酵素化学

科目基礎情報

学校 沖縄工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 酵素化学
科目番号 6412 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物資源工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教材:教員自作プリント、パワーポイントなどプレゼン資料 参考図書:酵素、酵素の化学、最新酵素利用技術と応用展開 (キーワード:酵素、タンパク質、enzyme、bioreactor)
担当教員 田邊 俊朗

到達目標

バイオテクノロジーについてその方法の原理を理解するとともに、社会に与える影響に関して学ぶ。特に酵素およびタンパク質について化学的な面から理解する。
基礎から産業応用まで、これまでの知見を理解し文章を書いて説明し、さらに学習した知見をもとに討論ができる。
【V-E-7 生物化学】【V-E-8 生物工学】

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限必要な 到達レベル(可)
酵素およびタンパク質について化学的な面から、理解する。酵素化学・タンパク質化学について複数の情報を理解・吟味した上で公平に記述でき内容について討論ができる。酵素化学・タンパク質化学について複数の情報を得て記述し、内容について質疑応答ができる。酵素化学・タンパク質化学について情報収集し、記述できる。
酵素の利用技術と産業応用について、10年以上前の知見を理解し説明することができる。酵素の利用技術と産業応用について文献調査を行い、内容についてよく理解し討論ができる。酵素の利用技術と産業応用について文献調査を行い、内容について質疑応答ができる。酵素の利用技術と産業応用について文献調査を行い、報告できる。
最近10年間の新しい酵素の利用技術と産業応用について学び、説明ができる。最近10年間の新しい酵素の利用技術と産業応用について文献調査を行い、内容についてよく理解し討論ができる。最近10年間の新しい酵素の利用技術と産業応用について文献調査を行い、内容について質疑応答ができる。最近10年間の新しい酵素の利用技術と産業応用について文献調査を行い、報告できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
酵素化学では、生物分析化学および生物工学の基礎知識を基に広範な酵素の産業応用について学ぶ。
授業の進め方・方法:
情報収集力、情報処理力、思考力、コミュニケーション能力を総合的に育成するため、毎回の授業で討論を取り入れる。普段の学習・理解を重視し、授業内容に関するプレゼンテーションを学生に行わせる。これをもとに学生同士による発表と討論を行う。各回の討論では、自習内容の発表を10点、テーマに関連する質問や発言1回以上で討論参加点を10点とする。発表点と討論参加点合計を100点満点で換算し、100点満点中60点以上を合格とする。
注意点:
文献検索が必須であるので、毎回ノートパソコンを持参すること。
この科目の主たる関連科目はタンパク質工学(5年)、バイオマス利用工学(専攻科1年)である。
(モデルコアカリキュラム)V-E-7 生物化学、V-E-8 生物工学
(学位審査基準の要件による分類・適用)
専門科目 ①②③④ A-1群 生化学に関する科目

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 酵素化学概論 酵素化学の授業ガイダンス
MCC V-E-7 生物化学 タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。
MCC V-E-7 生物化学 タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。
MCC V-E-8 生物工学 酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。
2週 酵素の構造・反応特性・基質特異性 酵素の構造と機能について化学の視点から学ぶ。
MCC V-E-8 生物工学 酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。
MCC V-E-8 生物工学 酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。
3週 酵素反応速度論 酵素反応速度論の基礎を概観し理解する。
MCC V-E-8 生物工学 酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。
4週 活性中心・調節 酵素反応速度論の応用を理解する。
MCC V-E-8 生物工学 酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。
MCC V-E-8 生物工学 補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。
5週 酵素精製・プロファイリング より高速な酵素の精製とプロファイリングを学習する。
MCC V-E-7 生物化学 生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。
6週 極限酵素 低温・高温など極限環境で作用する酵素について学ぶ
7週 酵素工学 化学と遺伝子工学を駆使した酵素改質を理解する。
MCC V-E-7 生物化学 タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。
MCC V-E-7 生物化学 アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。
MCC V-E-7 生物化学 タンパク質の高次構造について説明できる。
8週 抗体酵素と人工酵素 抗体酵素と人工酵素の概念を理解する。
MCC V-E-7 生物化学 タンパク質の高次構造について説明できる。
MCC V-E-8 生物工学 酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。
2ndQ
9週 香粧品他への酵素の産業利用 洗剤や化粧品製造への酵素利用法を学ぶ。
10週 食品工業への酵素利用(糖質) 糖質分解・製糖に関する酵素について理解する。
11週 食品工業への酵素利用(その他) 食品工業に関する酵素について学ぶ。
12週 治療薬酵素、薬物代謝酵素 酵素利用の高度化法と細胞工学への応用を学ぶ。
13週 医薬分野で利用される酵素技術1 臨床検査薬用酵素について学ぶ。
14週 医薬分野で利用される酵素技術2(固定化酵素) 酵素を用いたバイオセンサ診断その他を学ぶ。
15週 環境工学と酵素利用技術 環境浄化への酵素利用を学ぶ。微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて理解する。
MCC V-E-8 生物工学 微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。
16週

評価割合

定期試験小テストレポートその他(演習課題・発表・実技・成果物等)合計
総合評価割合000100100
基礎的理解0004040
応用力(実践・専門・融合)0003030
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL)0003030
主体的・継続的学習意欲00000