信号処理

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 信号処理
科目番号 0080 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 Pythonで学ぶフーリエ解析と信号処理(神永正博,コロナ社)
担当教員 田島 孝治

到達目標

①線形性に関する問題をほぼ正確に解くことができる.
②線形システムにおける入出力関係に関する問題をほぼ正確に解くことができる.
③離散信号の時間領域と周波数領域の関係に関する問題をほぼ正確に解くことができる.
④主要なメディア情報の表現形式や処理技法について説明できる.
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1線形性における加法性と時不変性について理解し、加法性と時不変性に関する問題を解くことができる。加法性と時不変性に関する問題をほぼ正確(6割以上)解くことができる。加法性と時不変性に関する問題を解くことができない。
評価項目2実空間における線形システムの入出力関係に関する問題(コンボリューション)をとくことができる。実空間における線形システムの入出力関係に関する問題(コンボリューション)をほぼ正確(6割以上)に解くことができる実空間における線形システムの入出力関係に関する問題(コンボリューション)を解くことができない。
評価項目3離散信号の実空間と周波数空間における表現について理解し、離散フーリエ変換に関する問題を解くことができる。離散フーリエ変換に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる離散フーリエ変換に関する問題を解くことができない。
評価項目4主要なメディア情報である音声と画像の符号化方式について理解し、音声認識や画像認識のための技法を具体的に説明できること。主要なメディア情報である音声と画像の符号化方式について理解し、音声認識や画像認識のための技法をほぼ正確(6割以上)に説明できること。主要なメディア情報である音声と画像の符号化方式について理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
線形システム理論、フーリエ変換、離散フーリエ変換、z変換などの信号を処理する基本的な数学的知識を身に着け、研究及び技術開発で扱う主要なメディア情報の信号を処理する基本的な理論を理解する.
授業の進め方・方法:
授業の構成は、初めの10分を前回の課題解説をおこなう。次の60分で数式の説明、具体的な内容についてPPTで説明する。
最後に授業内容に関わる課題を実施する(学生同士の教えあい)。できない部分は教室外課題とする。教材はLMSを通じて公開する。
離散信号の処理に関しては計算機を使ってプログラムを作る場合もあるので、ノートPCなどを持ち込むことが望ましい。
(事前準備の学習)微積分および行列計算に関する数学的知識について復習しておくこと。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
教材を利用して自学自習を心がけること。計算を面倒と思わず、多くの演習問題を解くことが重要となる。
授業の内容を確実に身に着けるために、予習・復習が必須である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、ディジタル信号とアナログ信号(C) ディジタル信号とアナログ信号に関する基礎的問題が解ける
(授業外学習・事前)日常生活における信号処理について実例を考えておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)信号の種類と分類についてのレポートにまとめ、次回授業までに提出する(約3時間)
2週 基本的な連続時間信号(C) 基本的な連続時間信号に関する基礎的問題が解ける
(授業外学習・事前)アナログ信号の特徴について復習しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)基本的な連続時間信号に関する基礎的問題を解き、次回授業までに提出する(約3時間)
3週 システムの分類と線形時不変システム(C) 線形時不変システムに関する応用問題が解ける
(授業外学習・事前)線形な数式の特徴について復習しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)線形時不変システムに関する応用問題を解き、次回授業までに提出する(約3時間)
4週 畳み込み積分(B)


畳み込み積分に関する基礎的問題が解ける
(授業外学習・事前)信号の重ね合わせついて復習しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)畳み込み積分に関する問題を解き、次回授業までに提出する(約3時間)
5週 フーリエ解析1(B) 実空間と周波数空間に関する基本的概念について理解する。
(授業外学習・事前)級数展開の特徴について復習しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)フーリエ級数展開に関する基本的問題を解き、次回授業までに提出する(約3時間)
6週 フーリエ解析2(B) 実空間と周波数空間に関する基本的問題が解ける
(授業外学習・事前)連続でない信号の特徴について復習しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)フーリエ変換に関する基本的問題を解き、次回授業までに提出する(約3時間)
7週 中間試験 これまでの内容を振り返り、自己学習を進めておく(約4時間)
8週 量子化と量子化誤差(C)
標本化と標本化定理(C)
量子化誤差に関する基本的問題が解ける
標本化定理に関する基本的問題が解ける
(授業外学習・事前)アナログ信号をデジタル信号にする方法について復習しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)量子化および標本化に関する基本的問題を解き、次回授業までに提出する(約3時間)
4thQ
9週 離散フーリエ変換(B) 信号の実空間と周波数空間に関する基本的問題が解ける
(授業外学習・事前)連続信号のフーリエ変換について復習しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)離散フーリエ変換に関する基本的問題を解き、次回授業までに提出する(約3時間)
10週 離散信号とZ変換(C) ラプラス変換及びシステムの伝達関数に関する基礎的問題が解ける
(授業外学習・事前)フーリエ変換の適用範囲について復習しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)ラプラス変換およびz変換に関する基本的問題を解き、次回授業までに提出する(約3時間)
11週 離散フーリエ変換に関するテスト(期末試験相当:50分)
メディア情報とその表現形式1:音声信号(C)
音声信号とその表現形式について、基本的な説明ができる。
(授業外学習・事前)これまでの内容を振り返り、離散フーリエ変換について復習しておく(約2時間)、パソコンなどにおける音声ファイルついて調査しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)音声ファイルの種類に関するレポートを作り、次回授業までに提出する(約2時間)
12週 メディア情報とその表現形式2:映像・画像信号(C) 映像・画像信号とその表現形式について、基本的な説明ができる。
(授業外学習・事前)パソコンなどにおける映像・画像ファイルついて調査しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)映像・画像ファイルの種類に関するレポートを作り、次回授業までに提出する(約2時間)
13週 メディア情報処理1:音声信号処理(B) 音声信号の基本的な処理方法についてプログラムを作成できる。
(授業外学習・事後)音声ファイルの分析をプログラムを作成することで行い、その結果をレポートにまとめ、15週目の授業までに提出する(約4時間)
14週 メディア情報処理2:画像信号処理(B) 画像信号の基本的な処理方法についてプログラムを作成できる。
(授業外学習・事後)映像・画像ファイルの分析をプログラムを作成することで行い、その結果をレポートにまとめ、15週目の授業までに提出する(約4時間)
15週 期末試験は実施しない 上記までの内容を踏まえたレポートを作り、課題出題後2週間以内に提出する(6時間)
16週 2次元フーリエ変換 2次元フーリエ変換に関する基礎的問題が解ける
(授業外学習・事前)画像信号のフーリエ変換について復習しておく(約 1 時間)
(授業外学習・事後)2次元フーリエ変換に関する基本的問題を解き、次回授業までに提出する(約3時間)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。4
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。4
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。4

評価割合

中間試験期末試験メディア情報処理のレポート授業内課題合計
総合評価割合100505020220
得点100505020220