電子工学I

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電子工学I
科目番号 d0230 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自作テキスト
担当教員 岡本 峰基,鈴木 聡

到達目標

1.古典力学を用いて電子の振る舞いを説明できる。
2.量子力学的な扱いで電子の振る舞いや光の性質を説明できる。
3.金属中の電子の運動を説明し、移動度や導電率の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
古典力学的な電子の振る舞い電界や磁界中の電子の運動を運動方程式を用いて求めることができる。電界や磁界中の電子の運動を力学と電磁気学の公式を用いて説明できる。電界や磁界中の電子の運動を古典力学を用いて説明できない。
量子力学の基礎電子の振る舞いや光の性質を量子力学を用いて説明できる。電子の振る舞いや光の性質に関する量子力学の基礎を理解できる。電子の振る舞いや光の性質に関する量子力学の基礎を理解できない。
金属中の電子の運動金属中の電子の振る舞いを古典力学を用いて説明できる。金属中の電子の振る舞いを古典力学を用いて理解できる。金属中の電子の振る舞いを古典力学を用いて理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程 2(2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電子工学Ⅰでは、古典力学的な電子の運動、量子力学の基礎、金属の導電機構の学習を行う。
授業の進め方・方法:
 授業方法は講義を中心として進め、適宜演習を行う。最初の古典的な電子の運動の取り扱いでは、2学年までに学習した力学と電磁気学が基礎となるので、必要に応じてこれらの復習も行う。また、定期試験前に課題の提出を求める。
注意点:
 電子の話は目に見えないミクロの世界であるから、直観的に理解しにくい。したがって各自で電子に対するイメージを頭の中に描けるようにすることが大切である。また、電子の質量で代表されるような非常に小さい数から、電子の個数のように非常に大きな数までを扱うので、その取り扱いに慣れておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスおよび必要な知識の確認 授業の目標や進め方、必要な知識、成績評価の方法について理解する。
2週 真空中の電子の運動1 電子の運動を考える上で必要な電磁気学と力学の知識を理解する。
3週 真空中の電子の運動2 電界中での電子の運動を理解する。
4週 真空中の電子の運動3 磁界中での電子の運動を理解する。
5週 電子放出 金属からの熱電子放出、光電子放出、二次電子放出、電界放出を理解する。
6週 波の性質 量子力学の基礎を学習するための基礎知識として、波長と周波数の関係および干渉や回折などの波の性質を理解する。
7週 黒体放射 量子力学の誕生につながった黒体放射を学習することにより、エネルギの量子化を理解する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 光電効果 光電効果の実験結果より光の粒子性を理解する。
10週 物質波 ド・ブロイの理論により物質の波動性を理解する。
11週 気体放電 気体放電による発光のスペクトルが離散的であることを理解する。
12週 原子内の電子1 ボーアの仮説から原子のエネルギが量子化されることを定性的に理解する。
13週 原子内の電子2 定量的な取り扱いにより、ボーアの仮説が正しいことを理解する。
14週 金属中の電子の運動1 古典的な金属中の電子の運動と移動度を理解する。
15週 金属中の電子の運動2 古典的な金属中の電子の取り扱いからオームの法則の理論的導出や導電率の計算を理解する。
16週 前期定期試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力3000010040
専門的能力5000010060
分野横断的能力0000000