工作実習Ⅲ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工作実習Ⅲ
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材  書名:機械工作要論     著者:大西久治ほか     発行所:理工学社
担当教員 野呂 秀太,高橋 学

到達目標

 各種工作法の技能及び技術を習得するとともに、技術者として望ましい態度や習慣を身に付けることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1指定課題の完成。工作法の技能及び技術を習得した。自己による加工精度向上・創意工夫が見られた。指定課題の製作。各種工作法の技能及び技術を習得した。指定課題を完成できなかった。作業における安全意識の欠如がある。
評価項目2実習レポートを期日までに提出。各分科において指示された項目を満たしており、その内容が優れている.実習レポートを提出。各分科による実施内容を記述している。実習レポート未提出。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 機械工学に関する確かな基礎力を備えること。

教育方法等

概要:
 1,2学年で修得した知識と技術を応用して、数点の部品からなる製品を分担作業により製作し、加工手順・組立手順について修得する。実習は、MC機械、試作1、ホブ盤、試作2の4つの分科と総合実習を行う。MC機械はマシニングセンタと3D-CAD/CAMによる創作模型、試作1はラボラトリージャッキ、ホブ盤は歯車、試作2は卓上万力を製作する。総合実習は設計製図で設計・作図した模型スターリングエンジンカーを分担作業により製作し、検査・組立・性能試験及び競技会を実施する。
 実習を通して、図面に即した加工法の選択、段取りが円滑に行えることを目標とし、図面と製作との整合性の検証ができること。また機械の使用法と加工技術を修得し、加工技術を機械製図に活かし、将来の技術者として自覚を養う。
授業の進め方・方法:
シラバスを見て事前学習し、ノート、教科書を参考に復習をすること。
注意点:
参考書は関連図書を図書館に多く揃えてある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 MC機械 (CAMの基本操作) [加藤] 【創作模型の製作】
CAMシステムの基本機能、操作演習
2週 MC機械 (CAM製図) CAMシステムを利用した課題の作図
3週 MC機械 (データ変換) CAMシステムを利用した課題のNCデータ変換作業
4週 MC機械 (シミュレーション) NCデータのチェック及びシミュレーション作業
5週 MC機械 (NC機械加工) マシニングセンタによる加工
6週 試作1 (機械加工) [菅原] 【ラボジャッキの製作】
製作部品の分担、材料切断作業
7週 試作1 (機械加工) 旋盤、フライス盤、ボール盤、手仕上げによる部品加工
8週 試作1 (機械加工) 旋盤、フライス盤、ボール盤、手仕上げによる部品加工
2ndQ
9週 試作1 (組み立て) 製作した部品の組み立て、調整
10週 試作1 (性能試験) 試作品と市販品の上昇トルク測定
11週 ホブ盤 (機械加工) [青木] 【平歯車、はすば歯車の製作】
旋盤による端面削り、穴あけ
12週 ホブ盤 (機械加工) 旋盤による外丸削り、面取り
13週 ホブ盤 (機械加工) ホブ盤の基本操作、歯切り
14週 ホブ盤 (機械加工) 歯車変速機構モデルの部品製作
15週 ホブ盤 (性能試験) 組立、調整、性能試験
16週 復習 MC機械、試作1、ホブ盤について理解を深める
後期
3rdQ
1週 試作2 (機械加工) [高橋(裕)] 【卓上万力の製作】
製作部品の分担、旋盤、フライス盤による部品加工
2週 試作2 (機械加工) 旋盤、フライス盤による部品加工
3週 試作2 (機械加工) 旋盤、フライス盤による部品加工
4週 試作2 (機械加工) 旋盤、ボール盤、手仕上げによる部品加工
5週 試作2 (組み立て) 製作した部品の組み立て、調整
6週 校外研修 地元企業での工場見学
7週 総合実習 (機械加工) 【模型スターリングエンジンカーの製作】
 各自が設計した図面から班で1台を選出し、製作部品を分担する。
 旋盤、フライス盤、NC機械、ボール盤による機械加工及び手仕上げにより担当部品を4回にわたり加工する。
部品加工 1回目 
8週 総合実習 (機械加工) 部品加工 2回目
4thQ
9週 総合実習 (機械加工) 部品加工 3回目
10週 総合実習 (機械加工) 部品加工 4回目
11週 総合実習 (組み立て) 形状測定、組み立て、調整、試運転
12週 総合実習 (性能試験) 調整、試運転、性能試験
13週 総合実習 (走行試験) 走行試験及び調整
14週 総合実習 (走行試験) 走行試験及び調整
15週 総合実習 (競技会) 競技会
16週 総復習 工作実習の理解を深める

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4前1,前7
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4前7
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4前7
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4前7
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4前7
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4前7
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3後16
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3後16
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3後16
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前1,後16
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前1
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4前1
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4前6
やすりを用いて平面仕上げができる。4前6
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4前6
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。4前6
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。4前6
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。4前6
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。4前6
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。4前6
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。4前1,前2,前3,前5
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。4前2,前3,前5
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3前5,前10,前16,後5,後15

評価割合

レポート作品機械操作態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合401045500100
基礎的能力1341550037
専門的能力1331500031
分野横断的能力1431500032