物理Ⅲ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 物理Ⅲ
科目番号 00560 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 高専テキストシリーズ物理下(森北出版)、物理 II 実験テキスト、セミナー物理基礎 +物理(第一学習社)
担当教員 高橋 幹弥

到達目標

この授業を通じて、熱力学的な見方・考え方を身につけ、自然現象を巨視的に捉えた議論ができる力を養う。物理IIIでは、次のような到達目標を設定する。
1. 有効数字の計算を正しく行うことができる。
2. 温度と気体分子運動の関係性を理解する。
3. 熱と仕事の関係性を学び、熱力学第一法則を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1問題文に注釈がなくても、常に有効数字を意識した計算を行うことができる。有効数字を意識しながら有効数字の計算を正しく行うことができる。問題文の注釈があれば、有効数字の計算を正しく行うことができる。有効数字の計算を正しく行うことができない。
評価項目2温度と気体分子運動の関係性を説明し、気体分子運動論から理想気体の状態方程式を導くことができる。これに関する基本的な計算ができる。温度と気体分子運動の関係性を説明し、気体分子運動論から理想気体の状態方程式が導かれる過程を理解することができる。これに関する基本的な計算ができる。温度と気体分子運動の関係性を説明し、理想気体の状態方程式に関する基本的な計算ができる。温度と気体分子運動の関係性を説明することができない。
評価項目3熱と仕事の関係性を理解し、熱力学第一法則を様々な状況に応用することができる。これに関する基本的な計算ができる。熱と仕事の関係性を説明し、熱力学第一法則として表すことができる。これに関する基本的な計算ができる。熱と仕事の関係性を説明し、熱力学第一法則を用いた基本的な計算ができる。熱と仕事の関係性を説明することができない。熱力学第一法則を理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
初めに、今後学んでいく物理学や実験に備えて有効数字の考え方を学ぶ。その後、熱や温度、比熱など熱力学の基本事項を理解し、気体の巨視的な性質を記述する状態方程式や熱力学第一法則を理解する。これらに関する基本的な計算ができるようになることが目標である。物理Iで学んだ力学とも関連づけながら、物質の微視的な性質と巨視的な性質の繋がりを知る。
授業の進め方・方法:
講義形式で行うとともに、1,2回程度の実験も行う。実験を行なった場合はレポートを作成し、講義内容に関しても簡単な課題を課すことがある。
注意点:
評価割合の項目別では、それぞれ次のような評価を行う。「試験」は中間試験・期末試験の成績である。「レポート」は、実験レポートや講義内容に関する課題の成績である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・有効数字の計算法 有効数字の計算を正しく行うことができる。
2週 温度と熱 セ氏温度と絶対温度の違いを理解し、熱がエネルギーのいち形態であることを理解できる。
3週 熱容量と比熱 熱容量と比熱を説明し、これに関する基本的な計算ができる。
4週 圧力・浮力,ボイルシャルルの法則 圧力・浮力を理解できる。ボイルシャルルの法則を説明できる。
5週 実験「比熱の測定」 比熱の測定法を理解し、物質ごとに比熱が異なることがわかる。
6週 気体分子運動と理想気体の状態方程式 気体分子の運動とボイルシャルルの法則の関係を理解できる。
7週 気体の内部エネルギーと仕事 物理Iで学んだ力学と対応づけながら、気体による仕事と熱量の関係を理解できる。
8週 前期中間試験 前期中間試験を行う。
2ndQ
9週 熱力学第一法則 前時での内容をもとに、熱力学第一法則を理解できる。
10週 気体の熱力学過程①(定圧・定積過程) 熱力学第一法則を定圧・定積条件下に適用できる。
11週 気体の熱力学過程②(等温・断熱過程) 熱力学第一法則を等温・断熱条件下に適用できる。
12週 熱力学の応用①(熱機関) 熱力学過程を熱機関に適用できる。
13週 実験「気体温度計」 気体温度計の原理を熱力学第一法則と関連づけて理解できる。
14週 熱力学の応用②(化学熱力学) 熱力学過程を化学変化・状態変化に適用できる。
15週 本科目のまとめ 本科目で学んだ内容を概観できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前2,前13
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前3,前5
物体の熱容量と比熱に関する計算ができる。3前3,前5
熱量保存の法則を用いて、熱容量、比熱及び熱平衡後の物体の温度を求めることができる。3前3,前5
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積を求めることができる。3前4,前6,前7,前13
理想気体における分子の運動エネルギーと内部エネルギーの関係について説明できる。3前6,前7
熱力学第一法則を用いて、気体の状態変化(定積変化、定圧変化、等温変化、断熱変化)に関する計算ができる。3前9,前10,前11,前14
エネルギーには多くの形態があり、互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前2,前9
不可逆変化について、具体例を挙げて説明できる。3前12
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3前12
物理実験物理実験実験の目的及び原理を説明できる。3前5,前13
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(化学実験と共通)3前5,前13
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(化学実験と共通)3前5,前13
適切なグラフを作成し、実験データ間の最も確からしい関係を見出すことができる。3前5,前13
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(化学実験と共通)3前1,前5,前13
実験結果から、物理現象の特徴や規則性を説明できる。3前5,前13
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(化学実験と共通)3前5,前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力75000025100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000