メカニズム概論

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 メカニズム概論
科目番号 066 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 システム制御情報工学科(2021年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材
新機械設計(実教出版) / 機械製図(実教出版) / プリント(参考資料および演習問題)
担当教員 三井 聡,大柏 哲治

到達目標

1. 滑り軸受、転がり軸受の構造と種類、寿命を説明できる。
2. 細幅Vベルトの基礎事項について説明でき,強度計算,設計ができる。
3. 歯車の種類、特徴、歯形曲線、歯車の基礎事項、速度伝達比、歯の作用、寸法、転位、歯車列、変速歯車装置を理解し、説明できる。速度伝達比を計算できる。
4. 遊星歯車装置の構造を説明でき、速度伝達率、各歯車の回転速度を計算できる。.
5. 四節回転機構を取り上げ,その機能と特徴を正確に説明できる。リンク機構の速度等を正確に求めることができる。
6. すべりこクランク機構を取り上げ,その機能と特徴を正確に説明できる。機構の速度等を正確に求めることができる。
7. カム線図の作図法および板カムの輪郭の求め方を学び,板カムの輪郭を正確に描ける。
8. 簡単な機械要素の運動および仕事の計算が正確にできる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 滑り軸受、転がり軸受の構造と種類、寿命を説明できる。 滑り軸受、転がり軸受の構造と種類、寿命を正しく説明できる。滑り軸受、転がり軸受の構造と種類、寿命を説明できる。滑り軸受、転がり軸受の構造と種類、寿命を説明できない。
評価項目2 細幅Vベルトの基礎事項について説明でき,強度計算,設計ができる。細幅Vベルトの基礎事項について正しく説明でき,強度計算,設計ができる。細幅Vベルトの基礎事項について説明でき,強度計算,設計ができる。細幅Vベルトの基礎事項について説明できず,強度計算,設計ができない。
評価項目3 歯車の種類、特徴、歯形曲線、歯車の基礎事項、速度伝達比、歯の作用、寸法、転位、歯車列、変速歯車装置について説明でき、速度伝達比を計算できる。 歯車の種類、特徴、歯形曲線、歯車の基礎事項、速度伝達比、歯の作用、寸法、転位、歯車列、変速歯車装置について正しく説明でき、速度伝達比を計算できる。 歯車の種類、特徴、歯形曲線、歯車の基礎事項、速度伝達比、歯の作用、寸法、転位、歯車列、変速歯車装置を理解し、説明でき、速度伝達比を計算できる。歯車の種類、特徴、歯形曲線、歯車の基礎事項、速度伝達比、歯の作用、寸法、転位、歯車列、変速歯車装置を理解し、説明できず、速度伝達比を計算できない。
評価項目4 遊星歯車装置の構造を説明でき、速度伝達率、各歯車の回転速度を計算できる。遊星歯車装置の構造を正しく説明でき、速度伝達率、各歯車の回転速度を正しく計算できる。遊星歯車装置の構造を説明でき、速度伝達率、各歯車の回転速度を計算できる。遊星歯車装置の構造を説明できず速度伝達率、各歯車の回転速度を計算できない。
評価項目5 四節回転機構を取り上げ,その機能と特徴を正確に説明できる.リンク機構の速度等を求めることがでできる。四節回転機構を取り上げ,その機能と特徴を正確に説明できる.リンク機構の速度等を正確に求めることができる.四節回転機構を取り上げ,その機能と特徴を正確に説明できる.リンク機構の速度等を求めることができる.四節回転機構を取り上げ,その機能と特徴を説明できない.リンク機構の速度等を正確に求めることができない.
評価項目6 すべりこクランク機構を取り上げ,その機能と特徴を正確に説明できる.機構の速度等を求めることができる.すべりこクランク機構を取り上げ,その機能と特徴を正確に説明できる.機構の速度等を正確に求めることができる.すべりこクランク機構を取り上げ,その機能と特徴を説明できる.機構の速度等を求めることができる.すべりこクランク機構を取り上げ,その機能と特徴を説明できない.機構の速度等を求めることができない.
評価項目7 カム線図の作図法および板カムの輪郭の求め方を学び,板カムの輪郭を描ける.カム線図の作図法および板カムの輪郭の求め方を学び,板カムの輪郭を正確に描ける.カム線図の作図法および板カムの輪郭の求め方を学び,板カムの輪郭を描ける.カム線図の作図法および板カムの輪郭の求め方を学び,板カムの輪郭を描くことができない.
評価項目8 簡単な機械要素の運動および仕事の計算ができる.簡単な機械要素の運動および仕事の計算が正確にできる.簡単な機械要素の運動および仕事の計算ができる.簡単な機械要素の運動および仕事の計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
学習・教育到達度目標 システム制御情報工学科の教育目標 ③
学習・教育到達度目標 本科の教育目標 ③
授業の進め方・方法:
滑り軸受、転がり軸受の構造と種類、寿命を説明できる. 細幅Vベルトの基礎事項について説明でき,強度計算,設計ができる. 歯車の種類、特徴、歯形曲線、歯車の基礎事項、速度伝達比、歯の作用、寸法、転位、歯車列、変速歯車装置を理解し、説明できる。速度伝達比を計算できる. 遊星歯車装置の構造を説明でき、速度伝達率、各歯車の回転速度を計算できる.
リンク機構,カム機構ならびに簡単な機械要素の基礎事項を学び,ロボットの機械要素に関する知識を習得する.学んだ内容の理解を確認するために課題を課すので,翌週の授業までに提出すること.
注意点:
・総時間数45時間(自学自習30時間)
・自学自習時間(30時間)ついては,日常の授業(15時間)のための予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.
・単に公式を丸暗記するのではなく,公式の背後にある理論と公式導入の過程を大事に学習する。剛体の運動学とリンク機構の基礎を確実に身につけ,さらに高く深い内容について独力で学べる土台を造ることに留意する。
・前期の16,17回目の授業については,補講日または時間割空き時間に実施する

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベルト伝動 ベルト伝動の種類、特徴を理解できる。Vベルト伝動の軸間距離、回転比を説明できる。
2週 ベルト伝動 Vベルト伝動のベルト長さ、巻き掛け角を説明でき計算できる。回転速度、回転比を求めることができる。
3週 ベルト伝動 標準Vベルト、細幅Vベルトの基礎事項について説明できる。Vベルト使用上の留意点を説明できる。設計動力、過負荷係数を求めることができる。Vプーリの呼び外径、Vベルト長さ、軸間距離を計算できる。
4週 ベルト伝動 細幅Vベルトの張力と伝達動力を計算でき、細幅Vベルト、Vプーリの設計問題を解くことができる。
5週 歯車の種類と歯の大きさ 歯車の種類を説明できる。
6週 歯型曲線と歯の大きさ インボリュート曲線について説明できる。角速度比について説明できる。歯車の角速度比、モジュール、基礎円ピッチについて説明できる。
7週 歯車各部の名称と歯車の速度伝達比 歯車各部の名称を説明できる。基礎円とピッチ円の関係を説明できる。歯車の速度伝達比について説明できる。例題を解くことができる。
8週 前期中間試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
2ndQ
9週 標準平歯車 試験を返却し解答を確認する。
標準平歯車、基準ラックの各部名称、各部寸法を説明でき計算できる。
10週 かみ合い率、歯の干渉と切り下げ
歯車のかみ合い率と歯の干渉と切り下げについて説明できる。
11週 転位歯車
歯の強度
転位歯車、転位量について説明できる。
歯の強度について説明できる。
12週 歯車伝動装置
遊星歯車装置
歯車伝動装置の機構と速度伝達比について説明でき、計算できる。
13週 遊星歯車装置
滑り軸受と転がり軸受の違い、転がり軸受の種類と用途
遊星歯車装置の機構を説明できる。また速度伝達比を計算できる。滑り軸受と転がり軸受の違い、転がり軸受の種類と用途について説明できる。
14週 転がり軸受 基本定格寿命について説明できる。
基本動定格荷重について説明できる。基本定格寿命を計算できる。
15週 転がり軸受 基本定格寿命について説明できる。
基本動定格荷重について説明できる。基本定格寿命を計算できる。
16週 前期末試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
後期
3rdQ
1週
1. リンク機構 
(1) リンク機構
固定連鎖,限定連鎖および不限定連鎖について説明できる.
2週
(2) てこクランク機構
てこクランク機構が成立するリンク寸法の条件が計算できる.
3週 (3) てこクランク機構とクランク角 てこクランク機構のてことクランク角の関係が説明できる.
4週 (4) てこクランク機構とクランク角速度、加速度 てこクランク機構の速度および加速度を求めることができる.
5週 (5) 両クランク機構とクランク角度 両クランク機構の2つのクランクの角度の関係が説明できる.
6週 (2)両てこ機構と揺動角 両てこ機構の搖動角を計算できる.
7週 (3) 瞬間中心 リンクが平面運動するときの瞬間中心を求めることができる.
8週 後期中間試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.
4thQ
9週 (4)すべりこクランク機構 試験を返却し解答を確認する。
往復スライダクランク機構の速度および加速度を求めることができる.
10週 2. カム機構 (1) カムの種類 平面カム,立体カムを説明することができる.
11週 (2) 板カム 変位線図からカムの輪郭を描くことができる.
12週 3. 機械に働く力 モーメント、重心を説明できる.
13週 4. 機械の運動 速度、加速度、遠心力を説明できる.
14週 5. 機械の摩擦
すべり摩擦の意味を理解し,摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる.
摩擦ブレーキの計算ができる。
15週 5. 簡単な機械要素の仕事 てこ,滑車ならびに斜面上に移動する物体の仕事が計算できる.
16週 学年末試験 これまで学んだ内容について,試験で確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。2
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。2
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。2
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。2

評価割合

試験課題態度合計
総合評価割合80182100
基礎的能力80182100
専門的能力0000
分野横断的能力0000