この授業を通じて、熱力学的な見方・考え方を身につけ、自然現象を巨視的に捉えた議論ができる力を養う。物理IIIでは、次のような到達目標を設定する。
1. 有効数字の計算を正しく行うことができる。
2. 温度と気体分子運動の関係性を理解する。
3. 熱と仕事の関係性を学び、熱力学第一法則を理解する。
概要:
初めに、今後学んでいく物理学や実験に備えて有効数字の考え方を学ぶ。その後、熱や温度、比熱など熱力学の基本事項を理解し、気体の巨視的な性質を記述する状態方程式や熱力学第一法則を理解する。これらに関する基本的な計算ができるようになることが目標である。物理Iで学んだ力学とも関連づけながら、物質の微視的な性質と巨視的な性質の繋がりを知る。
授業の進め方・方法:
講義形式で行うとともに、1,2回程度の実験も行う。実験を行なった場合はレポートを作成し、講義内容に関しても簡単な課題を課すことがある。
注意点:
評価割合の項目別では、それぞれ次のような評価を行う。「試験」は中間試験・期末試験の成績である。「レポート」は、実験レポートや講義内容に関する課題の成績である。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 物理 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 前2,前13 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前3,前5 |
物体の熱容量と比熱に関する計算ができる。 | 3 | 前3,前5 |
熱量保存の法則を用いて、熱容量、比熱及び熱平衡後の物体の温度を求めることができる。 | 3 | 前3,前5 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積を求めることができる。 | 3 | 前4,前6,前7,前13 |
理想気体における分子の運動エネルギーと内部エネルギーの関係について説明できる。 | 3 | 前6,前7 |
熱力学第一法則を用いて、気体の状態変化(定積変化、定圧変化、等温変化、断熱変化)に関する計算ができる。 | 3 | 前9,前10,前11,前14 |
エネルギーには多くの形態があり、互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前2,前9 |
不可逆変化について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前12 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 前12 |
物理実験 | 物理実験 | 実験の目的及び原理を説明できる。 | 3 | 前5,前13 |
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(化学実験と共通) | 3 | 前5,前13 |
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(化学実験と共通) | 3 | 前5,前13 |
適切なグラフを作成し、実験データ間の最も確からしい関係を見出すことができる。 | 3 | 前5,前13 |
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(化学実験と共通) | 3 | 前1,前5,前13 |
実験結果から、物理現象の特徴や規則性を説明できる。 | 3 | 前5,前13 |
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(化学実験と共通) | 3 | 前5,前13 |