到達目標
微生物の生育や働きについて学び、その培養方法や応用方法について理解する。
生物の共通性である、細胞、エネルギーと代謝、遺伝情報の発現について理解する。
酵素の性質、生体内における役割を理解する。
ニューバイオテクノロジーの基礎となる各種微生物のスクリーニング法、基礎的な酵素化学、酵素精製法、微生物による物質生産法について理解し説明できる。【MCC 5-2-5 II-E】
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限必要な
到達レベル(可) |
バイオリアクターを含むニューバイオテクノロジーの知識や技術についてその概要を説明できる | ニューバイオテクノロジーの知識や技術についてその概要と複数の実例を挙げて説明できる。 | ニューバイオテクノロジーの知識や技術についてその概要だけでなく実例を挙げることができる。 | ニューバイオテクノロジーの知識や技術について興味を持ち、その概要を説明できる。 |
天然からの微生物スクリーニング法や新規酵素スクリーニング法を習得する。 | 天然からの微生物スクリーニング法や新規酵素スクリーニング法をよく理解し、実際の課題に即したスクリーニング手順を記述できる。 | 天然からの微生物スクリーニング法や新規酵素スクリーニング法を知り、その概要だけでなく実例を挙げることができる。 | 天然からの微生物スクリーニング法や新規酵素スクリーニング法を知り、概要を説明できる。 |
酵素の各種精製法について理解し、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択して精製系を構築できる。 | 酵素精製法をよく理解し、実際の精製系について機器・器具から所要時間まで詳細に記述できる。 | 酵素精製に必要な機器・器具を把握し、精製スキームを記述できる。 | 酵素精製の概略を述べることができる。 |
酵素反応速度論を理解し、酵素の酵素化学的性質とタンパク質化学的性質の検討方法を説明できる。 | 酵素反応速度論を理解し、測定データから酵素のkm値とVmaxを導いた上で、その値が妥当であるか検討できる。
さらに酵素の酵素化学的性質とタンパク質化学的性質の検討方法を説明できる。 | 酵素反応速度論解析用の測定データから酵素のkm値とVmaxを導いた上で、その値が妥当であるか検討できる。 | 酵素反応速度論解析用の測定データから酵素のkm値とVmaxが導ける。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
生物工学は、生物工学実験と連携し、植物や微生物および酵素に関するニューバイオテクノロジーについての知識と技術を身につける。
授業の進め方・方法:
3年次までの専門関連科目で学んだことを基礎として、実社会の問題を解析し解決できるような専門知識と技術を生かせる実践力を培う。種々の生命現象で重要な役割を果たし、産業でも多方面に用いられる酵素に関して、その基礎的な理論および精製法や反応速度論的取り扱い、さらにバイオリアクターなどの有用物質生産の道具としての産業応用にまで講義を行う。
注意点:
対面授業に集中し、理解しているかを小テストで確認する。定期試験を行う。再試験を行わない。
総合評価は定期試験50%+小テスト50%で行う。60点以上の場合に合格とする。答案返却時に出席していない場合、評価を保留する。
① 自学自習欄の予習項目に関する課題を課す。 各2時間×15回
② 復習としてまとめレポートの提出を課す。 各2時間×15回
この科目の主たる関連科目は生化学(3年)、生化学実験(3年)、遺伝子工学(4年)、遺伝子工学実験(4年)、生物工学実験(4年)、細胞工学(5年)、タンパク質工学(5年)
(モデルコアカリキュラム)
【MCC 5-2-5 II-E】
(学位審査基準の要件による分類・適用)
専門科目 ④ A-2群 生物工学に関する基本的科目
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ニューバイオテクノロジー概論 |
生物工学の概略を知り、到達目標を把握する。微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて理解する。
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2週 |
植物の組織培養と育種 |
植物組織培養について理解する。
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3週 |
有用微生物のスクリーニング法 |
様々な微生物のスクリーニング法を知る。 抗生物質や生理活性物質とその微生物による生産について理解する。 微生物の育種方法について理解する。 微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても理解する。
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4週 |
酵素の定義と分類 |
緩衝液について学ぶ。 酵素とは何か知り、代謝における酵素の役割を学ぶ。構造と機能の観点から酵素の種類と分類命名法を知る。単糖の化学構造を知り、各種の異性体について学ぶ。グリコシド結合を知り、各種の多糖を学ぶ。 酵素の活性を定量的または定性的に調べる。
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5週 |
酵素活性測定法 |
主に糖質加水分解酵素の活性測定法を知る
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6週 |
タンパク質の定量法 |
様々なタンパク質の検出法や定量法を知る。
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7週 |
遺伝子組換え技術1 |
遺伝子組換え技術の原理について理解する。大腸菌の形質転換法を知る。 大腸菌の高効率コンピテントセル調製法を知る。微生物の増殖(増殖曲線)について学ぶ。 プラスミドについて知る。 大腸菌からのプラスミド抽出・精製法を学ぶ。 核酸関連酵素の性質と用途を学ぶ。 分光分析法を用いた核酸の検出・定量法を学ぶ
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8週 |
遺伝子組換え体による物質生産と酵素精製概論 |
微生物による酵素の大量生産法を学習する。組換え型タンパク質の生産と抽出法を学ぶ。 酵素の取り扱い、精製方法の典型と系を構築する考え方を習得する。
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2ndQ |
9週 |
酵素の粗精製とカラムクロマトグラフィー |
粗分画や硫安沈殿など酵素精製の初期ステップを学ぶ。超音波破砕など適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出する方法を知り、ろ過や遠心分離等での粗分画精製について知る。各種の緩衝液を知り、分離用ゲルを空カラムに充填するなど、低圧カラム精製の基礎を学ぶ。グラジエントミキサーを使用して塩濃度直線勾配を作成するなど低圧カラム精製の基礎を学ぶ。
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10週 |
アフィニティー、イオン交換、疎水性相互作用 |
分子間の親和性を理解する。イオン交換体について概念と使用法を理解する。等電点を利用した分画法を知る。疎水性相互作用を利用したクロマトグラフィーを学ぶ。
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11週 |
ゲル濾過、脱塩と分子量分画 |
ゲル濾過・透析など各種のタンパク質溶液の脱塩法を理解する。 分子量分画と分子量の推定を学習する。
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12週 |
タンパク質の電気泳動法 |
SDS-PAGE、IEF、2D-PAGEについて学ぶ。
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13週 |
タンパク質の 電気泳動法2と構造解析 プロテオーム解析 |
電気泳動の結果をどう評価するかについて学ぶ。エドマン分解や断片のMALDI-TOF MS解析など各種のN末端・C末端アミノ酸配列分析法を知り、プロテオーム解析などの応用について学ぶ。
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14週 |
酵素反応速度論、酵素の性質検討 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について理解する。酵素反応を数量論的に解析する方法について学ぶ。酵素の作用に影響する条件について知る。酵素の性質(最適温度、最適pH、熱安定性、pH安定性)について理解する。 鍵と鍵穴説から発展し、酵素の構造から、基質特異性と基質濃度について理解する。
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15週 |
バイオリアクター |
固定化酵素とバイオリアクターの設計・構築法を学ぶ。
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16週 |
期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
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2週 |
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3週 |
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4週 |
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5週 |
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6週 |
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7週 |
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8週 |
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4thQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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評価割合
| 定期試験 | 小テスト | レポート | その他(演習課題・発表・実技・成果物等) | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 0 | 0 | 100 |
基礎的理解 | 30 | 30 | 0 | 0 | 60 |
応用力(実践・専門・融合) | 20 | 20 | 0 | 0 | 40 |
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
主体的・継続的学習意欲 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |