電子材料基礎Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子材料基礎Ⅰ
科目番号 0041 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子メディア工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 量子論:小出昭一郎:裳華房:ISBN4-7853-2131-8 C3042
担当教員 渡邉 直寛

到達目標

□量子論的な考え方を理解できる。
□電子の運動がどのように記述されるか、理解できる。
□不確定性原理を理解できる。
□シュレディンガー方程式を記述できる。
□多電子を持つ原子の基礎的性質を理解できる。
□固体、特に半導体・磁性体の電子状態を理解できる。
□電子材料の物理的性質がどのよう発現するか概略を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1不確定性原理、およびシュレディンガー方程式を十分理解し、説明できる。不確定性原理、およびシュレディンガー方程式を理解し、説明できる。不確定性原理、およびシュレディンガー方程式を理解していない。
評価項目2水素原子内電子のシュレディンガー方程式と解をよく理解し、十分説明できる。水素原子内電子のシュレディンガー方程式と解を理解し、説明できる。水素原子内電子のシュレディンガー方程式と解を理解できず説明できない。
評価項目3固体(金属、半導体、絶縁体)の電子状態をよく理解できる固体(金属、半導体、絶縁体)の電子状態を理解できる固体(金属、半導体、絶縁体)の電子状態が理解できない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
通常の授業形態を採り、それぞれの単元で復習を行う。
授業の進め方・方法:
以下のように授業・学習を進める。
(a)量子力学特有の概念を把握できるように学習する。
(b)原子内電子の振る舞いを理解できるよう学習する。
(c)結晶内電子(多電子系)の取り扱い方について概略を把握する。
(d)半導体・磁性体などについて、その物性を定性的に理解する。
注意点:
量子力学は初学者には難しい概念を含むが、理工系技術の基盤をなす必須の概念である。これを把握するために、授業でやった内容は必ず復習しておいてほしい。また、予習をやっておくことが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション
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量子力学の誕生
電子材料内部に於ける電子の運動と量子力学の学習内容を理解できる
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プランクの量子仮説とアインシュタインの光量子論を理解できる
2週 前期量子論
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不確定性原理
物質波と古典的粒子との関係について理解できる
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ハイゼンベルグの不確定性原理について、その概略を理解できる
3週 波動
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波動関数
「波」の数学的な取り扱い方を理解できる
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波の性質を持った関数について、その性質を理解できる
4週 シュレディンガー方程式1
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シュレディンガー方程式2
シュレディンガーの波動方程式とその物理的意味を理解できる
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波動関数と、その物理的意味を把握できる
5週 古典力学との対応
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箱の中の自由粒子1
量子論と古典力学との対応関係について理解できる
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定常状態の波動関数の例として箱の中の自由粒子を例にとり、量子的効果を理解できる
6週 箱の中の自由粒子2
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調和振動子
境界条件が異なる場合を理解できる
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波動方程式の厳密解の例を理解できる
7週 水素原子1
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水素原子2
水素原子中の電子について、波動方程式を解く。数回にわたり、解の性質を理解する。
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水素原子中の電子について、波動方程式を解く2
8週 中間試験
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水素原子3

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水素原子中の電子について、波動方程式を解く3
2ndQ
9週 水素原子4
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一般の原子
得られた解の物理的解釈ができる
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原子内電子の解:多電子系の取り扱い方を理解できる
10週 固有値と期待値1
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固有値と期待値2
物理量の固有値と期待値・不確定性との関係について理解できる
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崩れる波束、崩れない波束の例、群速度と位相速度を理解できる
11週 スピン
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電子配置
ゼーマン効果と、「もう一つの量子数」スピンの存在を理解できる
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一般の原子内電子について、電子配置について理解できる
12週 周期律表
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結晶
化学的性質と周期律表について理解できる
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原子同士の結合の原因、結合の種類について理解できる
13週 バンド構造1
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バンド構造2
バンド構造の成因について(ブラッグの反射)理解できる
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バンド構造と電気伝導度を理解できる
14週 バンド構造3
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半導体1
バンド構造からみた金属・半導体・絶縁体の性質を理解できる
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半導体の種類と真性半導体を理解できる
15週 半導体2
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磁性体と誘電体
p型、n型半導体の成因を理解できる
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磁性体や誘電体とその応用を理解できる
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力400000040
専門的能力500000050
分野横断的能力100000010