解析学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 解析学
科目番号 0169 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 書名: 新訂 応用数学  著者: 碓永久他   発行所: 大日本図書
担当教員 永弘 進一郎

到達目標

この授業では、以下のことを身につける:
複素変数の基本的な四則計算。極形式を用いた複素数の扱い。複素関数の

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
留数の計算が出来る。教員の助言無しに出来る教員の助言があれば出来る教員の助言があってもできない
留数定理を定積分へ応用できる。教員の助言無しに出来る教員の助言があれば出来る教員の助言があってもできない
初等関数の定義域を複素数に拡張して計算できる教員の助言無しに出来る教員の助言があれば出来る教員の助言があってもできない

学科の到達目標項目との関係

学科到達目標 1  機械工学に関する確かな基礎力を備えること。
学科到達目標 2  未来社会を担う電気・材料分野を融合した新機械工学分野に対する応用力を備えること。
学校教育目標 2 創造的で高度な実践的技術者の養成

教育方法等

概要:
この授業では、複素関数論の講義を行う。エンジニアにとって材料の設計や分析・解析時に必要となる数学的解法を身につける。
授業の進め方・方法:
中問・期末試験、授業中に行う演習、レボートで総合的に評価する。
注意点:
毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと。毎回の授業後には指定された演習問題を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 導入ー虚数は「虚な数」ではない 虚数の導入。複素数を回転させる。極形式からオイラーの公式を導出。加法定理の再導出。
2週 z=exp(iθ)を使って方程式を計算しよう 複素数の足し算、かけ算を再確認。単純な代数方程式の根を極形式をつかって求める。
3週 演習の時間1 複素数基本的な計算についての演習問題を行う
4週 zが変数だと、初等関数は姿を変える。その1 sin(z)は、指数関数である。exp(z)は三角関数である。えーっ?
zのべき乗は二つ以上の値を持つ、log(z)は無限個の値を持つ。
5週 zが変数だと、初等関数は姿を変える。その2 三次元世界の我々には、複素関数の姿は理解できないのか?何か方法は無いのか?
6週 いよいよ複素関数を微分しよう。複素数で微分するとはどういうことか? そもそも、「微分が可能」とはどういうことか?「東西方向の微分」と「南北方向の微分」、そしてコーシー・リーマン関係式へ。
7週 演習の時間2 極形式、方程式の根を求める、複素関数の解析性をコーシー・リーマン関係式を用いて調べる演習をおこなう
8週 複素関数の積分1:曲線に沿って積分する 実数関数の積分との本質的な違いとは?二次元の平面上の曲線に沿った積分を理解する。線積分の基本的な性質。円と直線経路の表し方。
4thQ
9週 複素関数の積分2:具体的に計算してみよう 単純な例を用いて、積分を計算してみる。定積分の計算のように、始点と終点が同じで、経路が異なる積分の値は異なるのか?
10週 複素関数の積分3:周回積分はなぜ重要か? 周回積分の値が意味することは?コーシーの積分定理とは?
11週 コーシーの積分公式
12週 級数展開
13週 留数定理
14週 実関数の定積分1
15週 実関数の定積分2
16週 実関数の定積分3

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3後3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
導関数の定義を理解している。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
微積分の基本定理を理解している。3
定積分の基本的な計算ができる。3
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
2重積分を累次積分になおして計算することができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後1
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000