光エレクトロニクス

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 光エレクトロニクス
科目番号 A5-0570 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 [教科書] 陳 軍,山本 将史共著 「らくらく図解 光とレーザー」 オーム社 「参考図書」 桜庭 一郎,高井 信勝,三島 瑛人 共著 「光エレクトロニクスの基礎」 森北出版,桜庭 一郎著 「レーザ工学」 森北出版,大津 元一著 「光科学への招待」 朝倉書店,Max Born and Emil Wolf : "Principle of Optics", Cambridge Univ. Press, 1999, Amnon Yariv : "Optical Electronics in Modern Communications", Oxford Univ. Press, 1997, Eugene Hecht and Alfred Zajac : "Optics", Pearson Education, 2003.
担当教員 伊藤 芳浩

到達目標

自然科学の基礎知識として,光の波動としての性質を理解し,その基本的な性質である光の屈折・回折・干渉について説明できる.次に、これらの波動光学の知識を光学素子などの設計に応用できる.また,光の応用技術で中核となるレーザーについて,その基礎を学び,自己の専門分野にとどまらず,境界領域での応用の際に基礎知識として活用でき、社会でどのように応用されているか理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1古典的な光の粒子説と波動説から量子論での粒子性と波動性を十分に説明できる.量子論での光の粒子性と波動性を説明できる.量子論での光の粒子性と波動性を説明できない.
評価項目2簡単な場合の回折積分の計算ができる.教科書をみれば,簡単な場合の回折積分の計算ができる.簡単な場合の回折積分が計算できない.
評価項目3レーザー発振の原理が十分に説明できる.レーザー発振の原理が説明できる.レーザー発振の原理が説明できない.
評価項目4レーザー技術の応用例がいくつか説明できる.レーザー技術の応用例が一つは説明できる.レーザー技術の応用例が説明できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および電気磁気学,電気回路などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,エネルギー・制御関連科目,エレクトロニクス関連科目,情報通信関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる
学校目標 H(社会と時代が求める技術) 社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける
学科目標 H(社会と時代が求める技術) 電気電子セミナー,卒業研究などを通して,社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける。
本科の点検項目 H-ⅰ 専門とする分野について,社会が要求する技術課題を認識できる

教育方法等

概要:
光エレクトロニクスは,レーザー技術を中心にした光学(オプティクス)と電子工学(エレクトロニクス)の複合領域であり,光通信や光記録,光情報処理など,その応用範囲は広い.最初に古典的な光学のホインヘンスの原理から回折積分までを学び,光の特性を学ぶ.次に光子としての現代的な扱いを学ぶ.最後にレーザー発振についての原理を学び,ホログラフィーなどの応用例を理解する.
授業の進め方・方法:
授業は,基本的に講義形式で進行する.適宜,演習課題を出すが,演習課題は自学自習時間を用いて行うこと.予習,復習は,30時間の自学自習時間には基本的に含めないものとする.
到達目標に関する内容の試験および課題レポートによって、評価項目1から4に基づいて総合的に達成度を評価する.定期試験80%、演習および課題レポート20%とし、合格点は60点以上とする。また、必要と判断した場合には再試験を行う.
「関連科目」応用物理,応用数学,電気磁気学Ⅰ,Ⅱ,電磁波工学,電子デバイスⅠ,Ⅱ
注意点:
本科目は学修単位であり,30時間の自学自習時間が義務づけられており,その時間は,授業で出された課題を行うこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 光(特にレーザー)を用いることで,どのようなメリットが発生するのかが説明できる.
2週 光とは 古典的な粒子説と波動説のそれぞれの特徴を説明できる.
3週 ホインヘンスの原理による屈折,回折 ホインヘンスの原理をつかって屈折現象,回折現象が説明できる.
4週 ホインヘンスの原理の問題点とその修正 ホインヘンスの原理の問題点が説明でき,修正されたホインヘンスの原理が説明できる.
5週 光の回折と回折積分 光の回折現象と回折積分の式の物理的な意味が説明できる.
6週 回折積分とフーリエ変換 フラウンホーファー回折がフーリエ変換であることが説明できる.
7週 レンズとフーリエ変換 レンズがフーリエ変換素子であることが説明できる.
8週 2重スリットの実験 ヤングの2重スリットの実験の古典論による説明と量子論による説明ができる.
4thQ
9週 理解度確認テスト 理解度を確認するためにテストを行う.
10週 光の波動性と粒子性 光の粒子性を使わないと説明できない物理現象を挙げることができる.
11週 レーザーの基礎 レーザー光の特徴について説明できる.
12週 レーザーの発振 レーザー発振に必要な3つの要素について説明できる.
13週 レーザーの種類 レーザーの種類について説明できる.
14週 レーザーの応用 ホログラフィの原理について説明できる.
15週 メタマテリアルと光学迷彩 メタマテリアルが何に応用できるか説明できる.
16週

評価割合

試験確認テスト課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合404020000100
基礎的能力20202000060
専門的能力2020000040
分野横断的能力0000000