流体工学特論

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 流体工学特論
科目番号 6118 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械システム工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 流体力学(日本機械学会編、JSMEテキストシリーズ)
担当教員 眞喜志 治

到達目標

現象を本質的に系統立てて、理論的に取り扱うための基本的な知識を習得する。
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明できる。
抗力係数および揚力係数を用いて、抗力および揚力を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
流れの現象を正しく理解でき、現象を数式で表現することができる。流れの中の微小要素について、質量及びエネルギー保存に関する図を描くことができ、それを用いて保存則に関する方程式を導出することができる。流れの中の微小要素について、質量及びエネルギー保存に関する方程式を導出することができる。流れに関する方程式を利用して、特別な流れに対する速度分布等の式を導出することができる。
授業中に示された基礎式や理論式の導出等を自発的に行う能力を身につける。式の導出過程を理解し、複数の式を組み合わせた活用ができる。式変形を行い、状況に応じた式活用ができる。計算に必要な式を利用することができる。
与えられた様々な条件から問題解決に必要な条件を見出し、正確な解答および的確な説明を行える能力を身につける。与えられている情報をすべて理解し、問題に応じて、必要な値及び式を選択でき、的確に答えを導くことができる。与えられた情報の中から、問題解決に必要な情報を抽出し、答えを導くことができる。与えられた情報を利用して、答えを導くことができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
流体運動を理論的に取り扱う「流体力学」について学ぶ。主にポテンシャル流れ、粘性流体、翼周りの流れ、圧縮性流体の流れを取り上げる。また、それらに関連する翼周りなどの抗力・揚力の導出方法,及び衝撃波前後の関係式について取り扱う。
【複数教員方式】
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進め、ポイントごとに課題に取り組むことで、知識の定着を図る。
注意点:
本講義は、本科4年生で受講した「流体工学」で学んだ知識を基礎としているので、よく復習して受講することが求められる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体の運動方程式① 流体を支配する運動方程式のもつ性質を理解し、質量保存則の式を導出することができる
2週 流体の運動方程式② 流体を支配する運動方程式のもつ性質を理解し、ナビエ・ストークスの式を導出することができる
3週 流体の運動方程式の厳密解と近似 ストークス近似とオイラー方程式のもつ物理的意味を説明できる
4週 境界層(境界層の生成、運動方程式) 境界層について説明でき,境界層方程式を導出できる
5週 境界層の特徴 境界層内の構造、取り扱い方法(レイノルズ分解と応力)、速度分布ついての説明ができる
6週 境界層の剥離と自由せん断流れ 流れの剥離、及び噴流・後流・混合層についての説明ができる
7週 ポテンシャル流れ(1) 速度ポテンシャルと流れ関数について説明ができる
8週 ポテンシャル流れ(2) 基本的な2次元ポテンシャル流れ場を記述できる
2ndQ
9週 ポテンシャル流れ(3) 複素ポテンシャルについて説明できる
10週 ポテンシャル流れ(4) 翼型周の流れと等角写像の関係を説明できる
11週 翼型の空気力学 翼型の形状、その周りに働く空気力、そして代表的な翼型の空力特性が説明できる
12週 翼の空気力学 翼の3次元的な形状(平面形状を中心に)、その流れの特徴、空力特性が説明できる
13週 圧縮性流れ(1) マッハ数の違いによって生じる現象の特徴、及び流体の運動方程式と熱力学の式の間での関係性を説明できる

翼型やノズル内の流れが説明できる
14週 圧縮性流れ(2) 垂直衝撃波、斜め衝撃波、プラントル・マイヤー流れの説明できる
15週 演習の解説 1週~14週で学んだこと内容の演習問題が解くことができる
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポートその他合計
総合評価割合600000400100
基礎的能力30000020050
専門的能力20000015035
分野横断的能力1000005015