到達目標
1. 遺伝物質,タンパク質などの生体分子の働きを基に生命現象を理解し,説明する事ができる。
2. 生命科学に関する最近の話題や先端研究・応用技術について理解し,社会生活の中での行動において適
切に判断する事ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標項目1
(A-1,D-1) | 遺伝子や種々のタンパク質の働きを
理解し,様々な生命現象を説明する
事ができる。 | 遺伝子や代表的なタンパク質の
働きを理解し,説明する事ができ
る。 | 左記に達していない。 |
到達目標項目2
( A-1 , A-2 , B-3 ,D-1) | 生命科学分野の先端研究や応用技
術の内容を正しく理解し,説明する
事ができる。 | 生命科学分野の研究や技術の内
容を理解し,説明する事ができ
る。 | 左記に達していない。 |
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学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
生物を非生物から区別する様々な性質は,ゲノムと呼ばれるDNA のデジタルな情報の機能に基づいている,ここでは,ゲノムの構造,そしてゲノム中に含まれる遺伝子の機能とその調節の基礎を学ぶ。現在の生命科学の重要分野である再生医学,遺伝子組換え技術等の目的と現状を学ぶと共に,先端科学に不可欠な倫理についても実例を基に考察する。
授業の進め方・方法:
配付プリントを参考資料として講義を進める。次回以降の講義に反映させるために、毎回の講義終了時に質問、理解の程度、意見等をを記述する質問票の提出を求める。また、各講義テーマについて,予復習課題を配付するので、期日までに提出する。ゲノム科学,生命科学に関するレポート、小論文の提出を求めるので,積極的に取り組むことが望まれる。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は、A-1(50%) A-2(20%) B-3(10%) D-1(20%))とする。
・自学自習時間(60時間)については、日常の授業(30時間)に対する予復習及びは各テーマの予復習課題の作成に充てる。ヒトゲノム及び生命科学技術における倫理に関するレポート作成,および試験準備を合計して60時間の自学自習とする。
・評価は、試験(70%)、予復習課題(10%)、レポート(10%)、質問票(10%)の合計ととする。合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合、各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること、教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・生産システム工学専攻の学生については生命を分子の立場から理解することを,応用化学専攻の学生は生命を機械・エネルギーの観点から観ることにそれぞれ注意する。また,生命倫理の観点から遺伝子に関わる技術について自分なりの意見を構築することを目標に,日々の生命科学関連のマスコミ報道等にも関心を持つことが大切である。ゲノム科学,生命科学に関するレポートと小論文の提出を求めるので,積極的に講義に取り組むこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
生命科学の基礎1 生命科学の基本用語 |
DNA,遺伝子,ゲノムの関係を説明できる。生物進化と生物多様性について説明できる。
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2週 |
生命科学の基礎1続き ウイルス、細菌と病気 |
ウイルス,原核生物,真核生物の違いを説明できる。インフルエンザの原因となるウイルスについて説明出来る。
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3週 |
生命科学の基礎2 タンパク質・酵素 |
生命体を作り上げている物質(タンパク質)の構造と生物の機能の関係について説明できる。(アルコールの代謝について)
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4週 |
生命科学の基礎2続き タンパク質・酵素 |
タンパク質の生合成について説明出来る。
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5週 |
生命科学の基礎3 生命現象と遺伝子 |
体細胞分裂,減数分裂,受精,胚発生,などの基本的な生命現象と遺伝子の関わりについて説明出来る。
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6週 |
生命科学の基礎3続き 生命現象と遺伝子 |
がんの原因と細胞のがん化について説明出来る。
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7週 |
生命科学の基礎4 遺伝子解析技術 |
基礎的な遺伝子解析の手法について説明出来る。(塩基配列解読とPCR)
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8週 |
生命科学の基礎4続き ゲノム解析とヒトゲノム |
ゲノム解析の歴史とヒトゲノムの概要を説明出来る。
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2ndQ |
9週 |
生命科学の基礎4続き 遺伝子多型 |
遺伝子の多型とDNA鑑定について説明出来る。
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10週 |
生命科学の基礎4続き DNA解析による人類の歴史 |
ミトコンドリアDNA、ゲノムDNA解析による人類の歴史について説明出来る。
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11週 |
初歩のバイオテクノロジー1 組換えDNA技術 |
初歩的な組換えDNA技術について説明出来る。
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12週 |
初歩のバイオテクノロジー2 微生物による物質生産 |
微生物によるインスリンの生産について説明出来る。
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13週 |
動物とヒトのバイオテクノロジー1 体細胞クローン動物 |
体細胞クローン生物の作成方法と遺伝子の初期化について説明出来る。
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14週 |
動物とヒトのバイオテクノロジー2 ES細胞とiPS細胞 |
ES細胞とiPS細胞の作成方法とその応用について説明出来る。
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15週 |
期末テスト |
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16週 |
期末テストの返却と解説 生命科学の倫理的問題について |
生命科学の倫理的問題について認識でき、自分なりの意見を構築する事ができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 5 | |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 5 | |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 5 | |
細胞周期について説明できる。 | 5 | |
分化について説明できる。 | 5 | |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 5 | |
生物化学 | ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 5 | |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 5 | |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 5 | |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 5 | |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 5 | |
生物工学 | 遺伝子組換え技術の原理について理解している。 | 5 | |
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。 | 5 | |
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。 | 5 | |
遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる。 | 5 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 課題提出 | 質問票の提出 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 10 | 10 | 10 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 0 | 5 | 5 | 0 | 0 | 30 |
専門的能力 | 50 | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 5 | 0 | 5 | 0 | 0 | 10 |