生物工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物工学Ⅱ
科目番号 0064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 教科書:辻担当:栄養科学イラストレイテッド 食品衛生学 改訂第2版(羊土社),補助教材:杉本担当:新・大学生物学の教科書 第3巻 (ブルーバックス)
担当教員 杉本 敬祐,辻 雅晴

到達目標

1. 基礎の生物に関する知識を,自らの専門分野のより複雑な工学の問題に適用できる.
2. バイオテクノロジーについて,その方法の原理を理解する.
3. バイオテクノロジーが社会に与える影響について理解する.
4. 微生物の働きおよびその応用方法について理解し,説明できる.
5. 微生物と食品衛生、食中毒の関係について理解し、説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 基礎的な生物に関する知識を,バイオテクノロジーに適用することができる.基礎的な生物に関する知識がバイオテクノロジーに適用している例を理解することができる.基礎的な生物に関する知識を,バイオテクノロジーに適用することができない.
評価項目2 バイオテクノロジーについて,その方法の原理を理解し,説明できる.バイオテクノロジーについて,その方法の原理を理解できる.バイオテクノロジーについて,その方法の原理を理解できない.
評価項目3 バイオテクノロジーが社会に与える影響について理解し,説明できる.バイオテクノロジーが社会に与える影響について理解できる.バイオテクノロジーが社会に与える影響について理解できない.
評価項目4 食品衛生と微生物(有害物質含む)の関わりを理解し,説明できる。食品衛生と微生物(有害物質含む)の関わりを理解し,ほぼ正確に説明できる。食品衛生と微生物(有害物質含む)の関わりを理解できない。
評価項目5 微生物の働きおよびその応用方法について正確に理解し,正確に説明できる.微生物の働きおよびその応用方法についてほぼ正確に理解し,ほぼ正確に説明できる.微生物の働きおよびその応用方法について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 物質化学工学科の教育目標 ② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
辻担当:応用微生物工業、食中毒の分類,食中毒を引き起こす微生物・自然毒・化学物質,食中毒と経口感染症の関わりに関する基礎的知見を学ぶ。
杉本担当:生物工学Ⅰの知識を用いて,大腸菌を用いた遺伝子組み換え技術を学ぶ.この基礎技術をもとに,遺伝子工学,タンパク質工学,植物・動物におけるバイオテクノロジーの仕組みについて理解を深める.
     教科書は使用しないが、補助教材の購入することをお勧めする
授業の進め方・方法:
講義は対話方式で行うため,頻繁に学生に質問する.また,講義中わかりにくいところがあれば,気軽に質問すること.
注意点:
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)は,日常の授業(60時間)のための予習・復習,理解を深めるための演習課題の考察・まとめ,および定期試験のための学習を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・食品衛生(1)(辻)
・遺伝子操作の基礎(1)(杉本)
・食品衛生の重要性,および食品衛生行政と関連法規を理解し,説明できる。(辻)
・有用微生物の改良・育種技術,安全対策を理解し,説明できる.
・プラスミドとファージがどのようにベクターとして利用されているかを理解できる.(杉本)
2週 ・食品衛生(2)(辻)
・遺伝子操作の基礎(2)(杉本)
・食品衛生の重要性,および食品衛生行政と関連法規を理解し,説明できる。(辻)(辻)
・有用微生物の改良・育種技術,安全対策を理解し,説明できる.
・プラスミドとファージがどのようにベクターとして利用されているかを理解できる.(杉本)
3週 ・食品衛生と食品衛生行政(辻)
・遺伝子操作の基礎(3)(杉本)
・食品衛生の重要性,および食品衛生行政と関連法規を理解し,説明できる。(辻)
・有用微生物の改良・育種技術,安全対策を理解し,説明できる.
・細胞からDNAを取り出す方法を理解し,操作を行うことができる。
・制限酵素などの遺伝子組換えで用いる酵素の働き,性質を理解できる。
・DNAの細胞内への導入方法について理解できる.(杉本)
4週 ・食品の変質(1)(辻)
・遺伝子操作の基礎(4)(杉本)
・食品の変質機構,食品の酸敗とその防止,食品の変質防止技術を理解し,説明できる。(辻)
・有用微生物の改良・育種技術,安全対策を理解し,説明できる.
・pUC系プラスミドを用いてのカラーセレクションの仕組みについて理解できる.
・cDNAライブラリー,ゲノムライブラリーについて理解できる..(杉本)
5週 ・食品の変質(2)(辻)
・遺伝子操作の基礎(5)(杉本)
・食品の変質機構,食品の酸敗とその防止,食品の変質防止技術を理解し,説明できる。(辻)
・有用微生物の改良・育種技術,安全対策を理解し,説明できる.
・電気泳動法を理解し,サザンハイブリダイゼーションなどのDNA分析方法について説明できる.(杉本)
6週 ・食品の変質(3)(辻)
・遺伝子操作の基礎(6)(杉本)
・食品の変質機構,食品の酸敗とその防止,食品の変質防止技術を理解し,説明できる。(辻)
・有用微生物の改良・育種技術,安全対策を理解し,説明できる.
・PCR の原理を理解し、その応用(PCRクローニングなど)を考えることができる.(杉本)
7週 ・食中毒(1)(辻)
・遺伝子操作の基礎(7)(杉本)
次週,中間試験を実施する.(辻&杉本)
・食中毒の発生状況と食中毒の分類,食中毒を引き起こすウイルス・微生物,自然毒・化学物質による食中毒を理解し,説明できる。(辻)
・DNAの塩基配列決定の原理を理解できる.(杉本)
8週 「中間試験」 ・これまで習った内容を認識し,理解を深めることができる.(辻&杉本)
2ndQ
9週 ・食中毒(2)(辻)
・遺伝子操作の基礎(8)(杉本)
・タンパク質工学(1) (杉本)
・食中毒の発生状況と食中毒の分類,食中毒を引き起こすウイルス・微生物,自然毒・化学物質による食中毒を理解し,説明できる。(辻)
・タンパク質工学の概要を理解できる.(杉本)
10週 ・食中毒(3)(辻)
・タンパク質工学(2)(杉本)
・食中毒の発生状況と食中毒の分類,食中毒を引き起こすウイルス・微生物,自然毒・化学物質による食中毒を理解し,説明できる.(辻)
・タンパク質工学の概要を理解できる。
・タンパク質の立体構造解析におけるX線結晶解析とNMR法の長所と短所を理解することができる.(杉本)
11週 ・応用微生物工業(1)(辻)
・植物におけるバイオテクノロジー(1) (杉本)
・アルコール発酵,アセトン・ブタノール発酵,有機酸発酵を理解し,説明できる.(辻)
・植物の遺伝子組換え方法について理解できる.(杉本)
12週 ・応用微生物工業(2)(辻)
・植物におけるバイオテクノロジー(2) (杉本)
・アルコール発酵,アセトン・ブタノール発酵,有機酸発酵を理解し,説明できる.(辻)
・製品化されている遺伝子組換え植物
・遺伝子組換え作物の問題点
以上項目の概要を理解し,バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる.また,遺伝子組換え技術のリスクと安全策について説明できる.(杉本)
13週 ・応用微生物工業(3)(辻)
・動物細胞におけるバイオテクノロジー(1)(杉本)
・生理活性物質,酵素阻害剤,高分子発酵を理解し,説明できる.(辻)
・受精卵の分割によるクローンの作成
・細胞の分化
・クローンヒツジ“ドリー“の作成
・医薬品を合成する遺伝子組換え動物
・ES細胞の応用とその作成技術
以上を理解し,バイオテクノロジーの応用例について説明することができる.(杉本)
14週 ・応用微生物工業(4)(辻)
・動物細胞におけるバイオテクノロジー(2)(杉本)
・生理活性物質,酵素阻害剤,高分子発酵を理解し,説明できる.(辻)
・受精卵の分割によるクローンの作成
・細胞の分化
・クローンヒツジ“ドリー“の作成
・医薬品を合成する遺伝子組換え動物
・ES細胞の応用とその作成技術
以上を理解し,バイオテクノロジーの応用例について説明することができる.(杉本)
15週 ・応用微生物工業のまとめ(辻)
・バイオテクノロジーのまとめ(杉本)
・これまで習った内容を改めて見直すことで、各項目の関連を再認識し,理解を深めることができる.(辻&杉本)
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物工学抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4

評価割合

試験レポート・課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力801090
分野横断的能力01010