建設振動学特論

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 建設振動学特論
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 耐震工学入門(第3版・補訂版) (平井一男,水田洋司,森北出版,2018)
担当教員 水野 剛規,渡邉 尚彦

到達目標

以下の項目を目標とする.
①1自由度系の定常振動問題に関する理解②多自由度系の振動解析に関する理解
③時刻歴応答解析に関する理解④耐震設計に関する理解
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11自由度系の定常振動の振幅特性を理解し,論理的に説明できる.1自由度系の定常振動の振幅特性を理解し,6割以上正確に説明できる.1自由度系の定常振動の振幅特性を理解し,説明できない.
評価項目2マトリクスを用いた多自由度系の運動方程式,固有振動数や固有モードの求め方を正確に説明できる.マトリクスを用いた多自由度系の運動方程式,固有振動数や固有モードを6割以上正確に求められる.マトリクスを用いた多自由度系の運動方程式,固有振動数や固有モードの求め方を説明できない.
評価項目3時刻歴応答解析の手法を適用できる.時刻歴応答解析の手法について6割以上正確に説明できる.時刻歴応答解析の手法について説明できない.
評価項目4道路橋示方書に準じた耐震設計法を8割以上正確に説明できる.道路橋示方書に準じた耐震設計法を6割以上正確に説明できる.道路橋示方書に準じた耐震設計法が説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義は耐震設計において必要とされる振動解析の基礎知識を身につける.
授業の進め方・方法:
微分方程式の一般解の求め方や複素数に関して復習しておくこと.また,多自由度系の問題では基本的な行列の演算に関する知識が必要となるので復習しておくこと.
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に身に着けるため,予習・復習が必須である.
成績評価に教室外学習の内容は含まれる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1自由度系の振動問題の復習 1自由度系の振動問題を扱う流れを理解している
(授業外学習・事後)LMSで指定する問題を解く(約4時間)
2週 1自由度系の定常振動(強制外力) 調和外力を受ける1自由度系の強制振動の基礎を理解している
(授業外学習・事前)微分方程式の復習(約1時間)
(授業外学習・事後)例題8.3(約3時間)
3週 1自由度系の定常振動(強制変位) 調和変位を受ける1自由度系の強制振動の基礎を理解している
(授業外学習・事前)微分方程式の復習(約1時間)
(授業外学習・事後)例題8.4-6(約3時間)
4週 1自由度系の振動問題演習(ALレベル:B) さまざまな1自由度系の振動問題について解くことができる.
(授業外学習・事前)P.40演習(約1時間)
(授業外学習・事後)LMSで指定する問題を解く(約3時間)
5週 2自由度系の自由振動(ALレベル:C) 2自由度系の自由振動の基礎を理解している
(授業外学習・事前)線形代数の復習(約1時間)
(授業外学習・事後)例題10.2~12.3,演習10.1(約3時間)
6週 振動モードの直交性 モードの直交性を理解する
(授業外学習・事前)線形代数の復習(約1時間)
(授業外学習・事後)例題10.4(約3時間)
7週 モーダル解析 モーダル解析の基礎を理解している
(授業外学習・事前)例題11.1~3(約2時間)
(授業外学習・事後)演習11.1~2(約2時間)
8週 中間試験
2ndQ
9週 多自由度系振動解析 モーダル解析にあたっての効果的な計算手法を理解する
(授業外学習・事前)モーダル解析に関する調査課題(約2時間)
(授業外学習・事後)モーダル解析の適用例を調べる(約2時間)
10週 時刻歴応答解析(ALレベル:B) 時刻歴応答解析の基礎を理解している
(授業外学習・事後)例題12.1,12.2(約4時間)
11週 応答スペクトル 応答スペクトルの考え方と利用法を理解している
(授業外学習・事前)演習13.3(約1時間)
(授業外学習・事後)演習13.2,4(約3時間)
12週 耐震設計 耐震設計の基本的な考え方を理解している
(授業外学習・事前)設計地震力に関する調査(約1時間)
(授業外学習・事後)各種設計法の特徴をまとめる(約3時間)
13週 地震動の性質 地震のメカニズム,波動伝搬特性,近年の地震の特性を理解している
(授業外学習・事前)近年の地震に関する調査(約1時間)
(授業外学習・事後)地震被害が設計基準へ与えた影響を調査(約3時間)
14週 制震・免震 制震・免震の基本的な考え方を理解している
(授業外学習・事前)制震・免震の適用例を調べる(約4時間)
15週 期末試験
16週 試験の解答の解説など

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
仕事と仕事率に関する計算ができる。4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。4
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力のモーメントを求めることができる。4
角運動量を求めることができる。4
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4
重心に関する計算ができる。4
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4
横波と縦波の違いについて説明できる。4
波の重ね合わせの原理について説明できる。4
波の独立性について説明できる。4
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。4
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。4
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。4
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。4

評価割合

中間評価試験期末試験レポート合計
総合評価割合10010050250
基礎的能力10010050250