食品製造学

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 食品製造学
科目番号 5402 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物資源工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 田中 博

到達目標

加工食品の製造は原材料の調達から、最終的に安全な商品として流通する形態にまで仕上げる一連の操作である。この一連の操作に関する知識は、素材の諸性質やその性状変化に関するものだけではなく、加工処理に使用される機器、副原料、包装材料などの他、関連する法的知識に至るまで広範囲な内容が含まれる。食品製造学では、これらの一連の操作に関する基本的な情報と技術を身につけることを目標とする。  また、加工食品は様々な物質を含み、かつ多様な加工方法による製造される。したがって、加工食品を理解し、また新しい加工食品を開発するためには、主として生化学、生理学、微生物学の専門知識、また化学や物理学の基礎知識を組み合せて考え、議論することが求められる。本科目では、異なる分野の多種多様な情報を組み合せて考える力を、チーム演習を活用して身につけることも目標とする。 【V-E-4】、【V-E-5】、【V-E-7】

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限必要な 到達レベル(可)
食品製造の意義と食品加工の目的が説明できる。(A-3)食品製造の意義と食品加工の目的を関連づけて理解し、一般の消費者に説明し、理解させることができる。食品製造と食品加工の質的な違いを理解し、関連ンする学科の学生に説明することができる。食品製造と食品加工の目的を関連する学科の学生に説明することができる。
食品における各種成分(水分、タンパク質、脂質、炭水化物)の性質と変化を理解する。(A-3)食品に含まれる水、タンパク質、脂質、炭水化物の性質と加工処理による変化を理解し、これらの理解を食品製造に応用することができる。食品に含まれる水、タンパク質、脂質、炭水化物の基本的な性質を理解し、関連する学科の学生に説明することができる。教科書を参照することで、食品に含まれる水、タンパク質、脂質、炭水化物の基本的な性質を理解することができる。
加工食品の製造技術(物理的・化学的・生物的)が説明できる。(A-3)加工食品の製造技術(物理的・化学的・生物的)を理解し、自ら設定した課題を解決するための手段を適切に選択することができる。加工食品の製造技術(物理的・化学的・生物的)を理解し、関連する学科の学生に説明することができる。教科書を参照することで、加工食品の製造技術を理解することができる。
乳・乳製品(牛乳、チーズ)の製造原理と製造法が説明できる。(A-3)牛乳とチーズの製造原理を分子レベルで理解し、理解した原理に基づいて新しいか工法を提案することができる。牛乳とチーズの製造原理を理解し、関連する学科の学生に説明することができる牛乳とチーズに製造方法を説明することができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 食品の製造や開発現場で必要とされる基礎知識として、食品成分の性質と加工食品の製造技術に関する講義を行う。また、乳・乳製品については、製造法とともに分子レベルでの製造原理を詳細に解説する。さらに、魅力ある加工特産品を開発するため考え方や手法(マーケティング)について、実例を挙げて解説する。また、いくつかの代表的な食品の加工技術については、実験・実習により現象としくみを確認する。
授業の進め方・方法:
これまでに学習した専門基礎科目(微生物学、生化学、発酵学、生理学、生物工学等)の知識を総動員し、自分の頭で考えて理解する意識と態度を求める。  また、常に身近な食材や加工法に関する情報を扱うため、日常生活において、「この食品は、何を、どうして製造されているのか?」、「この資源を、こう加工すると、新しい食品が製造できるのでは?」といった食品製造に対する高い関心を持ちながら講義に臨むことを求める。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の目的と進め方を理解する。
2週 食品製造の意義 食品製造の意義と加工の目的を理解する。
3週 食品成分の性質(水) 食品におけるエネルギーと水分の性質を理解する。
4週 食品成分の性質(タンパク質) 食品におけるタンパク質の性質を理解する。
5週 食品成分の性質(演習1) 【演習1】タンパク質の性質
6週 食品成分の性質(炭水化物) 食品における炭水化物の性質を理解する
7週 食品成分の性質(演習2) 【演習2】炭水化物の性質
8週 中間試験
2ndQ
9週 食品成分の性質(脂質) 食品における脂質の性質を理解する
10週 食品加工の目的 食品加工の目的と原理を理解する。
11週 牛乳の製造法 牛乳の栄養と製造法を学ぶ。
12週 食品素材の観察(演習3) 【演習3】牛乳の観察
13週 食品の製造原理(豆腐、演習4) 【演習4】豆腐の製造原理を理解する
14週 食品の製造原理(チーズ、演習5) 【演習5】チーズの製造原理を理解する
15週 マーケティング 食品製造とマーケティング
16週 期末試験

評価割合

定期試験小テストレポートその他(演習課題・発表・実技・成果物等)合計
総合評価割合6020200100
基礎的理解30200050
応用力(実践・専門・融合)10010020
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL)0010010
主体的・継続的学習意欲2000020