概要:
空海に関する様々な漢文テクストを読解し、当時の歴史なども視野に入れて、現代への合わせ鏡としての「空海の思想」に対して自分の意見を持つことを目標とする。空海の残した漢文を読み解くことによって、ものの捉え方、感じ方、考え方を深め、ぜひ自らの問いを発見してほしい。
授業の進め方・方法:
①授業内容はしっかりとメモを取ること。
②授業のなかで課題を提示し、小レポートを課す。小レポートは成績に反映されるので、未提出がないように気をつけること。また質問があれば、ささいなことでも必ず書くこと。
③小レポートの講評と解説、質問への回答も行うので、小レポートには積極的に取り組むこと。
④中間試験は行わず、前期期末にレポートを課す。
注意点:
授業内容を通して、自分自身の振り返りをしてほしいと考える。漢文の学習からは離れるが、そのための作文方法等にも随時触れる。なお、欠課時数が1/3を超えた場合は基本的に年度内再評価は認めない。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
授業の進め方、レポートの取り組み方等を把握する。
|
2週 |
「山中に何の楽しびか有る」 を読む。 |
空海の思想(密教)の基礎に触れ、要点を理解できる。(MCC)
|
3週 |
「徒に玉を懐く」 を読む。 |
空海の思想(密教)の基礎に触れ、要点を自分の言葉で述べることができる。(MCC)
|
4週 |
「大唐神都青竜寺故三朝の国師灌頂の阿闍梨恵果和尚の碑」を読む。(1) |
空海が師と仰いだ恵果への追悼文を読み、要点を理解できる。(MCC)
|
5週 |
「大唐神都青竜寺故三朝の国師灌頂の阿闍梨恵果和尚の碑」を読む。(2) |
空海が師と仰いだ恵果への追悼文を読み、要点を自分の言葉で述べることができる。(MCC)
|
6週 |
「中寿感興の詩 幷に序」を読む。 |
空海の詩の特徴を理解できる。(MCC)
|
7週 |
自分自身のありようを振り返り、「曼荼羅」を作成する。 |
自分自身の興味の広がりを「曼荼羅」として作成する(図解化する)。(MCC)
|
8週 |
振り返り(1) |
前回まで学んだ内容から、特に興味を持ったことに関して、800字程度の作文を書くことができる。(MCC)
|
2ndQ |
9週 |
「綜芸種智院の式 幷に序」を読む。(1) |
日本最古の庶民の学校「綜芸種智院」を開いた空海の言葉に触れ、すべての者が学ぶことの意義について理解できる。(MCC)
|
10週 |
「綜芸種智院の式 幷に序」を読む。(2) |
同上。読みを進めることができる。(MCC)
|
11週 |
「綜芸種智院の式 幷に序」を読む。(3) |
同上。読みを進めることができる。(MCC)
|
12週 |
「綜芸種智院の式 幷に序」を読む。(4) |
すべての者が学ぶことの意義について考えたことを、1200字程度の作文を書くことができる。(MCC)
|
13週 |
「筆を奉献する表」「東宮に筆を献ずる啓」(プリント)を読む。 |
テクノクラートでもあった空海の、理工系的文章を読み、その特徴を指摘できる。(MCC)
|
14週 |
「元興寺の僧中環が罪を赦されんことを請ふ表」を読む。 |
非寛容の現代から、為政者へ寛容を説く空海の論理に触れ、現代社会を捉えなおすことができる。(MCC)
|
15週 |
振り返り(2) |
前回まで学んだ内容から、特に興味を持ったことに関して、1600字程度のレポートにまとめることができる。(MCC)
|
16週 |
レポート作成 |
空海の思想について、前回の作業を継続し、レポートを完成させることができる。(MCC)
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | 前4,前5,前9,前10,前13,前14,前15 |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | 前4,前5,前8,前9,前10,前11,前12,前14,前15 |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | 前2,前3,前8,前15 |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | 前2,前3 |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | 前2,前3,前15 |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | 前11,前15 |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | 前2,前3,前9,前10,前11,前12,前15 |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | 前8,前12 |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | 前4,前5,前12,前16 |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | 前1,前7,前9,前10,前11,前12,前15,前16 |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | 前4,前5,前12,前14,前15,前16 |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | 前6,前7,前12,前14,前15,前16 |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | 前6,前12,前13,前14,前15,前16 |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | 前8,前12,前14,前15,前16 |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | 前8,前12,前14,前15,前16 |