電磁気学Ⅴ

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電磁気学Ⅴ
科目番号 0092 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 [教科書]小宮山進・竹川敦「マクスウェル方程式から始める 電磁気学」(裳華房) /[参考書]安立三郎・大貫繁雄「電磁気学」(森北出版),「新応用数学」(大日本図書)
担当教員 屋地 康平

到達目標

電磁気学の基本法則はマクスウェル方程式で表されることを理解した上で,マクスウェル方程式を起点とし,電磁気学 Ⅰ〜Ⅳで学習した様々な電磁気現象に対する理解を深める.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1曲線や曲面の基礎的な性質を正しく理解し,正しい数式で表すことができる.曲線や曲面の基礎的な性質を概ね正しく理解している.曲線や曲面の基礎的な性質をあまり理解していない.
評価項目2ベクトル場とスカラー場の意味,ベクトル場の流束と循環の概要を正しく理解し,積分形で表されたマクスウェル方程式について説明できる.ベクトル場とスカラー場の意味,ベクトル場の流束と循環の概要を概ね正しく理解し,積分形で表されたマクスウェル方程式について説明できる.ベクトル場とスカラー場の意味,ベクトル場の流束と循環の概要をあまり理解していない.積分形で表されたマクスウェル方程式について説明できない.
評価項目3スカラー場とベクトル場の微分,ならびにベクトル場の積分の概要を正しく理解し,Gaussの定理・Stokesの定理について説明できる.スカラー場とベクトル場の微分,ならびにベクトル場の積分の概要を概ね正しく理解し,Gaussの定理・Stokesの定理について説明できる.スカラー場とベクトル場の微分,ならびにベクトル場の積分の概要をあまり理解していない.Gaussの定理・Stokesの定理について説明できない.
評価項目4なし微分形で表されたマクスウェル方程式について説明できる.微分形で表されたマクスウェル方程式について説明できない.
評価項目5静電ポテンシャルとポアソン方程式の概要を正しく理解している.静電ポテンシャルとポアソン方程式の概要を概ね正しく理解している.静電ポテンシャルとポアソン方程式の概要をあまり理解していない.
評価項目6ベクトルポテンシャルの概要を正しく理解している.ベクトルポテンシャルの概要を概ね正しく理解している.ベクトルポテンシャルの概要をあまり理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの学習・教育到達目標 3-1 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-a 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は,教員の企業での電磁界計算の経験を活かし,電磁気理論について講義形式で授業を行うものです.
まず,電磁気学の基本法則はマクスウェル方程式で表されることを理解します.次に,マクスウェル方程式を起点として,様々な電磁気現象を簡単な例で考察します.ここで紹介する電磁気現象そのものは,いずれも電磁気学I-IVで学習したものがほとんどですが,これらに曲線や曲面のもつ数学的性質を取り入れることで,よりきれいに・かつ理解しやすい形で表せることが分かります.
授業の進め方・方法:
基本的に講義は教科書に沿って行います.電磁気学に必要な解析学の手法(曲線や曲面の性質)を,前半の授業でパワーポイント資料で掻い摘まんで説明します.
注意点:
本科目は,学修単位(講義I)の科目です.講義1回に対して 1時間の自学自習時間が必要です(自学自習においては,上記の数学的性質のほか,ベクトル場とスカラー場の違い,微分・積分の本質的な役割に注意しながら,学習を進めてください).中間試験を実施します(7 週目の後).

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 曲線や曲面の基礎的な性質 1変数の解析学における微分の基礎を理解する.
2週 曲線や曲面の基礎的な性質 1変数の解析学における積分の基礎を理解する.
3週 曲線や曲面の基礎的な性質 多変数の解析学における微分の基礎を理解する.
4週 曲線や曲面の基礎的な性質 多変数の解析学における積分の基礎を理解する.
5週 ベクトル場の流束と循環,マクスウェル方程式(積分形) ベクトル場とスカラー場の意味,ベクトル場の流束と循環の概要を理解し,積分形で表されたマクスウェル方程式について説明できる.
6週 ベクトル場とスカラー場の微積分 スカラー場とベクトル場の微分,ならびにベクトル場の積分の概要を理解し,Gaussの定理・Stokesの定理について説明できる.
7週 マクスウェル方程式(微分形) 微分形で表されたマクスウェル方程式について説明できる.
8週 静電気,電場,静電ポテンシャル 静電ポテンシャルとポアソン方程式の概要を理解し,簡単な例について電場と静電ポテンシャルを求めることができる.
2ndQ
9週 静電エネルギー 静電エネルギーの概要を理解し,簡単な例について静電場のエネルギーを求めることができる.
10週 誘電体 分極ベクトルと分極電荷の概要を理解し,簡単な例について誘電体内外の電場と誘電体のエネルギーを求めることができる.
11週 静磁気 ベクトルポテンシャルの概要を理解し,ビオ‐サバールの法則,磁気モーメントについて説明できる.簡単な例について,電流にはたらく磁気力を求めることができる.
12週 磁性体 磁化ベクトルの概要を理解し,簡単な例について磁化ベクトルと磁場を求めることができる.
13週 物質中の電磁気学 変位電流の概要を理解し,物質中のマクスウェル方程式について説明できる.
14週 遅延ポテンシャル 電荷密度と電流密度が時間変動する場合の遅延時間の概要を理解し,遅延ポテンシャルについて説明できる.
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する (非評価項目) .
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明できる。4
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4

評価割合

定期試験レポート・小テスト合計
総合評価割合7525100
基礎的能力000
専門的能力7525100
分野横断的能力000