応用数学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用数学Ⅱ
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 新版数学 確率統計【実教出版】,プリント
担当教員 大澤 智子

到達目標

1. 数学的な方法で,比較的単純な試行に対する確率を求めることができる。
2. 二項分布,ポアソン分布および正規分布について理解し,実際の確率の問題に対して活用することができる。
3. 母集団と標本の関係について理解し,標本を用いて,母集団の状況を推測することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(A-1)確率の意味を深く理解し,数学的な方法で,様々な試行に対する確率を求めることができる。確率の意味を理解し,数学的な方法で,比較的単純な試行に対する確率を求めることができる。確率の意味の理解が不十分で,単純な試行に対する確率を求めることができない。
評価項目2(A-1)二項分布,ポアソン分布および正規分布について深く理解し,実際の確率の問題に対して広く活用できる。二項分布,ポアソン分布および正規分布について理解し,実際の確率の問題に対して活用できる。二項分布,ポアソン分布および正規分布についての理解が不十分で,実際の確率の問題に対する活用ができない。
評価項目3(A-1)母集団と標本の関係について深く理解し,標本を用いて,母集団の状況をより適切な方法で推測できる。母集団と標本の関係について理解し,標本を用いて,母集団の状況を推測できる。母集団と標本の関係についての理解が不十分で,標本から母集団の状況を推測することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる
JABEE A-1 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
社会で必要とされる「確率」「統計」について学ぶ。はじめに,第3学年で学んだ確率についての定義や基本的な性質を用いて,余事象・条件付き・独立事象の確率を求める。それをもとにして確率分布の基本的事柄と,代表的な確率分布である二項分布・ポアソン分布・正規分布について学ぶ。最後に,確率の考えに基づき,標本の背後にある母集団の特性を統計的に推測する方法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
これまでに学んだ数学および応用数学を基礎に,確率・統計における基本的な概念および原理や法則の体系的な理解を深める。
注意点:
新たな内容に対して,その定義をしっかりと身に付けること,および論理的な筋道を理解することを心掛ける。疑問点は早期に解決するよう努力すべきである。また,専門科目で活用できるためには,「わかる」だけではなく「できる」ことが求められるので,その力を養うためには,事前に予習をして授業に取り組み,授業の他にも自分で問題演習を数多くこなすことが必要である。
教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-1(100%)とする。
総時間数45時間(自学自習15時間)
自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
1章 確率
1節 確率とその基本的性質
2節 いろいろな確率の計算
既習事項である,確率の意味と基本的性質を用いて,簡単な確率の計算ができる。
2週 2節 いろいろな確率の計算 余事象の確率,条件付き確率および独立事象の確率を理解し,求めることができる。
3週 3章 確率分布
1節 確率分布
確率変数および確率分布について理解し,その平均値(期待値)・分散を求めることができる。
4週 二項分布 二項分布について理解し,平均値(期待値)・分散を求めることができる。
5週 ポアソン分布 ポアソン分布について理解し,平均値(期待値)・分散を求めることができる。
6週 連続型確率分布 連続型の確率変数および確率分布について理解し,簡単な確率の計算に活用できる。
7週 2節 正規分布
次週,中間試験を実施する。
正規分布について理解し,その確率を求めることができる。
8週 2節 正規分布
二項分布の正規近似
正規分布についての確率を求めることができる。二項分布は正規分布で近似できることを理解する。
4thQ
9週 二項分布の正規近似 二項分布は正規分布で近似できることを用いて確率の計算ができる。
10週 4章 推定と検定
1節 統計的推測
母集団分布から標本平均および標準偏差を求めることができる。標本平均の分布および中心極限定理について理解することができる。
11週 母平均の区間推定 母平均の区間推定の考え方を理解し,母平均の信頼区間を求めることができる。
12週 母比率の区間推定 母比率の区間推定の考え方を理解し,母比率の信頼区間を求めることができる。
13週 2節 仮説の検定
母平均の検定
仮説検定の考え方およびその結果についての取り扱い方について理解できる。母平均に関する仮説検定の方法を理解し,活用することができる。
14週 母比率の検定 母比率に関する仮説検定の方法を理解し,活用することができる。
15週 期末試験 第9週以降に学んだ内容について確認できる。
16週 答案返却と解説 これまで学んだ内容について再確認および修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。2
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。2

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000