到達目標
連続体モデルに関する基本的考え方と有限変形に基づく数理的取り扱い方法を習得することを目標とする.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限必要な到達レベル(可) |
スカラー,ベクトル,テンソルの物理的意味を理解する. | テンソルの商法則をベースに,扱う物理量のテンソル量について説明できる. | 扱っている物理量とテンソル量との対応が説明できる. | ベクトル,テンソルの加減演算ができる. |
運動法則と保存則について理解する. | 対象とする物理現象に対して,運動法則,保存則を通して平衡方程式・支配方程式が記述できる. | 右に加えて,各種保存則が理解できる. | 運動の3法則が理解できる. |
物質の力学的挙動を記述する各種構成式を学修することにより,固体力学,流体力学,熱および物質移動との関連性について理解する. | 右に紹介されていない構成式・支配方程式についても,対象とする物理現象とともに,その式の成り立ちについて理解できる. | 教科書中に紹介されている構成式についても理解できる. | 講義中に示した構成式が理解できる. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
質点系,剛体等を取り扱う基礎力学に始まり,本科で学んだ材料力学,熱工学,流体工学,機械力学等で学んだ個々の力学を改めて統一的に見直すことで,それら力学に共通する概念および取り扱いについて理解する.本講義では,これら多様な分野の問題を統一的に取り扱う手法である連続体力学の基礎を学修することを目的とする.
授業の進め方・方法:
座学を行ったのち,学習内容の理解度向上のため,単元ごとに演習を行う.
注意点:
教科書の内容を逐一説明する授業を行うわけではないので,受講者はシラバスを参考に,教科書,参考図書を十分に予習して講義に臨むこと.
また,授業後は講義内容の復習を促すため,教科書に掲載の章末問題演習も課すので,自学自習を怠らないこと.
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
連続体力学の概要,マトリクス代数 |
連続体の考え方,マトリクスの演算,総和規約,固有値と固有ベクトル,ケーリー・ハミルトンの定理について理解できる.
|
2週 |
ベクトル(1) |
加法,座標系と基本ベクトル,スカラー積とベクトル積について理解できる.
|
3週 |
ベクトル(2) |
ベクトルの変換,積分演算子について理解できる.
|
4週 |
テンソル(1) |
テンソルの定義,四則演算,商法則が使える.
|
5週 |
テンソル(2) |
固有値と固有ベクトル,微分,ガウスの発散定理について理解できる.
|
6週 |
変形とひずみ(1) |
粒子の運動と座標系について理解できる.変位の時間導関数より変位速度が定義できる.
|
7週 |
変形とひずみ(2) |
ひずみの適合条件について説明できる.ひずみの不変量について理解できる.
|
8週 |
応力とつりあい方程式(1) |
物体に作用する力とつりあい方程式について理解できる.
|
2ndQ |
9週 |
応力とつりあい方程式(2) |
Cauchyの式とつりあい方程式より応力テンソルが説明できる.応力の不変量について理解できる.
|
10週 |
保存則と支配方程式(1) |
質量保存則より連続の式が,運動量保存則より運動方程式が導出されることが理解できる.
|
11週 |
保存則と支配方程式(2) |
角運動量保存則,エネルギ保存則より支配方程式が導出されることが理解できる.
|
12週 |
構成式 |
完全/ニュートン流体,線形弾性/熱弾性体に関する構成式について理解できる.
|
13週 |
連続体の境界値問題(1) |
連続体の支配方程式,Navier-Stokesの方程式の具体形について理解できる.
|
14週 |
連続体の境界値問題(2) |
Navierの方程式,熱伝導方程式の具体形について理解できる.
|
15週 |
境界値問題と変分原理 |
変分原理を用いてこれまでの支配方程式が導出されることについて理解できる.
|
16週 |
学期末試験 |
|
評価割合
| 定期試験 | 小テスト | レポート | その他(演習課題・発表・実技・成果物) | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的理解 | 40 | 0 | 10 | 0 | 50 |
応用力(実践・専門・融合) | 30 | 0 | 5 | 0 | 35 |
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
主体的・継続的学修意欲 | 0 | 0 | 15 | 0 | 15 |