概要:
科学技術の発展が著しい現代社会では、我々は便利な反面多くの危険と隣り合わせになっている。技術の実践に関わる者は、専門的知識や技術だけでなく、社会的な通念・常識についての洞察および専門職としての倫理的判断能力が求められる。
本授業では、多様な価値観を背景に成立している現代社会の特質について考察し、考えられる倫理的判断や求められている倫理的判断について学ぶ。そして様々な具体的な問題事例を分析していくことにより、技術者として望まれる認識・判断力形成、資質育成を目指している。
(1) 現代社会の倫理的課題の考察を通した価値葛藤の把握
(2) 技術者倫理の意味,必要性,関連する倫理的課題の概要,対立構造の理解
(3) 倫理的課題に対する,市民および技術者としての意思決定,およびその根拠の説明
(4) 実践の場で生かそうとする態度の涵養
授業の進め方・方法:
授業は講義と演習を併用する。講義は、倫理思想や最近の事件などを取り上げ、技術者倫理に関わる基本的な概念や事実を確認し、演習で考察するための手立てを獲得することを目的とする。演習は、具体的な事例分析を行い事例の分析を通して、問題を分析する力や倫理的な判断について考察するとともに、どのようにして合意を形成するかということを学ぶ。また,教室外学習として課題に取り組むことを要求する。
特に、講義の内、複数回は実務経験のある外部講師による、実際の現場の観点から技術者倫理に関する講義を予定している。
(事前準備の学習)授業毎に課される課題に基づき、翌週の授業を展開するため、前週の課題を確認しておくこと。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。
なお、成績評価には授業外学習の内容は含まれる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
イントロダクション |
技術者倫理の重要性について、理解する。 (授業外学習・事前)技術者が持つべき技術者倫理に当てはまる内容について検討する(約2時間) (授業外学習・事後)研究分野と技術者倫理の関係について、復習する(約2時間)
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2週 |
現代社会と倫理思想 (ALのレベルB) |
最近のニュースを倫理的な観点から考察することができる。 (授業外学習・事前)前週の授業内容及び課題について総合的に検討し、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)ロジックツリーを作成し、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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3週 |
望ましい技術者とは何か (ALのレベルB) |
自分の考える望ましい技術者像を,社会で求められる望ましさと比較し,再考することができる。 (授業外学習・事前)前週の授業内容及び課題について総合的に検討し、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)技術者に求められる倫理観についてレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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4週 |
倫理綱領 (ALのレベル A) |
所属する学協会の倫理綱領を分析し,そこから自らの活動規範を作成し,実行することができる。 (授業外学習・事前)前週の授業内容及び課題について総合的に検討し、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)倫理綱領についてレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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5週 |
仮想事例における意思決定 (ALのレベル A) |
個人の意思決定と集団での意思決定の違いを比較し,考察することができる。 (授業外学習・事前)前週の授業内容及び課題について総合的に検討し、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)授業で考察した内容に基づき、プレゼンテーション資料を作成する(約3時間)
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6週 |
仮想事例毎におけるケーススタディ(1) (ALのレベル A) |
プレゼンテーションを通じ、事例毎に自身が行動及び発言すべき内容とその根拠についての考察を深めることができる。 (授業外学習・事前)前週に報告されたプレゼンテーションを確認し、課題以外の立場での取るべき言動を検討する(約1時間) (授業外学習・事後)授業で考察した内容に基づき、個別事例毎に、行うべき言動とその根拠を論理的にレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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7週 |
技術者の倫理と判断(1) (ALのレベル C) |
技術者が直面する問題状況(不正な利益)について考察することができる。 (授業外学習・事前)前週の授業内容及び課題について総合的に検討し、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)技術データの取り扱いについてレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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8週 |
技術者の倫理と判断(2) (ALのレベル C) |
技術者が直面する問題状況(リコール)について考察することができる。 (授業外学習・事前)前週の授業内容及び課題について総合的に検討し、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)リコール対応についてレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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2ndQ |
9週 |
技術者の倫理と判断(3) (ALのレベル C) |
技術者の倫理と判断をめぐる問題状況(賄賂と受容可能な贈り物)について考察することができる。 (授業外学習・事前)前週の授業内容及び課題について総合的に検討し、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)資金を巡る対応についてレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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10週 |
技術者の倫理と判断(4) (ALのレベル C) |
技術者の倫理と判断をめぐる問題状況(組織と個人)について考察することができる。 (授業外学習・事前)前週の授業内容及び課題について総合的に検討し、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)社内行動についてレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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11週 |
技術者の倫理と判断(5) (ALのレベル C) |
技術者の倫理と判断をめぐる問題状況(グローバル化)について考察することができる。 (授業外学習・事前)前週の授業内容及び課題について総合的に検討し、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)再発防止に向けた行動についてレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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12週 |
仮想事例毎におけるケーススタディ(2) (ALのレベル A) |
プレゼンテーションを通じ、事例毎に自身が行動及び発言すべき内容とその根拠についての考察を深めることができる。 (授業外学習・事前)各自が作成したプレゼンテーション資料を報告できるよう、自身の考えをまとめる(約1時間) (授業外学習・事後)授業で考察した内容に基づき、個別事例毎に、行うべき言動とその根拠を論理的にレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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13週 |
仮想事例毎におけるケーススタディ(3) (ALのレベル A) |
プレゼンテーションを通じ、事例毎に自身が行動及び発言すべき内容とその根拠についての考察を深めることができる。 (授業外学習・事前)前週に報告されたプレゼンテーションを確認し、課題以外の立場での取るべき言動を検討する(約1時間) (授業外学習・事後)授業で考察した内容に基づき、個別事例毎に、行うべき言動とその根拠を論理的にレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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14週 |
仮想事例毎におけるケーススタディ(4) (ALのレベル A) |
プレゼンテーションを通じ、事例毎に自身が行動及び発言すべき内容とその根拠についての考察を深めることができる。 (授業外学習・事前)前週に報告されたプレゼンテーションを確認し、課題以外の立場での取るべき言動を検討する(約1時間) (授業外学習・事後)授業で考察した内容に基づき、個別事例毎に、行うべき言動とその根拠を論理的にレポートにまとめ、翌週の授業時に提出する(約3時間)
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前8,前14,前16 |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前8,前14,前16 |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前8,前14,前16 |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前8,前14,前16 |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 2 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16 |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 2 | 前10,前11,前12,前13,前14,前16 |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 2 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16 |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 2 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13,前14,前16 |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 4 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16 |