養方法を学ぶ。乳酸発酵生産物の確認方法を学ぶ。
14週 細菌の分離と培養(大腸菌群検査) 大腸菌群について学ぶ。大腸菌群検査の目的を理解する。大腸菌群検査の方法について学ぶ。
15週 微生物利用の実践(糠味噌漬け、甘酒、抗菌性物質、バイオエタノール) 微生物の産業利用について理解する。
16週

評価割合

定期試験小テストレポートその他(演習課題・発表・実技・成果物等)合計
総合評価割合001000100
基礎的理解0080080
応用力(実践・専門・融合)0020020
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL)00000
主体的・継続的学習意欲00000