数値計算Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 数値計算Ⅰ
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 システム制御情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 情報工学入門シリーズ5 数値計算法 第2版 新装番
担当教員 今野 廣

到達目標

1. 工学上よく現れる様々な問題を解決するための数学的な背景を理解し,定式化することができる。 
2. 定式化した問題をコンピュータで処理するための数値計算の手法(アルゴリズム)を考案できる。
3. C言語を用いて必要なアルゴリズムを実現するプログラムを作成し,計算結果が求める結果か判断できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (A-2)工学上よく現れる様々な問題を解決するための数学的な背景を理解し,自ら定式化することができる。数学上の深い意味は理解できなくても,授業中に示された数式等を理解することが出来る。問題を解決するために必要な数学の知識が足らず,数式等の意味が理解できない。
評価項目2 (D-1,D-2)定式化した問題をコンピュータで処理するためのアルゴリズムを自ら考案できる。教科書や講義ノート等を参考にして,示されたアルゴリズムを理解できる。いかなる資料を利用しても,必要なアルゴリズムを組み立てることができない。
評価項目3 (D-1,D-2)C言語により必要なアルゴリズムを実現するプログラムを自らの力で作成し,計算結果を判断できる。フローチャート(流れ図)が示されればプログラムを作成でき,結果が適切か判断できる。フローチャート(流れ図)が示されてもプログラムを作成できず,結果が得られない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学上よく現れると思われる諸問題を,コンピュータを利用して解くための手法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
コンピュータを用いて様々な問題を解決するためには,最初に問題の数学的な背景を学んでその問題を定式化し,次に定式化した問題をコンピュータで処理する数値計算の手法を知ることが重要である。
本科目では,最初に工学に関わる問題の解析を通じて問題を解くための定式化の方法(アルゴリズム)を学ぶ。そのアルゴリズムを実現するためには,フローチャート(流れ図)を書くことが是非とも必要である。フローチャートは与える場合が多いが,最終的には自らの力で作成できることが望ましい。次に、C言語を用いてフローチャートに従ってプログラムを作成し,計算結果について考察する。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-2(10%) D-1(40%) D-2(50%)とする.
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)ついては,日常の授業(30時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
卒業研究やコンピュータ処理を行う高学年の教科において,本科目の知識が必要となる事が多い。
数学的に程度の高い理論はあまりふれないが,問題を解くためには,これ迄に学んだ基礎的な数学の知識とプログラミング技術が必要である。実際にプログラムを作成して,工学上良く現れる問題を解析して計算結果について考察し,必要に応じてExcel等を使用してグラフィック表示することを心がける。
学習期間中に与えられた課題について,作成したソースプログラムのリストおよび解析結果(数値計算結果・グラフ)を,プリンターに出力して提出する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数値計算概説 数値計算を行う意義が理解でき,計算で生じる誤差の種類について説明できる。VisualC++の使用法が分かる。
2週 非線形方程式(1) ニュートン法 ニュートン法により f(x)=0 の解を求める事が出来る。
3週 非線形方程式(2) 二変数のニュートン法 ニュートン法により f(x,y)=0の解を求められる。
4週 非線形方程式(3) 二分法、挟み撃ち法
二分および挟み撃ち法を用いてf(x)=0 の解を求めることが出来る。
5週 高次代数方程式(1) ベアストウ法その1 ベアストウ法により、n次方程式の全ての根(複素根を含む)を求める方法が説明出来る。
6週 高次代数方程式(2) ベアストウ法その2 ベアストウ法により、n次方程式の全ての根を求めるプログラムを作成できる。
7週 前期中間試験
8週 連立一次方程式(1) ガウスの消去法その1 ガウスの消去法により連立1次方程式を解く方法を説明できる。
2ndQ
9週 連立一次方程式(2) ガウスの消去法その2 ガウスの消去法により連立1次方程式を解くプログラムを作成できる。
10週 連立一次方程式(3) ガウス・ジョルダン法 ガウス・ジョルダン法により連立1次方程式を解く方法を説明できプログラムが作成できる。
11週 連立一次方程式(4) ガウス・ザイデル法 ガウス・ザイデル法により連立1次方程式を解く方法を説明できプログラムが作成できる。
12週 行列式(1) ガウスの消去法を応用して行列式を計算する方法を説明できる。
13週 行列式(2) ガウスの消去法を応用して行列式を計算するプログラムが作成できる。
14週 逆行列 ガウス・ジョルダン法を応用して逆行列を計算する方法を説明できプログラムが作成できる。
15週 期末試験 学んだ知識の確認ができる。
16週 答案返却及び解説 学んだ知識の再確認及び修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力200000525
専門的能力6000001575
分野横断的能力0000000