概要:
ロボットの機構と構成要素の位置を,同次変換行列を用いて記述し,各関節の変位と角度を与え,位置・姿勢を求める順運動学,位置・姿勢から各関節の変位と角度を求める逆運動学について学習する。さらに,ヤコビ行列の導出法を学習し,関節角速度とアームの速度及び姿勢変化の関係について学習する。最後に,動力学の基礎の1つである1自由度系の振動現象を学習する。
授業の進め方・方法:
多関節ロボットアームの順・逆運動学や1自由度系の振動現象に関する基礎事項を学び,ロボットの機械要素の力学に関する知識を習得する。学んだ内容の理解を確認するために宿題を課すので,翌週の授業までに提出すること.
注意点:
・ロボットの運動学に関する基礎を確実に身につけ,具体的な問題に応用できる能力と,さらに深い内容について,独力で学べる土台を造ることに留意する。
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(30%) D-1(40%) D-2(30%)とする。
・総時間数45時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)は,日常の授業(15時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 3 | |
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | |
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | |
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | |
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。 | 3 | |
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。 | 3 | |
合成関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | |
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | |
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。 | 4 | |
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | |
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。 | 4 | |
力学 | 仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 4 | |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 4 | |
振動の種類および調和振動を説明できる。 | 4 | |
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | 前12 |
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | 前13 |
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | 前14 |
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 4 | 前14 |