有機化学Ⅴ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 有機化学Ⅴ
科目番号 0059 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 高分子科学の基礎(化学同人)
担当教員 森 康貴

到達目標

高分子物質の特徴を説明できる
高分子物質の各種合成法が説明できる
高分子の反応について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
高分子物質の特徴高分子物質の特徴について理解している。高分子物質の特徴についての知識がある。高分子物質の特徴についての知識がない。
高分子物質の各種合成法高分子物質の各種合成法について理解している。高分子物質の各種合成法についての知識がある。高分子物質の各種合成法についての知識がない。
高分子の反応高分子の反応について理解している。高分子の反応についての知識がある。高分子の反応についての知識がない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
身の回りに多く使われている高分子材料がどのようなモノで、どのように合成され、そしてどのような性質を持つかの基礎を学習する。また、学習の難易度が高いと思われる反応速度論に関しては、時間を多く取り丁寧に解説する。
授業の進め方・方法:
講義および演習
注意点:
高分子化学は、反応やモノマーの種類等、覚える事項が多いだけでなく、平均分子量や反応速度論等で数式を駆使する必要がある科目である。これまでの科目と異なる点も多いので、不明点があればその都度遠慮なく質問して欲しい。また授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子物質とは何か?
高分子物質の分類
高分子化学を学ぶ意義
高分子物質の分類、高分子化学を学ぶ意義を理解する。
2週 各種平均分子量、連鎖重合と逐次重合の違い 各種平均分子量の計算ができる。連鎖重合と逐次重合の違いを理解する。
3週 ラジカル重合により合成される高分子、重合手法、置換基の効果 ラジカル重合により合成される高分子、重合手法、置換基の効果を理解する。
4週 開始反応、生長反応、停止反応、連鎖移動反応 開始反応、生長反応、停止反応、連鎖移動反応を理解する。
5週 素反応に基づいた反応速度式の導出と演習 素反応に基づいた反応速度式の導出ができる。
6週 共重合の意義、ラジカル共重合の速度論 共重合の意義、ラジカル共重合の速度論を理解する。
7週 モノマー反応性比、アゼオトロープ共重合体、理想共重合体、交互共重合体 モノマー反応性比、アゼオトロープ共重合体、理想共重合体、交互共重合体を理解する。
8週 アルフレイ-プライスのQ,e-則 アルフレイ-プライスのQ,e-則を理解する。
2ndQ
9週 各種イオン重合の反応と特徴、リビングアニオン重合の速度論 各種イオン重合の反応と特徴、リビングアニオン重合の速度論を理解する。
10週 Ziegler-Natta触媒、Kaminsky触媒、ポリマーのタクチシチー Ziegler-Natta触媒、Kaminsky触媒、ポリマーのタクチシチーを理解する。
11週 エーテル等の開環重合、メタセシス開環重合 エーテル等の開環重合、メタセシス開環重合を理解する。
12週 重縮合、重付加、付加縮合による高分子物質の合成 重縮合、重付加、付加縮合による高分子物質の合成を理解する。
13週 重縮合における反応速度式及び数平均分子量の導出と演習 重縮合における反応速度式及び数平均分子量の導出ができる。
14週 イオン交換樹脂及びポリビニルアルコールの合成、高分子の架橋反応 イオン交換樹脂及びポリビニルアルコールの合成、高分子の架橋反応
15週 期末試験
16週 期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学重合反応について説明できる。4前1,前2,前14
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4前10,前11,前12,前13
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力300000030
分野横断的能力200000020