到達目標
河川の治水,利水および自然環境機能とそれらを有効に発揮させるための科学技術を主題とし,川を見る視点,生態系も考慮した近年の河川環境変化とその要因分析,河川・湖沼生態系の基本的な考え方についての基礎知識を習得する.また,河川生態系を考える上で必要な環境調査・評価手法,流れと土砂と河川構造物や植生の機能、生態系ネットワークについて理解する.具体的な目標は以下のようである。
① 多自然型川づくりの意義と流れ・構造物・土砂・植生の関係について理解する
② 河川生態系の構造と機能(階層構造,物質循環,生息場の条件など)について理解する
③ 湖沼生態系の構造と機能(温度成層と循環による湖沼類型,生物相など)について理解する
④ 流況・流砂改変がもたらすダム下流の生態系の変化について理解する
⑤ 河川環境保全策(流況・流砂改変の対応策,貯水池水質への対応策,生態的連続性の分断への対応策などを含む)について理解する
⑥ 河川生態環境評価法、生態系ネットワーク,順応的管理の考え方を理解する
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 河川生態環境工学のフレームを理解し,流れ・構造物・土砂・植生の相互関係について,正確(8割)に説明できる. | 河川生態環境工学のフレームを理解し,流れ・構造物・土砂・植生の相互関係について,ほぼ正確(6割)に説明できる. | 河川生態環境工学のフレーム,流れ・構造物・土砂・植生の相互関係の基本的な知識が無い. |
評価項目2 | 河川生態系の階層構造,物質循環,生息場の条件などの水域生態系の構造と機能について正確(8割)に説明できる. | 河川生態系の階層構造,物質循環,生息場の条件などの水域生態系の構造と機能についてほぼ正確(6割)に説明できる. | 河川生態系の階層構造,物質循環,生息場の条件などの水域生態系の構造と機能の基本的な知識が無い. |
評価項目3 | 湖沼生態系の構造と機能を理解し,温度成層と循環による湖沼類型,湖沼型と生物相などについてほぼ正確(6割)に説明できる. | 湖沼生態系の構造と機能を理解し,温度成層と循環による湖沼類型,湖沼型と生物相などについてほぼ正確(6割)に説明できる. | 湖沼生態系の構造と機能,温度成層と循環による湖沼類型,湖沼型と生物相などの基本的な知識が無い. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
河川の治水,利水および自然環境機能とそれらを有効に発揮させるための科学技術を主題とし,川を見る視点,生態系も考慮した近年の河川環境変化とその要因分析,河川・湖沼生態系の基本的な考え方についての基礎知識を習得する.また,河川生態系を考える上で必要な環境調査・評価手法,流れと土砂と河川構造物や植生の機能、生態系ネットワークについて理解する.
授業の進め方・方法:
授業は河川を自然科学的視点,工学的視点,社会科学的視点などの多様な価値観をもって考えることができる基本的な素養を習得することを目指している.内容が広範囲に及ぶので要点を理解し,各自学習ノートを充実させて復習を十分行なうこと.
注意点:
国家公務員採用一般職試験(大卒程度・土木),技術士の一次試験問題,教科書等の演習問題と同等レベルの問題を試験等で出題し,総合して6割以上正解のレベルにまで達していること.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
新河川法の目指す方向(治水・利水・環境) |
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2週 |
川の姿と成り立ちと仕組み:物理基盤から川を捉える(流域と河川の流況形成,流砂・土砂移動と河道の物理形成)
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3週 |
川の姿(物理基盤)と生態系(セグメント,瀬と淵,微生息場所)
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4週 |
洪水の撹乱と生物多様性(河川の生態学的な区分,河川連続体仮説) |
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5週 |
水域生態系の構造と機能(1) (河川生態系の階層構造,セグメントごとの河川単位形状と生息場の対応関係,微生息場の類型と成因,河川生物の分布現象と調査方法)
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6週 |
水域生態系の構造と機能(2) (河川生態系の機能,河川生物の生息場条件,河川生態系における物質循環,栄養螺旋,水質浄化の諸過程,河川環境評価手法)
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7週 |
水域生態系の構造と機能(3) (湖沼生態系の構造と機能,湖沼の成因による分類,湖沼の温度成層と循環による湖沼類型)
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8週 |
水域生態系の構造と機能(4) (湖沼型と生物相ならびに物質循環の関係,ダム湖生態系の特徴)
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2ndQ |
9週 |
ダムによる物理環境(流況・流砂)の変化 (河川におけるフィルターとしてのダム,流況・流砂の計測,ダム湖の改変と下流への影響)
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10週 |
流況・流砂改変がもたらすダム下流の生態系の変化(ダム下流の底質環境と付着層,底生動物の変化,外来種)
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11週 |
貯水池プランクトンと底生動物群集 (濾過食者の増加,水質環境と河川底生動物への影響)
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12週 |
ダム下流の河川環境保全策(河川環境の整備と保全,流況・流砂改変の対応策,貯水池水質への対応策,生態的連続性の分断への対応策)
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13週 |
モニタリングと順応的管理(米国グレンキャニオンダムの人工洪水,粒状物質と生物の流下過程,総合土砂管理,アセットマネージメント)
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14週 |
河川生態環境評価法(生物の生息域の健全性に関する環境評価手法の開発)
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15週 |
まとめ |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 課題・小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 200 | 30 | 230 |
得点 | 200 | 30 | 230 |