日琉交流史

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 日琉交流史
科目番号 6005 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学コース 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 下郡 剛

到達目標

沖縄地域社会の理解を目的とし、日本本土との人の間での移動に伴って生じる、文化・歴史の関係性についての認識を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
琉球仏教に関するフィールドワークを通して、自分なりの視点で、琉球仏教の歴史と現状をまとめることができる。現在における沖縄文化と沖縄仏教との関係性を総合的に理解できる。日本仏教の宗派別異差違と琉球仏教との関係を理解できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
資・史料を提示し、歴史学的方法論を併せて説明することで、科学的・論理的に考える能力を高めるとともに、リアリティーある時代像の構築に努める。
授業の進め方・方法:
フィールドワークの手法を取り入れることで、特に沖縄北部地域が日本本土との交流に果たした役割をリアルに認識できるよう努める。
注意点:
フィールドワークを行う必要上、受講者の人数制限を行う。人数は公用車で引率できる学生数とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 授業内容とその進め方等を説明する
2週 平安・鎌倉時代の日本仏教 琉球における仏教文化の母体となった、日本仏教について、基礎的知識を得る。対象とする時代は、琉球仏教の2大宗派となる真言宗と臨済宗を中心とし、両宗派が成立する平安時代と鎌倉時代とする。
3週 琉球への仏教の伝来 近世期の琉球仏教の概要を知るとともに、それが日本から伝来してくることについて学ぶ。
4週 琉球仏教の展開 日本から伝来した仏教が、古琉球期に、いかに琉球社会に定着してゆくのかを、特に禅宗を中心に学ぶとともに、日琉交流における僧侶の役割を知る。
5週 僧侶を介した日本と琉球の文化交流 日琉禅僧の媒介としての堺商人を取り上げ、禅僧と堺商人との交流ツールとしての茶文化に注目する。その上で、茶文化が日本から琉球に伝来してゆくこと、これが琉球社会の中で独自の展開を見せることについて知る。
6週 補陀落渡海と日秀 琉球への仏教の伝来と定着の上で、大きな役割を果たした日秀について知ることで、琉球社会と真言宗について学ぶ。さらに、その拠点となった金武観音寺と観音信仰・補陀落渡海について学ぶ。
7週 沖宮天燈山の石碑 科目担当教員自身が代表者となった科研費研究で発見・発掘調査した沖宮天燈山の石碑を通して、仏教を介した日本と琉球の文化交流の一端を学ぶ。
8週 桃林寺と円覚寺の三牌 科目担当教員自身が代表者となった科研費研究で発見・調査した桃林寺の三牌を通して、仏教を介した日本と琉球の文化交流の一端を学ぶ。
4thQ
9週 ィールドワーク1-漂到流求国記 琉球大学図書館が所蔵する漂到流求国記コロタイプ複製本を使用して、古文書の調査を実施し、料紙の継ぎ目、文字の書き直し、虫食いの状態などを実際に見、触ることで、文化遺産を身近に感じ、体感できる機会を作る。
10週 フィールドワーク1-漂到流求国記 上記調査について、漂到流求国記コロタイプ複製本は琉球大学図書館において貴重書扱いとされており、琉球大学図書館の指定閲覧室で調査する必要がある。そのため、琉球大学への往復などで多くの時間を要する。従って、授業変更をして、連続200分授業とし、琉球大学に移動した上で調査を行う。
11週 フィールドワーク2―金武観音寺 「補陀落渡海と日秀」での授業で得た知識をもとに、本島内で唯一沖縄戦の戦禍を免れた寺院でもある金武観音寺に実際に赴いて、現地を視察する。そのことを通して、沖縄高専所在地の本島北部地区にある文化遺産を身近に感じ、体感できる機会を作る。
12週 フィールドワーク2―金武観音寺 上記調査について、観音寺への往復などで多くの時間を要する。従って、授業変更をして、連続200分授業とした上で、現地調査を行う。
13週 フィールドワーク3―円覚寺跡 日琉文化交流上大きな役割を果たした琉球臨済宗において、近世期第一位の寺格を誇った円覚寺跡に赴いて、現地を視察する。そのことで、首里城との近接性を体感し、外交上での臨済宗の意義についての認識を深める。
14週 フィールドワーク3―円覚寺跡 上記調査について、円覚寺跡への往復などで多くの時間を要する。従って、授業変更をして、連続200分授業とした上で、現地調査を行う。
15週 その後の日秀 補陀落信仰に基づき、琉球に渡海した日秀は、その後、琉球を離れ、再度日本に戻る。彼が琉球を離れた後、布教活動を行った鹿児島での行動を追い、現地写真を見ることで、論点を廃仏毀釈にまでつなげ、金武観音寺で見た沖縄における神仏習合の残存状況と対比する。
16週 期末試験

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力90100000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000