(科目コード:A2130 ,英語名:Chemistry of Biological Compounds) (本科目は第1学期に実施する。週に2回行うので十分注意すること。授業計画の週は回と読み替えること)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を以下に示す。
①生体を作っている化学物質を、構造と性質の両面から理解する25%(D1)、②生物機能に関係する種々の物質間の化学的相互作用を理解する25(D1)、③生物機能を手本とする人工酵素系の設計手法を理解する10%(D1)、④関心のある生体関連物質の情報収集とプレゼン手法を理解する40%(D4)。
概要:
生体を構成する四大物質群であるタンパク質、炭水化物、脂質、核酸を主対象として、構造を主軸にその生体機能を化学(有機化学、生物化学)的な立場から説明する。また、生体にとって最も重要な成分である水の化学、生体独特の活性化剤であるリン酸の化学についても取り上げる。生体機能に関連する最近の研究に関して、学生によるプレゼン・討論形式の授業を行う。
〇関連する科目:有機化学(4 学年前期)、有機プロセス化学(5 学年前期) 、生物有機化学(5学年後期)
授業の進め方・方法:
毎時間次週に向けた課題を出し、授業では学生が主体になり、その課題の解答をおこなう。
プレゼンテーションでは、提示テーマを学生が選択し、自分の研究とも絡めて質疑応答を含めた発表会を行う。
また、この科目は学習単位のため、事前・事後学習としてレポート課題などを適宜実施することがある。
注意点:
これまでに学んだ有機化学、生物化学の知識が必要である。内容理解のためには、質問を含む積極的な授業への参加と、予習・復習等の日常的な自学自習が必要である。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 5 | 前3 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 5 | 前3,前5 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 5 | 前3 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 5 | 前3 |
共鳴構造について説明できる。 | 5 | 前3 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 5 | 前3,前4,前5 |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 5 | 前3,前5 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 5 | 前3,前6,前7 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 5 | 前3,前4 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 5 | 前3,前4 |
基礎生物 | 酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 5 | 前1,前12,前13,前14,前15,前16 |
生物化学 | 生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 5 | 前5,前6,前7,前9,前12,前13,前14,前15 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 5 | 前5,前6,前7 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 5 | 前8,前10,前11 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 5 | 前8,前10,前11 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 5 | 前8,前9,前10,前11 |