有機化合物の性質や有機反応を電荷の偏りや電子の流れで理解するために、芳香族化合物、立体化学、ハロゲン化アルキル、酸素あるいは硫黄を含む化合物の性質および反応性について学ぶ。
概要:
有機化学Ⅰでは、アルカン、アルケン、アルキンの性質や反応の機構を電荷の偏りや電子の流れで理解するために必要な基礎的な知識を学んだ。有機化学Ⅱでは、芳香族化合物、立体化学、ハロゲン化アルキル、酸素あるいは硫黄を含む化合物の性質および反応の機構を、電荷の偏りや電子の流れで理解するために必要な基礎的な知識を学ぶことを目的としている。電荷の偏りや電子の流れで性質や反応を理解できるようになれば、有機化学は暗記科目ではなくなる。
授業の進め方・方法:
この科目は、企業で有機機能性材料の研究開発を行っていた教員が、その経験を活かし、有機化合物の合成や物性について講義形式で授業を行うものである。学修単位科目であるので、事前・事後学習として、予習復習を行うこと。各定期試験までに教科書の2章分を講義する。講義の最初でも前回の講義内容についてもう一度話をするが、基礎科目は反復的な学習が重要なので自宅での復習を必ず行うこと。講義の中で教科書の重要な箇所には印をつけるように言うので、板書内容と併せて重点をおいて復習すると効率が良い。
注意点:
化学Ⅴと有機化学Ⅰで学んだことを良く復習して講義に臨むこと。有機化学Ⅱは基礎科目なので,理解できていない章がないようにすることが重要である。授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学修すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
芳香族化合物の共鳴構造,芳香族の命名法について学ぶ。 |
芳香族化合物の共鳴構造,芳香族の命名法について説明できる。
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2週 |
芳香族求電子置換反応について学ぶ。
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芳香族求電子置換反応について説明できる。
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3週 |
芳香族求電子置換反応における置換基効果,配向性について学ぶ。 |
芳香族求電子置換反応における置換基効果,配向性について説明できる。
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4週 |
芳香族化合物の酸化,還元,レトロシンセシスについて学ぶ。 |
芳香族化合物の酸化,還元,レトロシンセシスについて説明できる。
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5週 |
キラリティー,光学活性,比旋光度について学ぶ。 |
キラリティー,光学活性,比旋光度について説明できる。
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6週 |
立体配置の表示,エナンチオマーについて学ぶ。 |
立体配置の表示,エナンチオマーについて説明できる。
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7週 |
ジアステレオマー,メソ体,ラセミ体について学ぶ。 |
ジアステレオマー,メソ体,ラセミ体について説明できる。
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8週 |
前期中間試験および答案返却・解説。 |
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2ndQ |
9週 |
ハロゲン化アルキルの命名法,製造方法,Grignard反応について学ぶ。 |
ハロゲン化アルキルの命名法,製造方法,Grignard反応について説明できる。
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10週 |
ハロゲン化アルキルの求核置換反応について学ぶ。 |
ハロゲン化アルキルの求核置換反応について説明できる。
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11週 |
ハロゲン化アルキルの脱離反応について学ぶ。 |
ハロゲン化アルキルの脱離反応について説明できる。
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12週 |
アルコール,エーテル,フェノールの命名法,水素結合,酸性度について学ぶ。 |
アルコール,エーテル,フェノールの命名法,水素結合,酸性度について説明できる。
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13週 |
アルコール,エーテル,フェノールの合成法について学ぶ。 |
アルコール,エーテル,フェノールの合成法について説明できる。
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14週 |
アルコール,エーテル,フェノールの反応について学ぶ。 |
アルコール,エーテル,フェノールの反応について説明できる。
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15週 |
チオール,スルフィドについて学ぶ。 |
チオール,スルフィドについて説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 4 | |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 4 | 前1,前3,前12 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | 前2,前3,前6,前12 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 4 | |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 4 | 前15 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前6,前12 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14 |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 3 | |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 3 | 前1,前2,前4,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 3 | |