移動現象論(2022年度以降入学生用科目)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 移動現象論(2022年度以降入学生用科目)
科目番号 0073 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械情報システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じて資料を配布する。
担当教員 小山 幸平

到達目標

本授業では、流れ場、温度場、濃度場を統合的に扱い、演習を通して理解を深めることを目標とする。具体的には以下の項目を到達目標とする。
(1)流れ場、温度場、濃度場の支配方程式を導出し理解できる。(2)演習を通して身の回りの現象を考察できる。(3)持続可能な社会の実現に貢献する幅広い視野を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流れ場、温度場、濃度場を記述する支配方程式を十分に理解し説明することができる。流れ場、温度場、濃度場を記述する支配方程式をよく理解し応用することができる。流れ場、温度場、濃度場を記述する支配方程式を理解できない。
評価項目2移動現象を十分に理解し工学的問題に応用し説明することができる。移動現象をよく理解し工学的問題に応用することができる。移動現象を理解することができない。
評価項目3得られた解が適切かどうかを正しく判断し説明することができる。演習により得られた解が適切かどうかを正しく判断することができる。演習により得られた解が適切かどうかを正しく判断することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この授業では、流れ場、温度場、濃度場を記述する支配方程式の導出過程を理解し、演習問題を通じて移動現象に対する工学的視点を身につける。
授業の進め方・方法:
講義形式および数値解析は演習形式をとる。参考図書として以下の書籍を使用する。
・杉山均、佐野正利、永橋優純、加藤直人、はじめて学ぶ移動現象論 運動量・熱・物質移動を統合的に理解する、森北出版
注意点:
本科の流体力学および伝熱工学で学習する内容を理解していることが求められる。授業の予習・復習及び演習については,自学自習により取り組み学修すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 移動現象の基本概念と次元解析 運動量移動、熱移動、物質移動に共通する移動現象の概念が理解できる。
2週 連続の式および運動量保存式 流れ場における連続の式および運動量保存式が導出できる。
3週 層流の解析 クエット流れ、ハーゲン・ポアズイユ流れ、ベルヌーイの定理が理解できる。
4週 乱流における運動量移動 円管内および平板上の乱流における摩擦係数と境界層が理解できる。
5週 熱の移動 熱伝導、熱伝達、放射の分類ができる。
6週 差分法による熱伝導数値解析 差分法により熱伝導方程式の数値解析ができる。
7週 層流における熱伝達 エネルギー保存式が導出できる。
8週 熱伝達率の摩擦係数からの類推 コルバーンのアナロジーを理解し計算ができる。
2ndQ
9週 物体周りの熱伝達 物体周りに生じる強制対流熱伝達および自然対流熱伝達の計算ができる。
10週 放射による熱移動 ステファン・ボルツマンの法則を理解し黒体面間の放射伝熱の計算ができる。
11週 相変化と気液二相流 相変化を理解し気液二相流の流動様式の分類ができる。
12週 沸騰および凝縮熱伝達 沸騰および凝縮熱伝達の計算ができる。
13週 フィックの拡散法則 フィックの拡散法則を理解し濃度境界層の概念が理解できる。
14週 物質輸送方程式 物質輸送方程式が導出できる。
15週 学習のまとめ 流れ場、温度場、濃度場を統合的に理解し工学的問題に応用できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート発表その他合計
総合評価割合10000100
基礎的能力500050
専門的能力500050
分野横断的能力0000