到達目標
・信号の変調方式と多重化方式について説明できる。
・通信網を構成するための伝送路や各種システムのしくみが説明できる。
・情報化社会における通信システムのしくみや役割が説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 信号の変調方式や多重化方式について説明できる。また、実社会における具体的な適用例について説明できる。 | 信号の変調方式や多重化方式について説明できる。 | 信号の変調方式や多重化方式について説明できない。 |
評価項目2 | 通信網を構成する伝送路や各種システムについて説明できる。また、社会におけるそれらの具体的な例を挙げて説明できる。 | 通信網を構成する伝送路や各種システムについて説明できる。 | 通信網を構成する伝送路や各種システムについて説明できない。 |
評価項目3 | 社会における具体的な通信システムと使用されている通信技術を挙げ、そのしくみや役割について説明できる。 | 社会における具体的な通信システムと使用されている通信技術を挙げることができる。 | 社会における具体的な通信システムの例や使用されている通信技術を挙げることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
ICT(情報通信技術)の発展によって、通信機器やそれを支える通信技術が近年急速に発達している。例えば、現在使われている通信サービスや通信機器の例として、Web(インターネット)やスマートフォン、IoT、地上デジタル放送などデジタル情報を扱うものが挙げられる。これらを支える通信路には、光ファイバーや無線などの通信技術が使われている。また、最近ではICカードやGPSによる位置情報サービスなどの衛星通信・無線通信を応用したサービスも幅広く利用されており、現代においては通信がなくてはならない基幹技術となっている。
本講義では、情報の伝送(通信)を実現するために必要な信号の扱い方や、通信網を構成する各種のシステムについて、実際に使用されている通信システム・通信サービスの例とともに学び、各種の通信技術を用途にあわせて適用できるようになることを目的とする。
なお本講義においては、電気回路、電子回路、論理回路あるいは情報理論などの専門科目や、根幹となる数学(三角関数・微分積分・フーリエ級数など)の知識が必要となり、総合的にこれらの科目の知識を組み合わせて各課題に適用することが求められる。また、本講義は電磁波工学や情報ネットワークの内容ともそれぞれ関係しており、電磁波やネットワークについてより深く学びたい場合は、各科目も合わせて受講することが望ましい。
授業の進め方・方法:
前半の授業では、通信に用いられる信号の扱い方や変調方式について学ぶ。
後半の授業では、信号の多重化や、通信網を構成するための伝送路と各種システム、およびそれらを用いた通信システムについて学ぶ。
また後半の授業において、社会における具体的な通信システムを紹介し、通信技術の適用例を通じてこれからの通信システムの在り方を考える。
注意点:
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習(60時間)は、日常の授業(30時間)のための予習復習時間、理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間および小テストや定期試験の準備のための勉強時間を総合したものとする。
・評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合、各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる。
・講義内容の理解を深めるために、演習・課題等に積極的に取り組むことが求められる。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
通信システムの基本 |
通信システムの基本構成や情報の表現・伝送方法について説明できる。
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2週 |
信号波(1) |
情報の量的取り扱い方と信号波の数式表現(フーリエ級数・フーリエ変換)について数式を用いて説明できる。
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3週 |
信号波(2) |
フーリエ級数やフーリエ変換を用いた周波数スペクトル解析について数式を用いて説明できる。
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4週 |
アナログ信号の変調(1) |
変調の目的について説明できる。また、振幅変調(AM)について数式を用いて説明できる。
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5週 |
アナログ信号の変調(2) |
角度変調(FM・PM)について数式を用いて説明できる。
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6週 |
デジタル変調(1) |
アナログ信号のパルス変調、パルス符号変調(PCM)について説明できる。
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7週 |
デジタル変調(2) |
デジタル信号の変調について説明できる。
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8週 |
中間試験 |
学んだ知識の確認ができる。
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2ndQ |
9週 |
信号の多重化 |
信号の多重化の目的と多重化方式について説明できる。
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10週 |
雑音 |
通信における雑音とひずみについて説明できる。
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11週 |
伝送路(1) |
伝送線路の特性について分布定数回路や微分方程式を用いて説明できる。また、平衡ケーブルや同軸ケーブルについて説明できる。
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12週 |
伝送路(2)/ 交換システム |
光ファイバーや空間伝搬について説明できる。また、通信における交換機能および種類について説明できる。
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13週 |
中継伝送システム |
信号を遠方へ伝送するためのしくみについて説明できる。
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14週 |
現代の通信システム(1) |
現代の通信システムで使用されている技術について説明できる。
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15週 |
現代の通信システム(2) |
現代の通信システムで使用されている技術について説明できる。
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16週 |
期末試験 |
学んだ知識の確認ができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 演習・課題・小テスト等 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 10 | 30 |
専門的能力 | 50 | 20 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |