生産システム工学特別研究Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 生産システム工学特別研究Ⅰ
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 指導教員の指示による
担当教員 三島 裕樹,山田 誠,近藤 司,川上 健作,柳谷 俊一,倉山 めぐみ,丸山 珠美,山田 一雅,森谷 健二,湊 賢一,浜 克己,河合 博之,東海林 智也,今野 慎介,倉山 めぐみ,後藤 等

到達目標

① 自主的に課題を見出して研究計画を立案・実行し,まとめ上げることができる。(A-1)
② 研究テーマに関する情報の収集やプレゼンテーションに情報技術を利用できる。(C-1)
③ 発表用の予稿作成を通して文書作成能力を養う。(E-2)
④ 研究成果や得られた知見を可視化し,他者に説明できる。(C-2)
⑤ 技術成果について議論する力および発表する能力を養う。(E-1, E-3)
⑥ 研究対象と,研究対象を含むシステムの関連を常に意識し,研究成果がそのシステムの開発または改善にどのように貢献するのかを考えることのできる能力を養う。(F-1)
⑦ 問題解決のために他の専門分野の基礎知識を修得し,それを活用していろいろな解決手法を考案し,最適な解決策を見出すことができる能力を養う。(B-2, F-2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自主的に課題を見出して研究計画を立案,計画に沿って実行し,適切にまとめ上げることができる自主的に課題を見出して研究計画を立案・実行し,まとめ上げることができる自主的に課題を見出して研究計画を立案・実行し,まとめ上げることができない
評価項目2研究テーマに関する情報の収集やプレゼンテーションに情報技術を効果的に利用できる研究テーマに関する情報の収集やプレゼンテーションに情報技術を利用できる研究テーマに関する情報の収集やプレゼンテーションに情報技術を利用できない
評価項目3発表用の予稿作成を通して十分な文書作成能力を身に付ける発表用の予稿作成を通して文書作成能力を養うことができる発表用の予稿作成を通して文書作成能力を養うことができない
評価項目4研究成果や得られた知見を可視化し,他者にわかりやすく効果的に説明できる研究成果や得られた知見を可視化し,他者に説明できる研究成果や得られた知見を可視化し,他者に説明できない
評価項目5技術成果について適切に発表し議論する力を身に付ける技術成果について発表する能力および議論する力を養うことができる技術成果について発表する能力および議論する力を養うことができない
評価項目6研究対象と,研究対象を含むシステムの関連を常に意識し,研究成果がそのシステムの開発または改善にどのように貢献するのかを考え,さらなる発展につながる課題を提案できる能力を身に付ける研究対象と,研究対象を含むシステムの関連を常に意識し,研究成果がそのシステムの開発または改善にどのように貢献するのかを考えることのできる能力を養うことができる研究対象と,研究対象を含むシステムの関連を常に意識し,研究成果がそのシステムの開発または改善にどのように貢献するのかを考えることのできる能力を養うことができない
評価項目7問題解決のために他の専門分野の基礎知識を修得し,それを活用していろいろな解決手法を考案し,それらを適切な方法で評価して,最適な解決策を見出すことができる能力を身に付ける問題解決のために他の専門分野の基礎知識を修得し,それを活用していろいろな解決手法を考案し,最適な解決策を見出すことができる能力を養うことができる問題解決のために他の専門分野の基礎知識を修得し,それを活用していろいろな解決手法を考案し,最適な解決策を見出すことができる能力を養うことができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 A-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 C-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 C-2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 E-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 E-2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 E-3 説明 閉じる
学習・教育到達目標 F-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 F-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
指導教員の指導のもとで高度な研究を行うことによって,専門的な知識を深め,創造力や問題解決能力を修得する。さらに,特別研究Ⅰ,Ⅱを通して指導教員との議論に加え,学内外の発表会で他者との討論をし,研究成果を論文にまとめる。
授業の進め方・方法:
各指導教員の指導に従い,各種文献等の調査,研究テーマの決定,研究計画の策定を行い,研究を実施する。授業時間は特に時間割上に示されていないため,自主的に研究時間を設定して実施する。年度末(2月下旬)に行われる特別研究Ⅰ発表会にて,それまでの成果を発表する。
注意点:
特別研究は,基本的に2年間でひとつのテーマに取り組むことになる。この特別研究Ⅰはその前半にあたり,研究を進めるに当たって重要な位置を占める。長期間にわたるテーマであるので,しっかりとした計画のもとに,指導教員とは綿密なコンタクトを取り,自発的・積極的に行動することが必要である。研究テーマは,専門性を深めたい研究分野の教員と相談の上決定すること。
「生産システム工学専攻」学習・教育到達目標の評価:
継続的な研究活動 50%(A-1:40%,E-1:20%,F-2:40%)
発表会 50%(B-2:18%,C-1:8%,C-2:8%,E-1:10%,E-2:40%,E-3:8%,F-1:8%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 担当教員 テーマ及び概要・到達目標
2週 浜 克己 ■生体信号や残存機能を活用したリハビリ・自立支援用機器の開発(専攻の区分:機械工学)
筋電位や脳波などの生体信号や視線入力等を用いて,高齢者や障害者の身体機能支援や意思伝達(コミュニケーション)支援をするための機器開発と検証評価を行う。
3週 山田 誠 ■高効率・高速5軸制御加工に関する研究(専攻の区分:機械工学)
5軸制御マシニングセンタで形状加工を行う際,効率的に粗加工をしなければならない。そこで,ラジアスエンドミルを用いて,効率的に高速粗削り加工をするためのソフトウェアの開発を行う。 <ソフトウェアの作成が主,マシニングセンタでの検証加工を行う。
4週 近藤 司 ■多軸制御加工法における工具姿勢自動決定に関する研究(専攻の区分:機械工学)
ソリッドモデラーから出力されるSTLデータを基に,等間隔点群を生成し,VOXEL内等間隔メッシュデータの平面当てはめとマージ処理による工具姿勢の自動決定の考案するとともにその妥当性を検証する。
5週 川上健作 ■動作解析の臨床応用に関する基礎研究(専攻の区分:機械工学)
ヒトの動作解析は,リハビリテーションや術前,術後の状態評価など臨床応用が進んでいる。本研究では,その動作解析において運動とともに評価の対象となる関節モーメントや重心など様々なパラメータの解析について研究を行う。実際にはポイントクラスター法による動作解析のデータからの算出方法の検討を行う。
6週 柳谷俊一 ■高効率熱電変換材料の開発(専攻の区分:電気電子工学)
熱電変換材料の高効率化には高い電気伝導率とゼーベック係数,そして低い熱伝導率が必要とされる。本研究ではp型半導体である銅アルミ酸化物とn型半導体の酸化錫に対して種々の不純物注入を行い,電気伝導率と熱伝導率を制御することで熱電変換効率の向上を図る。
7週 三島裕樹 ■電力・エネルギーシステムに関する研究(専攻の区分:電気電子工学)
電力・エネルギー分野における,計画・運用の最適化手法の提案,もしくは電力・エネルギー分野の啓蒙活動に関する小中学生向け実験教材の製作など,電力システムやエネルギーシステムに関する研究を行う。(指導補助教員:下町健太朗)

■電力システムを対象としたシステムの最適化に関する研究(専攻の区分:情報工学)
電力システムを対象とした最適化問題の新しい解法アルゴリズムの開発やその評価に関する研究を行う。
8週 丸山珠美 ■無線通信・ワイヤレス電力伝送・MIMOに関わるアンテナ,高周波回路,電波伝搬,リフレクトアレーに関する研究(専攻の区分:電気電子工学)
(1) 無線通信システム・アンテナに関する研究
将来の無線通信システムは,超高速広帯域,大容量を実現するため,マルチバンド・マルチアンテナの小型化,アクティブ素子を用いたビームフォーミングなど一層の高機能化が要求される。本研究では,これら将来の無線通信技術に必要なアンテナ,リフレクトアレー,高周波回路の,電磁界解析,最適設計,システムシミュレーションによる評価を実施する。
(2) 電波伝搬環境改善方法に関する研究
近年,M2Mネットワークなど,従来とは異なる厳しい電波伝搬環境が生まれている。本研究では,リフレクトアレーやアンテナ技術の適用による電波伝搬環境の改善方法について検討する。
(3) ワイヤレス電力伝送,マイクロ波応用に関する研究
ワイヤレス電力伝送は,たとえばEV走行中自動給電の実現や,車いすやロボットの誘導や制御など,またマイクロ波は宇宙太陽光発電や融雪などさまざまな応用が期待できる。本研究ではこれらワイヤレス電力伝送,マイクロ波応用に関する研究を実施する。
2ndQ
9週 山田一雅 ■物理学の未踏領域への新装置構築でのアプローチ(専攻の区分:電気電子工学)(専攻の区分:情報工学)
 物性・トポロジー・制御の複合分野は,革新的な精度や分解率が新たに得られ,新しい物づくりが行われ始めている.また挑戦的な創成物作製が世界中で行われており,従来の枠を超えた高機能物性測定システムが,研究室レベルで創成可能となってきている.そこで工学の観点から研究成果を社会貢献につなげる一環として新しい着想で装置を試作し,物理学の未踏領域への挑戦を目標とする.
 メカトロニクス技術と材料科学の双方を活用した,電気・磁気による物体浮遊による不純物の極めて少ない材料創成に関連した周辺の技術に取り組む.特に最新の画像処理やコンピュータ工学を用いて,イメージ・圧力センサーを取り入れ,従来型単機能センサーを凌駕した新しい電気・磁気浮遊炉の開発に取り組むための周辺技術の本課題内容を新しい装置構築につなげる.この電気・磁気浮遊炉は,金属のみならず,セラミック,ガラス,水といったあらゆる材質を浮遊させることができその材料評価の圧力・二相絶縁導電層・ゴンペルツ曲線型構造緩和も課題内容である.一方,宇宙ステーション「きぼう」船内実験装置等で使用する電気・磁気浮遊炉で発現される新物性は,材料評価としての圧力・二相絶縁導電層・ゴンペルツ曲線型構造緩和も課題として求められることから,この評価に取り組む点で差別化を図る.これにより無不純物材料の物性制御の精度向上がより高性能にできる.これらの材料学的新方式の導入の俯瞰的研究がテーマとなる.続く発展テーマとして,①アモルファス状態と液体状態をつなぐ構造決定因子を測定する熱分析.②新しいガラス状固体と空間を融合した多孔性固体(ポーラス)中の熱伝導材料創成.③レーザ発光を半導体材料間で発生させる過程で生じる原子の拡散メカニズムを議論できる半導体創成.以上3指針が今後の展望である.
10週 森谷健二 ■ニワトリ胚低酸素疾患モデルにおける体動パターン解析(専攻の区分:電気電子工学,情報工学)
体動は胎児の正常な成長に必要な現象の一つである。本研究ではニワトリ胚を計測モデルとして生理的疾患時に特有な体動パターンを明らかにし,疾患の予測を目指している。本年度は孵化中によく起きる低酸素状態における特有な体動パターンの解明を目指す。

■脳活動計測によるストレスの定量化に関する研究(専攻の区分:電気電子工学,情報工学)
これまで心拍数計測により心的負荷の定量化を試みてきたが,脳血流系,アイマークレコーダ,心拍数,血圧など複数の生体情報パラメータを利用してより詳細なストレス-レスポンス反応を解析する。同時に,これらの計測パラメータの信号処理に関する研究も行う

■生体情報を用いた福祉機器の製作,開発機器使用時における感性評価(専攻の区分:電気電子工学,機械工学)
福祉機器の開発および既存製品の改良に生体情報をインタフェースとして用いる.使用者の不安なども解析して静的・動的どちらの側面からも使い勝手の良い製品開発を目指す.
11週 湊 賢一 ■未利用天然資源および再生可能エネルギーの有効利用を目指した材料技術の開発(専攻の区分:電気電子工学)
化石燃料の枯渇や燃焼時の炭酸ガス放出による地球温暖化などの環境問題の観点から,安全でクリーンな代替エネルギーの開発が重要視されている。また,非枯渇な太陽光を利用した太陽光発電に対する期待が大きく,光電変換素子の研究開発が盛んに行なわれている.本研究では未利用天然資源および再生可能エネルギーの有効利用を目的とし,新規デバイス作製法の開発や性能向上に関する研究を行う。
12週 後藤 等 ■導波型デバイス向け数値シミュレーション技術に関する研究(専攻の区分:情報工学)
導波型の光デバイスや量子効果デバイスを対象とした数値シミュレーションを行うソフトウェアを開発し,大規模並列数値計算技術の導入を試みる。
13週 河合博之 ■有向グラフの辺彩色に基づく大規模データ解析(専攻の区分:情報工学)
二つの集合間で定義される複数の関数から有向グラフを得ることができる。本研究では,大規模データとそれに係る関係を定義することにより,これら大規模データをグラフの辺彩色という観点からクラスタリングによる解析を行うことを目的とする。
14週 東海林智也 ■楽曲の特徴空間の可視化と楽器推定(専攻の区分:情報工学)
楽曲からMFCC等の特徴量を抽出し,SVM等の非線形識別手法を用いて楽曲に含まれる楽器の推定を行なう。また,SOM等を用いて特徴空間の可視化を行なう。この目的を達成するために音楽理論,信号理論,多変量解析理論,学習理論等のゼミやプログラミング演習を併せて行なう。
15週 今野慎介 ■スマートフォンを用いた新しいソフトウェアの提案と開発(専攻の区分:情報工学)
スマートフォンの普及により,様々な行動にソフトウェアを導入可能な機会が増えている。スマートフォンの特徴として,加速度や地磁気など様々なセンサを備えており,また行動する際に身につけているため,通常のコンピュータでは得ることの出来ない人間の行動に関わる情報を取得することができる。それらの情報を利用した,新たなソフトウェアの提案と開発,及び評価を行う。
16週 倉山めぐみ ■インタラクションを利用した学習支援システムの開発(専攻の区分:情報工学)
人とコンピュータとがインタラクションを取りながら学習を支援する環境を開発することを目的とする。新しい学習を可能にするために,学習や教授活動について記述的なモデルを作成し,そのモデルに基づいた学習支援のシステムを設計・開発を行う。また,作成した学習支援システムを実際に利用し,システムの有効性等の調査を行う。
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度研究活動その他合計
総合評価割合05000500100
基礎的能力0000000
専門的能力020000020
分野横断的能力0300050080