到達目標
(科目コード:11177,英語名:Thermodynamics B)(授業計画の週は回と読替えること )
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる.
この科目の到達目標と,各到達目標と長岡高専の学習・教育目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①熱力学第2法則について理解する。40%(d1)、②工業熱力学に関する具体的な問題を解く力を付ける。30%(d1)、③代表的なガスサイクルの構成・性質・熱効率について理解する。20%(d1) 、④蒸気の性質、蒸気サイクルの構成・性質・熱効率について理解する。10%(d1)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 熱力学第2法則について理解する | 熱力学第2法則について理解する | 熱力学第2法則について概ね理解する | 左記に達していない |
評価項目2 | 工業熱力学に関する具体的な問題を解く力を付ける | 工業熱力学に関する具体的な問題を解く力を付ける | 工業熱力学に関する具体的な問題を解く力を概ね付ける | 左記に達していない |
評価項目3 | 代表的なガスサイクルの構成・性質・熱効率について理解する | 代表的なガスサイクルの構成・性質・熱効率について理解する | 代表的なガスサイクルの構成・性質・熱効率について概ね理解する | 左記に達していない |
評価項目4 | 蒸気の性質、蒸気サイクルの構成・性質・熱効率について理解する | 蒸気の性質、蒸気サイクルの構成・性質・熱効率について理解する | 蒸気の性質、蒸気サイクルの構成・性質・熱効率について概ね理解する | 左記に達していない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
熱力学Aに引き続き、熱から動力を取り出す上で必要となる理論・法則を扱う工業熱力学の後半部分の講義を行う。これと並行して、工業熱力学に関する応用力を養うことを目的として、関連する問題の演習を行う。
関連する科目:熱力学A(前期履修)、伝熱工学(次年度履修)
授業の進め方・方法:
この授業は学修単位科目のため、事前・事後学習として「週ごとの到達目標」欄に示す自学課題などを実施する。そのための資料は事前に電子ファイル形式で配布する。各回の授業の最初に自学課題の重要ポイントについての補足的な説明をプロジェクターを利用して行う。次に自学課題内容の確認と質問の時間を設ける。最後に学習内容理解度を確認するための小テストを行う。
注意点:
熱力学Aはもちろん、式の誘導中に線積分,周回積分が現れるので、これらについてきちんと復習しておくこと。受動的でなく能動的な授業形態(反転授業、アクティブラーニング)をとるので自発的な取り組みが必要である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業の概要説明、熱力学第2法則に関わる基本概念(熱機関のモデル化・熱効率、可逆・不可逆過程) |
熱力学第2法則に関わる基本概念を説明できる。熱力学第2法則に関わる基本概念に関する課題
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2週 |
カルノーサイクルの構成・特徴、熱効率の性質 |
カルノーサイクルの構成・特徴、熱効率の性質を説明できる。カルノーサイクルの構成・特徴、熱効率の性質に関する課題
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3週 |
熱力学第2法則の概念(言葉による表現) カルノーサイクルの熱効率の性質(1)の証明 |
熱力学第2法則の言葉による表現とカルノーサイクルの熱効率の性質を理解する。熱力学第2法則の言葉による表現とカルノーサイクルの熱効率の性質に関する課題
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4週 |
カルノーサイクルの熱効率の性質(2)の証明 |
カルノーサイクルの熱効率が熱源温度で表されることを理解する。カルノーサイクルの熱効率に関する課題
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5週 |
熱力学第2法則の数式化(1):熱源が2つの場合、クラウジウスの不等式 |
クラウジウスの不等式を理解する。クラウジウスの不等式に関する課題
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6週 |
熱力学第2法則の数式化(2):エントロピーの定義、エントロピーを用いた表現式 |
エントロピーの定義とエントロピーを用いた熱力学第2法則の表現式を理解する。エントロピーの定義とエントロピーを用いた熱力学第2法則の表現式に関する課題
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7週 |
エントロピーの利用(1):理想気体のエントロピー変化 エントロピーの利用(2):液体・固体のエントロピー変化、T-S線図の利用 |
理想気体のエントロピー変化、液体・固体のエントロピー変化、T-S線図の利用について理解する。理想気体と液体・固体のエントロピー変化、T-S線図の利用に関する課題
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8週 |
中間試験 |
試験時間:50分
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4thQ |
9週 |
試験の返却・解説 熱機関の分類とサイクル |
熱機関の分類とサイクルの概念について理解する。熱機関の分類とサイクルの概念に関する課題
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10週 |
ガスサイクル(1):往復式ピストンサイクル(1)オットーサイクル |
オットーサイクルの構成と熱効率について理解する。オットーサイクルに関する課題
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11週 |
ガスサイクル(2):往復式ピストンサイクル(2)ディーゼルサイクル |
ディーゼルサイクルの構成と熱効率について理解する。ディーゼルサイクルに関する課題
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12週 |
ガスサイクル(3):往復式ピストンサイクル(3)その他のサイクル、ガスタービンサイクル |
スターリングサイクルとガスタービンサイクルの構成と熱効率について理解する。スターリングサイクルとガスタービンサイクルに関する課題
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13週 |
蒸気の性質 |
水の等圧加熱に伴う状態変化と相変化に関する用語について理解する。蒸気の性質に関する課題
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14週 |
蒸気サイクル |
ランキンサイクルの構成と熱効率について理解する。ランキンサイクルに関する課題
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15週 |
全体を通しての重要事項のまとめ |
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16週 |
期末試験 17週:試験解説と発展授業 |
試験時間:50分
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 4 | |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 4 | |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 4 | 後1,後3,後5,後6 |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 4 | 後1,後10,後11,後12,後14 |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 4 | 後2,後4 |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 4 | 後6 |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 4 | 後7,後10,後11,後12,後14 |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | 小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 40 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 30 | 40 | 30 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |