工作機械

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 工作機械
科目番号 0094 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:伊藤・森脇 共著 「工作機械工学」(コロナ社)およびプリント 奥村士郎著「改訂2版 品質管理入門テキスト」(日本規格協会) 参考書:日本工作機械工業会編「工作機械の設計学(基礎編,応用編)」 内田治著「ビジュアル 品質管理の基本」(日本経済新聞社) 柳生俊二著「1から始める同期セル生産方式」(日刊工業新聞社
担当教員 邵忠 (機械)

到達目標

学習目的:種々の工作機械あるいは工作機械システムを知るとともに,その中で用いられている「技術」を理解する。また,品質管理のための基礎的手法と,品質改善の活動に用いられる各種現場改善手法を習得する。

到達目標:
1. 機械材料の工作方法および工作機械の基礎的な事柄を理解できる。
2. 生産現場において最適な工作機械の選択,または生産システムの構築が考案できる。
3. 生産システムを理解し,トラブルに対し対策が考案できる。
4. 品質管理手法(QC7つ道具)を理解し,製品設計,工程設計・管理に応用できる能力を習得する。

ルーブリック

不可
評価項目1切削加工の加工原理が説明でき,かつ切削工具・工作物,工作機械の運動から工作物形状創出のメカニズムを説明できる。切削加工の加工原理が説明できる。工作機械・工具・工作物の関係を説明できる。切削加工の加工原理が説明できる。工作機械・工具・工作物の関係を言える。切削加工の加工原理が説明できない。工作機械・工具・工作物の関係を言えない。
評価項目2生産システムの自動化と制御における情報化,最適化と知能化への進展を説明できる。生産システムの現状について理解し,構成要素としての工作機械の機能と加工システム全体の役割,すなわち「部分」と「全体」の関係を説明できる。生産システムの現状について理解し,構成要素としての工作機械の機能と加工システム全体の役割,すなわち「部分」と「全体」の関係を言える。工作機械の機能と加工システム全体の役割の関係を言えない。
評価項目3より少ない資源で生産の遂行ができるよう,科学的な方法によって分析でき,改善策を提案できる。生産システムの構成が理解でき,FMSやFAの概念を説明することができる。生産システムの構成が理解でき,FMSやFAの概念を言える。生産の流れにおいて,生産活動と情報の関連が言えない。
評価項目4統計的手法を活用して,品物やプロセスの品質不良の原因を特定し,除去する処置を策定できる。企業における品質管理の重要性を理解し,品質管理の統計的手法の基礎を説明できる。企業における品質管理の重要性を理解し,品質管理の統計的手法の基礎を言える。品質管理の統計的手法の基礎を言えない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:設計と生産・管理

必修・履修・履修選択・選択の別:履修選択

基礎となる学問分野:工学/機械工学/生産工学・加工学

学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(2)エネルギーと流れ,材料と構造,運動と振動,設計と生産・管理,情報と計測・制御,機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し,工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「D-2」にも関与する。

授業の概要:近年,益々高精度化や高能率化が著しい工作機械について,その特徴と機能,運用上の問題点と対策などを講義する。また,工作機械単体のみならず生産システム内の一要素として見た場合の利用技術,製造業における品質管理活動の理解と習得を含めて講義を行う。
授業の進め方・方法:
授業の方法:本科目は,後期に集中して開講する。板書・プロジェクターを使って授業を進める。加えて,工作機械および工場管理手法の一つである品質管理の意義と基本的考え方を把握するため,品質管理や現場改善を行う際に用いられる具体的な手法について演習課題やレポート課題を取り入れる。

成績評価方法:2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価して70%,演習課題と課題レポート合せて30%とし成績評価をする。定期試験には,教科書,自筆ノート,電卓の持込を可とする。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。1単位あたり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必修となる。授業中にノートを取ることを勧め,課題レポートを担当教員の指示に従って作成し提出すること。

履修のアドバイス:日刊工業新聞,日本経済新聞などを読み,品質管理に関する国内外の現状と動向を知ることは,本講義の習得に大いに役立つ。

基礎科目:機械工学入門(1年),機械工作法Ⅰ(2),工業材料(2),機械工作法Ⅱ(4),応用数学Ⅰ(4),計測工学(5)など

関連科目:応用機械設計(5年),精密加工学(専1),応用設計工学(専1),生産管理工学(専2)

受講上のアドバイス:生産技術の動向について,雑誌や新聞などで調査するとよい。品質管理は,工作機械の製造・加工システムとおおく係わるので,他の科目で学習した知識と関連させて学習する。
原則的に授業開始後15分までは遅刻とし,遅刻5回につき1回分の欠課と計算するものとみなし,成績評価に反映する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,工作機械および工作機械工学の概要[工作機械の役割とその重要性]
機能・加工精度と加工効率の視点からみた工作機械の最新の技術動向を調べる。
2週 工作機械および工作機械工学の概要[基本的形状創成機能・加工精度・加工能率などによる分類,他]
機能・加工精度と加工効率の視点からみた工作機械の最新の技術動向を調べる。
3週 在来型汎用工作機械とその基本的な構造[工作機械―工具―工作物系内における工作機械,他]
工作機械の基本構成要素と形状創成運動の関係を理解する。
4週 工作機械の自動化と制御[数値制御工作機械とその周辺装置,サーボ機構]
工作機械の自動化と制御における情報化,最適化と知能化への進展を調べて考える。
5週 工作機械の自動化と制御[NCプログラミング,自律的制御,他]
工作機械の自動化と制御における情報化,最適化と知能化への進展を調べて考える。
6週 工作機械と加工システム[生産システム内の一要素としての工作機械:トランスファライン,加工セル]
構成要素としての工作機械の機能と加工システム全体の役割,すなわち「部分」と「全体」の関係を理解する。
7週 工作機械と加工システム[FMS,FMC,コンパクト化,他]
構成要素としての工作機械の機能と加工システム全体の役割,すなわち「部分」と「全体」の関係を理解する。
8週 (後期中間試験)
2ndQ
9週 答案の返却と解説,ガイダンス,品質管理の意義と概要
質も量も重視の品質管理,製品品質管理から組織の品質経営への進展。
10週 QC7つ道具,品質管理で扱うデータのまとめ方
事実・データでものをいう意義,QC7つ道具のねらいを理解する。
11週 層別,パレート図,特性要因図,散布図,チェックシート・グラフ,ヒストグラム
現場におけるQC7つ道具の活用と使い方を習得する。
12週 工程管理図
工程状況を動的に把握する理由。
13週 統計的品質管理手法
抜取り検査と全数検査の違い。
14週 工程解析と工程管理,QCストーリー
全社的品質管理の具現化手順と実行過程への理解。
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000