工学倫理

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 工学倫理
科目番号 0009 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般教育科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 授業中に適宜紹介します。
担当教員 廣瀬 孝壽

到達目標

1.心理学の研究対象と方法を理解し、工学研究や受講生自らが関心を持つテーマについて、心理学の研究方法を応用してより深く知ることができる。
2.授業を通して自己と他者、人間についての理解を深め、コミュニケーション・スキルを向上させる。
3.心と体について正しい知識を身につけ、受講生自らの心身の健康を維持するためのスキルを習得し、実践することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1: 研究計画の立案と実践自由研究の課題を自ら設定し、先行研究を調査して適切な心理学的手法を用いた研究計画を立てる(研究計画書を作成する)ことができる。また、それを実践し、課題解決と成果発表(研究報告書の作成、プレゼンテーション等)が出来る。自由研究の課題を設定し、先行研究を調査して適切な心理学的手法を用いた研究計画を立てる(研究計画書を作成する)ことができる。自由研究の課題設定が出来ない。適切な先行研究を引用出来ない。 研究計画書を作成できない。
評価項目2: コミュニケーション発達心理学、臨床心理学の知見から、自己と他者、正常と異常の概念を説明できる。コミュニケーションの評価、スキル習得方法を理解し、応用できる。一般的な意見や他者の意見と考えを尊重しつつ、自らの意見と考えを述べることができる。発達心理学、臨床心理学の知見から、発達のしくみや心の病気と障害について正しく理解し、説明できる。特定の目的や場面でコミュニケーションに参加し、楽しむことができる。自己と他者、発達、正常と異常の概念について、心理学的知見をもとに説明できない。
評価項目3: 人間理解ヒトの心と行動のしくみについて正しく理解し、関連する理論と科学的手法を説明できる。自らの心身の健康に関心を持ち、メンタルヘルスの維持・向上のための行動を実践できる。ヒトの心と行動のしくみについて、動物との比較や発達の視点から説明できる。自らの心身の健康に関心を持ち、メンタルヘルスの維持・向上に有用な生活習慣を説明できる。ヒトの心と行動のしくみについて、動物との相違や発達理論を用いて説明できない。自らの心身の健康に関心を持ち、メンタルヘルスの維持・向上のための生活習慣を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 心理学は、ヒトの心と行動を科学的手法を用いて研究し、解明する学問です。ヒトの心と行動のしくみを理解することは、私たち人間を理解することであり、私たちが暮らす社会や自分自身の理解にもつながります。言い換えると、心理学は「人の考えていることを理解する」、或いは「自分自身を理解する」ために役立つ、皆さんにとってとても身近な学問の1つです。
 本講座では、心理学の諸分野のなかでも特に、発達心理学や臨床心理学の知見をもとに、自己と他者、人間についての理解を深め、心理学的手法を工学研究や受講生自らが関心を持つ課題の解決に応用することを目指します。ヒトの心がいつ、どのように生まれて発達していくのかを知ることは、私たちが人と関わるときに大切な「コミュニケーション」の成り立ちを学ぶことに繋がります。本講座で、コミュニケーションの起源やスキルアップの方法を知り、実践してみましょう。また、ヒトの心の病気や障害について正しく知ることも、人間を理解し、自らの心身の健康を維持・向上することにつながります。本講座でメンタルヘルスについて正しい知識を身につけ、自らの健康に関心を持ち、より健康な生活習慣を実践してみましょう。
授業の進め方・方法:
 本講座では、講義と演習を組み合わせて行います。講義は、授業中に配布される資料や視聴覚教材等を用いて行います。演習は各授業回のテーマに沿った心理実験や調査、データ解析を、主に授業内に行います。前半は心理学の歴史と研究手法、発育と発達、発達障害、精神疾患等について学びます。後半は、心理学の知識と研究手法を工学研究における課題解決に応用するため、自由研究に取り組みます。受講生は各自で研究テーマを設定して研究計画書を作成、実践します。また、研究報告書やスライドを作成して成果発表をすると同時に、他者の意見や考えについて知り、創造的なコミュニケーション・スキルを身につけます。本講座では、受講生の自主性を尊重し、楽しみながら授業に参加することを奨励します。
注意点:
 他の受講生と共有する時間を大切に、楽しみながら授業に参加してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 心理学の歩み
オリエンテーション
心理学の歴史から、心理学の目的と科学としての成立を理解する。
2週 心の誕生(比較心理学・認知心理学) ヒトと動物、ロボット、コンピュータの違いについて、比較心理学や認知心理学から理解する。
3週 心の誕生と発達(発達心理学) ヒトの誕生から生後1年の発育・発達プロセスを知り、心のしくみを理解する。
4週 発育と発達(発達心理学) 身体発育と心の発達について理解する。
5週 発達障害(1) 発達の正常と異常、心理統計の役割を理解する。
6週 発達障害(2) 発達のアセスメントと療育、医学的治療について理解する。
7週 思春期・青年期の発達課題とメンタルヘルス(1) 発達理論と発達課題、思春期・青年期の特徴を理解する。
8週 思春期・青年期の発達課題とメンタルヘルス(2) メンタルヘルス維持・向上のためのスキルを習得する。
4thQ
9週 研究テーマの設定 研究課題の設定と文献検索の方法を理解する。
10週 研究計画書の作成
中間発表(1)
研究計画書を作成し、進捗を発表する。自己評価、相互評価を行う。
11週 研究計画書の作成
中間発表(2)
研究計画書を作成し、進捗を発表する。自己評価、相互評価を行う。
12週 総合演習(1) 調査法を理解する。
13週 総合演習(2) 実験法を理解する。
14週 研究成果発表 研究成果を発表する。自己評価、相互評価を行う。
15週 研究成果発表 研究成果を発表する。自己評価、相互評価を行う。
16週 総括

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

発表その他(相互評価、ポートフォリオ、提出物等)合計
総合評価割合5050100
基礎的能力303060
専門的能力202040