都市生活の上で必要不可欠な下水の排除・処理および廃棄物処理などの都市環境保全に必要な技術を理解し,環境を保全,修復,管理するための基本的な考え方を習得する。
概要:
この科目は企業で環境浄化設備の計画や技術を担当していた教員が,その経験を活かし,下水道や廃棄物処理における背景から最新の技術の計画について講義形式で授業を行うものである。
都市生活の上で必要不可欠な下水の排除・処理および廃棄物処理などの都市環境保全に必要な技術を理解し,環境を保全,修復,管理するための基本的な考え方を習得する。
授業の進め方・方法:
授業内容の理解を深めるために,テキストを配布して教科書の内容を補足説明する。講義主体であるが,適宜小実験を見せるので,理解を深める一助にしてほしい。適宜,演習課題(計算等)を行い,化学,単位計算等の理解を深める。
注意点:
引用・参考図書を配布テキストに併記してありますので,自主的に学習に取り組む,自学自習の姿勢を希望します。また,授業に関連する参考書,図書,DVD等の貸し出しを随時行っています。毎年10月に実施される,公害防止管理者試験(国家資格)にも積極的に取り組んで欲しい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,成績評価 |
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2週 |
下水道の歴史,目的,現況 |
下水道設置の目的と現状を説明できる。下水道普及率について説明できる。
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3週 |
下水道の種類,計画,施設 |
下水道計画に必要な下水量,下水水質,源単位について理解し,構成する施設を説明できる。
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4週 |
下水,汚水の処理技術(1) |
一次処理,二次処理,三次処理,高度処理と関係する施設,流れを説明できる。
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5週 |
下水,汚水の処理技術(2) |
汚泥の性状と濃度管理,返送汚泥の仕組みについて説明できる。
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6週 |
生物学的排水処理 活性汚泥法(1) |
標準活性汚泥法の施設,流れ,容量の計算方法などが説明できる。
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7週 |
生物学的排水処理 活性汚泥法(2) |
標準活性汚泥法の施設,流れ,容量の計算方法などが説明できる。
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8週 |
生物学的排水処理 その他の処理方法 |
散水ろ床法,オキシデーションディッチ法,浄化槽などの処理方法について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
汚泥廃棄物処理,資源化(1) |
汚泥の処理方法と資源化の必要性について説明できる。
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10週 |
汚泥廃棄物処理,資源化(2) |
廃棄物の種類について説明できる。
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11週 |
高度処理(1) |
高度処理の必要性が説明できる。
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12週 |
高度処理(2) |
生物学的脱窒素法について説明できる。
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13週 |
下水道が抱える諸問題 |
下水道運営,自治体が抱える技術者育成,資産などの問題について説明できる。
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14週 |
新しい時代の下水道 災害対策など |
将来の人口減少,災害時の衛生環境の保全に関する対策について説明できる。
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15週 |
前期末試験 |
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16週 |
試験返却,解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
廃棄物の歴史と現状,法規 |
廃棄物の種類,関係する法規について説明できる。
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2週 |
物質フロー(1) |
廃棄物の発生源と最終処分までのフローを理解している。
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3週 |
物質フロー(2) |
日本における廃棄物の物質フローについて説明できる。
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4週 |
循環型社会 |
3Rについて説明できる。各種リサイクル法(建設、食品など)について説明できる。
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5週 |
廃棄物の収集・処理・処分(1) |
廃棄物の分別,収集について説明できる。
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6週 |
廃棄物の収集・処理・処分(2) |
廃棄物の中間処理について説明できる。
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7週 |
廃棄物の収集・処理・処分(3) |
最終処分の方法と分類について説明できる。
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8週 |
廃棄物の収集・処理・処分(4) |
最終処分の方法と分類について説明できる。
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4thQ |
9週 |
廃棄物の減量化・再資源化(1) |
一般廃棄物,産業廃棄物の減量化に関する取り組みについて説明できる。
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10週 |
廃棄物の減量化・再資源化(2) |
バイオマスエネルギー回収について説明できる。
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11週 |
廃棄物の減量化・再資源化(3) |
コンポストなどの土壌還元の方法について説明できる。
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12週 |
諸外国,途上国における廃棄物問題(1) |
途上国における廃棄物の現状について説明できる。
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13週 |
諸外国,途上国における廃棄物問題(2) |
廃棄物の最終処分と環境問題,関与する人への健康被害について説明できる。
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14週 |
諸外国,途上国における廃棄物問題(3) |
途上国における廃棄物に関する法規や日本の協力の事例について説明できる。
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15週 |
後期末試験 |
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16週 |
試験返却,解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | 前3,前14,後4,後12,後13,後14 |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | 前2,前14,後4,後12,後13,後14 |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 前3,前14,後4,後12,後13,後14 |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 前2,前14,後4,後12,後13,後14 |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | 前3,前13,前14,後1,後4,後12,後13,後14 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | 前3,前13,後4,後14 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 環境 | 環境と人の健康との関わりを説明できる。 | 4 | 前2 |
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。 | 4 | 前3,前13 |
水質指標を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
水質汚濁の現状を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前8 |
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前11,前12 |
汚泥処理・処分について、説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前9,前10 |
微生物の定義(分類、構造、機能等)を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
廃棄物の発生源と現状について、説明できる。 | 4 | 後1 |
廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。 | 4 | 後2,後5,後6 |
廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。 | 4 | 後3,後7,後8 |
廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。 | 4 | 後4,後9,後10,後11 |