1. 光の反射・屈折の法則、レンズによる結像の仕組みを説明できる。実像や虚像の位置・倍率を作図やレンズの式を用いて示すことができる。
2. 直線上を伝わる波(正弦波)において、波の基本式、正弦波の数学的表現、横波・縦波、重ね合わせ、反射などについて説明できる。
3. 平面・空間を伝わる波において、ホイヘンスの原理、波の干渉・反射・屈折について説明できる。
4. 音波において、その性質、反射と屈折、回折と干渉、うなり、弦や気柱の固有振動、共振と共鳴、ドップラー効果について説明できる。
5. 光の性質、さまざまな光学機器や薄膜で起こる光の回折と干渉、自然界における光学現象、人工的に作られる光について説明できる。
概要:
理工学分野の基礎となる物理学の中で,光学を含む波動について学ぶ。
自然現象の観察/観測から導かれた法則を理解し、基本問題・応用問題に取り組みながら、波動に関する知識を習得し問題解決能力を養う。
授業の進め方・方法:
授業は主に講義形式で行う。
後期に波動(音波)に関する実験(気柱共鳴)を実施し、実験レポートの提出を課す。
平常点評価のために小テストや演習の実施、課題レポートなどを課す場合がある。授業ノートの確認を行う場合もある。
講義/実験/試験 には関数電卓を使用する場合がある。
注意点:
【評価方法】
学年末での総合評価は、年間4回の到達度試験80%、年間を通した平常点(レポート等)20%の割合で評価する。
合格点は 総合評価 において50点である。
再試験を実施する予定はない。
前期末時点での評価は、前期2回の到達度試験80%、前期分の平常点(レポート等)20%の割合で評価する。
前期中間・後期中間時点での評価は各々の到達度試験の得点とする。
【受講上の注意】
応用物理Iでは、これまで学習した物理Iや数学の内容も用いるので、各自、自学自習による復習が必要となる。
各回の授業の内容が理解できなかったり問題が自力で解けなかった場合は、友人・先輩、担当教員や関連科目の教員などに質問し、速やかに問題解決を図るのが重要である。
課されたレポートやノートなどの提出がないと単位取得が困難となる場合がある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業のガイダンス 1. 光の進み方:1-1 光の速さ, 1-2 光の反射 |
授業の進め方と評価の仕方について説明する。 歴史的な光速の測定方法、光の反射現象における反射の法則を説明できる。
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2週 |
1-3. 光の屈折 |
光の屈折現象における屈折角、屈折率、屈折の法則を説明できる。
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3週 |
1-4. 光の全反射, 1-5. レンズ (1)レンズの焦点 |
光の全反射、全反射を起こす臨界角と屈折率との関係を説明できる。 凸レンズ、凹レンズでの光の屈折、焦点、焦点距離を説明できる。
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4週 |
1-5. レンズ (2)凸レンズによる実像, 1-5. レンズ (3)凸レンズによる虚像 |
実像・虚像の区別ができる。凸レンズによって生じる像と、像ができる位置、倍率を作図やレンズの式を用いて求めることができる。
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5週 |
1-5. レンズ (4)凹レンズによる虚像, 1-5. レンズ (5)レンズの式 |
凹レンズによって生じる像と、像ができる位置、倍率を作図やレンズの式を用いて求めることができる。 レンズの式を凸レンズ・凹レンズ、虚像・実像、それぞれの場合に適用できる。
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6週 |
1-6. 眼と光学機器, 2. 直線上を伝わる波:2-1. 波とは, 2-2. 波の基本式 |
眼の構造と光学的に重要な部位の機能を説明できる。顕微鏡で拡大像を得る仕組みを説明できる。 波長・周期・振動数・波の速さなど波の特徴を表す基本的な量と波の基本式を説明できる。
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7週 |
到達度試験(前期中間) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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8週 |
試験の解説と解答, 2-3. 正弦波 |
到達度試験の解答を確認し解説により理解を深める。 正弦波の式を理解し、振幅、周期、波長、初期位相などの波の諸量を式から導出できる。
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2ndQ |
9週 |
2-4. 横波と縦波, 2-5. 直線上を伝わる波の重ね合わせ |
横波と縦波、それぞれにおける媒質の振動方向の違いを説明できる。 波の干渉、合成波、重ね合わせの原理、波の独立性について説明できる。
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10週 |
2-6. 直線上を伝わる波の反射による位相の変化 |
自由端、固定端、それぞれにおける波の反射と、入射波と反射波から作られる合成波を説明できる。
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11週 |
2-7. 定常波, 3. 平面や空間を伝わる波: 3-1. 波面とホイヘンスの原理 |
重ね合わせの原理と波の進行の様子から,定常波がどのように作られ変化するかを説明できる。 ホイヘンスの原理を説明できる。
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12週 |
3-2. 平面・空間を伝わる波の干渉, 3-3. 波の回折 |
水面波などにおける波の干渉条件を説明できる。 波の回折現象を説明できる。
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13週 |
3-4. 波の反射, 3-5. 波の屈折 |
ホイヘンスの原理から反射の法則を説明できる。 ホイヘンスの原理から相対屈折率と屈折の法則を説明できる。
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14週 |
3-6. 波の全反射 |
全反射と臨界角を説明できる。
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15週 |
到達度試験 (前期末) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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16週 |
試験の解説と解答 |
到達度試験の解答を確認し解説により理解を深める。 授業アンケートに回答する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
4. 音波: 4-1. 音の発生, 4-2. 音の速さ, 4-3. 音の三要素 |
音が縦波であること,および音の速さの特性を説明できる。 音の三要素(音の高さ、音の強さ、音色)とは何かを説明できる。
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2週 |
4-4. 音波の反射と屈折, 4-5. 音波の回折と干渉, 4-6. うなり |
音波の反射や屈折、回折や干渉現象を説明できる。うなりが発生する理由やうなりの式を説明できる。
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3週 |
4-7. 発音体の固有振動 (1)弦の固有振動 |
弦の固有振動を理解し、基本振動、倍振動、これらの振動数などを求めることができる。
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4週 |
4-7. 発音体の固有振動 (2)気柱の固有振動, 4-8. 共振と共鳴 |
気柱の固有振動を理解し、基本振動、倍振動、これらの振動数などを求めることができる。気柱共鳴での開口端補正を説明できる。 振り子の共振や、おんさの共鳴現象を説明できる。
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5週 |
実験: おんさの振動数の測定 |
気柱共鳴の実験により、おんさの振動数を測定する。
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6週 |
4-9. ドップラー効果 |
ドップラー効果がどのようにして起こるかを説明できる。ドップラー効果の式を用いて問題を解くことができる。
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7週 |
到達度試験 (後期中間) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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8週 |
試験の解説と解答, 5.光波:5-1. 光とは |
到達度試験の解答を確認し解説により理解を深める。 可視光線、光の色と波長の関係、光のスペクトルについて説明できる。屈折の法則を光についても適用できる。
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4thQ |
9週 |
5-2. 光の回折と干渉 (1)光路長、(2)反射による光の位相の変化 |
光路長・光路差を説明できる。光の反射による位相の変化を説明できる。
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10週 |
5-2. 光の回折と干渉 (3)ヤングの実験 |
ヤングの実験において光の干渉条件を説明できる。
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11週 |
5-2. 光の回折と干渉 (4)回折格子
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回折格子における回折光の干渉を説明できる。
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12週 |
5-2. 光の回折と干渉 (5)薄膜による光の干渉 |
薄膜による光の干渉を説明できる。
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13週 |
5-2. 光の回折と干渉 (6)ニュートンリング, 5-3. 偏光
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ニュートンリングが発現する理由を説明できる。 自然光と偏光の違いを説明できる。
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14週 |
5-4. 光の分散とスペクトル, 5-5. 光の散乱, 5-6. レーザー |
光の分散、分光器で得られる光のスペクトルを説明できる。光の散乱を説明できる。レーザー光について説明できる。
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15週 |
到達度試験 (後期末) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
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16週 |
試験の解説と解答 |
到達度試験の解答を確認し解説により理解を深める。 本授業をまとめる。授業アンケートに回答する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 2 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 2 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 2 | |
波の独立性について説明できる。 | 2 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 2 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 2 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 2 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 2 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 2 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 2 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 2 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 2 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 2 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 2 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 2 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 2 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 2 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 2 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 2 | |