基礎工学概論Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 基礎工学概論Ⅰ
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 PID制御の基礎と応用(山本重彦・加藤尚武著,朝倉書店)/ 電気理論(池田哲夫著,森北出版)
担当教員 小寺 史浩

到達目標

1. フィードバック制御,PID制御について適切な取り扱いができる。
2. 化学プラントの制御系の代表的な各種量について理解し,計装図を作図することができる。
3. 電気基本量について理解し,直流および交流回路等の計算ができる。
4. 回路図について説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フィードバック制御,PID制御の応用問題について適切な取り扱いができる。フィードバック制御,PID制御の基本的な問題について適切な取り扱いができる。フィードバック制御,PID制御の基本的な問題について適切な取り扱いができない。
評価項目2化学プラントの制御系の代表的な各種量について理解し,複雑な計装図を作図することができる。化学プラントの制御系の代表的な各種量について理解し,簡単な計装図を作図することができる。化学プラントの制御系の代表的な各種量について理解できず,計装図を作図することができない。
評価項目3電気基本量について理解でき,直流および交流回路等の応用計算ができる。電気基本量について理解でき,直流および交流回路等の計算ができる。電気基本量について理解できず,直流および交流回路等の計算ができない。
評価項目4複雑な電気回路について説明することができる。基本的な電気回路について説明することができる。基本的な電気回路について説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
(制御分野)化学工場での製造装置を動作させるための制御技術の基礎を学び,実際の生産現場での制御機器に触れる際のセンスを培う。
(電気分野)電気電子機器の働きや電気を用いた計測を理解するための電気基礎を学ぶ。電気回路の計算や電磁気の現象を通して電気的知見を深める。

※実務との関係
この科目は、企業で関連内容の研究開発に取り組んでいた教員が,その経験を活かし,制御および電気について講義形式で授業を行うものである
授業の進め方・方法:
(制御分野)化学プラントの運転に必要なPID制御の基礎知識を学び,実際の化学プラントにどのように応用されているかを理解する。
(電気分野)電気回路の基本的な取り扱い及びその基礎となる電磁気現象を学び,更にその応用について知見を深める。
注意点:
(制御分野)授業で扱う制御技術が,実際の化学プラントのどのような箇所で使われているかを意識しながら学習すること。これまでに学ぶ機会のなかった内容であるが,化学工学と密接に関連している。
(電気分野)電気現象は,物理的な現象と数式の意味することの両面で理解できるように心がける。
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間および小テストや定期試験の準備のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 PID制御①
 ・PID制御の基本構造とバリエーション

化学プロセスにおける主流であるPID制御について理解し,基本構造とバリエーションについて説明できる。
2週 PID制御②
 ・PID制御の調整法
 ・複合制御
 ・フィードフォワード制御
 ・むだ時間プロセスの制御
PID制御の調整と設計についての考え方を理解し,基本的な取り扱いができる。
3週 フィードバック制御①
 ・フィードバック制御の定義と動作の種類
 ・ブロック線図と伝達関数
フィードバック制御とは何かを理解でき,フィードバック制御の動作をブロック線図と伝達関数で表現できる。
4週 フィードバック制御②
 ・制御系の応答特性と安定性
制御系の応答と安定性について適切な取り扱いができる。
5週 各種の量の計測・制御 ①
 ・流量
 ・圧力
化学プロセスでの代表的なプロセス変量(流量,圧力)の計測方法と制御上の特徴について理解し,適切な方法を選択できる。
6週 各種の量の計測・制御 ②
 ・液位
 ・温度
化学プロセスでの代表的なプロセス変量(液位,温度)の計測方法と制御上の特徴について理解し,適切な方法を選択できる。
7週 シーケンス制御 シーケンス制御の基本的概念が説明できる。
8週 中間試験 中間試験
2ndQ
9週 化学プラントの制御系①
 ・計装の定義
計装とは何かを説明でき,計装図を理解・作図することができる。
10週 化学プラントの制御系②
 ・計装図の作成
計装とは何かを説明でき,計装図を理解・作図することができる。
11週 電気回路①
 ・電気基本量
 ・オーム則
 ・キルヒホッフ則
電気基本量を理解し、説明することができる。また、オーム則、キルヒホッフ則を用いて回路計算ができる。
12週 電気回路②
・静電気
・コンデンサ
静電気、コンデンサを理解し、説明することができる。
13週 電気回路③
・交流
・交流回路
・図記号
交流、交流回路の計算ができる。また、図記号を説明することができる。
14週 電気回路④
・トランジスタの動作原理
・増幅の基礎概念
トランジスタについて理解し、説明することができる。
15週 電気回路⑤
・OPアンプの構造
・OPアンプの性質
OPアンプについて理解し、説明することができる。
16週 学年末試験 学んだ知識の確認ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題小テスト・レポート合計
総合評価割合603010100
基礎的能力0505
専門的能力6015580
分野横断的能力010515