先端技術特論

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 先端技術特論
科目番号 A5-0580 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 [ 教科書]なし。プリントを適宜配布する。[参考資料]武田:「気体放電の基礎」(東京電機大学)、田頭、坂本:「新高電圧工学」(朝倉書店)、J. S. Chang他:「電離気体の原子・分子過程」、金子:「[化学のための]原子衝突入門」、金原:「薄膜の基本技術 第3版」(東京大学出版会)E. A. Mason and E. W. McDaniel: TRANSPORT PROPERTIES OF IONS IN GASES, John Wiley & Sons, Inc.、Ed. L. G. Christophorou and J. K. Olthoff: “GASEOUS DIELECTRICS IX”KLUWER ACADEMIC / PLENUM PUBLISHERSなど
担当教員 奥山 由

到達目標

これまでに学んできた数学、自然科学、情報技術および工学の基礎知識をもとにして放電プラズマについて説明でき、基本的な問題を解くことが出来る。また、それらをもとにした実験やシミュレーションについて理解でき、現状の放電プラズマに関する先端技術における社会が要求する課題を認識できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1右に加え、速度分布関数から確速度、平均値、二乗平均値の平方根などを計算できる。速度分布関数や平均自由行程について説明できる。速度分布関数を説明できない。
評価項目2弾性衝突、非弾性衝突および輸送係数を説明でき、計算できる。弾性衝突、非弾性衝突および輸送係数を説明できる。弾性衝突、非弾性衝突および輸送係数を説明できない。
評価項目3右に加えて、火花条件式、Paschenの法則、ストリーマ理論などを説明できる。絶縁破壊のメカニズムや放電の種類や性質について説明できる。絶縁破壊現象及び放電の種類や性質について説明できない。
評価項目4放電プラズマを用いた最先端技術についての実験やシミュレーションの内容を理解できる。放電プラズマを用いた応用技術について説明できる。放電プラズマを用いた応用技術について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および電気磁気学,電気回路などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
本科の点検項目 D-ⅲ 情報技術を利用できる
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,エネルギー・制御関連科目,エレクトロニクス関連科目,情報通信関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる
学校目標 H(社会と時代が求める技術) 社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける
学科目標 H(社会と時代が求める技術) 電気電子セミナー,卒業研究などを通して,社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける。
本科の点検項目 H-ⅰ 専門とする分野について,社会が要求する技術課題を認識できる

教育方法等

概要:
近年、半導体デバイスやナノテクノロジーから医療分野、食品産業などに至るまで幅広く研究が進められている放電プラズマについて学ぶ。本講義では、プラズマの理解に必要な基礎知識を身に付けることからはじめ、プラズマを用いた最先端の応用技術について考える。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式で進行するが、講義内で小テストも行う。それ以外に、適宜、レポート課題を出すが、レポート課題は自学自習時間を用いて行うこと。小テスト30%、レポート30%、期末試験40%の割合で評価する。
注意点:
本科目は15時間の自学自習時間が義務付けられている。この時間は、授業で出した課題および復習を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物質の状態とプラズマ 物質の3態とプラズマについて理解する。
2週 気体分子の熱運動論(I) 気体の状態方程式や熱運動について理解する。
3週 気体分子の熱運動論(II) マクスウェルの速度分布や平均自由行程について理解し、計算する。
4週 気体分子の熱運動論(III) 器壁への衝突とガス圧力について理解する。
5週 弾性衝突と非弾性衝突(I) 衝突断面積について理解する。
6週 弾性衝突と非弾性衝突(II) 励起や電離などの非弾性衝突について理解する。
7週 荷電粒子の輸送過程 移動度と拡散係数、輸送係数について理解する。
8週 絶縁破壊(I) α作用、β作用、γ作用などを理解する。
2ndQ
9週 絶縁破壊(II) 火花条件式、Paschenの法則、ストリーマ理論などを理解する。
10週 放電の種類や性質(I) コロナ放電の性質を理解する。
11週 放電の種類や性質(II) グロー放電やアーク放電の性質を理解する。
12週 放電プラズマ研究(I) 放電プラズマの基礎研究について、これまでの基礎知識をもとに理解する。
13週 放電プラズマ研究(II) 放電プラズマの近年行われている基礎研究について、これまでの基礎知識をもとに理解する。
14週 放電プラズマ研究(III) 放電プラズマの先端技術(実験による応用研究)について、これまでの基礎知識をもとに理解する。
15週 放電プラズマ研究(IV) 放電プラズマの先端技術(シミュレーションによる応用研究)について、これまでの基礎知識をもとに理解する。
16週 期末試験

評価割合

小テストレポート課題期末試験合計
総合評価割合303040100
基礎的能力10101030
専門的能力20203070