通信工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 通信工学
科目番号 2023-271 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 情報通信工学、相河聡(著)、森北出版/配布プリント
担当教員 山崎 悟史

到達目標

1.信号の数学的表現(実信号と解析信号),それに関する等価低域系などの諸概念を説明できる.
2.フーリエ級数やフーリエ変換(フーリエ解析)に基づき,信号に関する諸量を計算できる.
3.フーリエ解析に基づき,信号を時間領域および周波数領域で解析できる.
4.雑音の統計的表現を理解し,信号に与える影響を説明できる.
5.dB,dBmなどの単位系を理解し,適切な回線設計に関する計算(リンク・バジェット)ができる.
6.基本的なディジタル変復調について説明,計算機上で実装できる.
7.スペクトル効率やビット誤り率などに基づき,通信品質を評価できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1信号の数学的表現(実信号と解析信号),それに関する等価低域系などの諸概念を説明できる(評価割合:8割以上).信号の数学的表現(実信号と解析信号),それに関する等価低域系などの諸概念を説明できる(評価割合:6~8割).信号の数学的表現(実信号と解析信号),それに関する等価低域系などの諸概念を説明できる(評価割合:6割未満).
評価項目2フーリエ級数やフーリエ変換(フーリエ解析)に基づき,信号に関する諸量を計算できる(評価割合:8割以上).フーリエ級数やフーリエ変換(フーリエ解析)に基づき,信号に関する諸量を計算できる(評価割合:6~8割).フーリエ級数やフーリエ変換(フーリエ解析)に基づき,信号に関する諸量を計算できる(評価割合:6割未満).
評価項目3フーリエ解析に基づき,信号を時間領域および周波数領域で解析できる(評価割合:8割以上).フーリエ解析に基づき,信号を時間領域および周波数領域で解析できる(評価割合:6~8割).フーリエ解析に基づき,信号を時間領域および周波数領域で解析できる(評価割合:6割未満).
評価項目4雑音の統計的表現を理解し,信号に与える影響を説明できる(評価割合:8割以上).雑音の統計的表現を理解し,信号に与える影響を説明できる(評価割合:6~8割).雑音の統計的表現を理解し,信号に与える影響を説明できる(評価割合:6割未満).
評価項目5dB,dBmなどの単位系を理解し,適切な回線設計に関する計算(リンク・バジェット)ができる(評価割合:8割以上).dB,dBmなどの単位系を理解し,適切な回線設計に関する計算(リンク・バジェット)ができる(評価割合:6~8割).dB,dBmなどの単位系を理解し,適切な回線設計に関する計算(リンク・バジェット)ができる(評価割合:6割未満).
評価項目6基本的なディジタル変復調について説明,計算機上で実装できる(評価割合:8割以上).基本的なディジタル変復調について説明,計算機上で実装できる(評価割合:6~8割).基本的なディジタル変復調について説明,計算機上で実装できる(評価割合:6割未満).
評価項目7スペクトル効率やビット誤り率などに基づき,通信品質を評価できる(評価割合:8割以上).スペクトル効率やビット誤り率などに基づき,通信品質を評価できる(評価割合:6~8割).スペクトル効率やビット誤り率などに基づき,通信品質を評価できる(評価割合:6割未満).

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
通信の目的は遠隔の人へ情報を伝えたい、遠隔の情報を取得したい、遠隔の機械を操作したいに大別される。古くは「のろし」「太鼓」のような伝達手段から、現代のディジタルTVや携帯電話、無線LANに至るまで、その目的の本質は大きく変わってない。本講義では、信号処理(フーリエ解析)と確率論の数学的基礎を土台に、信号と雑音、ディジタル変復調、受信側での通信品質特性について扱い、最新の情報通信技術にも通ずる基礎や土台となる考え方について扱う。さらに随時、統計的なデータ処理などへの応用における重要性についても言及する。座学講義、レポート課題・演習やPCを利用した実習を通じて習得する。随時、レポートおよび演習課題を課す。
授業の進め方・方法:
スライド形式(オリジナルのプリント)による座学講義を主とし、レポート課題・演習やPCを利用した実習を併用する。
注意点:
他の科目(電磁気学、電気・電子回路、確率・統計、回路とシステム、フーリエ解析、情報ネットワーク論)などと関連する内容があるので、これらの科目を履修していると理解が深まる。逆に、本科目(通信工学)の履修を通じて、これらの他の科目の有用性や意義が見出せる。また、講義内容の理解を深めるために、プログラミング(C言語など)に関する知識・技術が必須となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、信号表現1 本講義の位置付け、概要が理解できる。確定的な信号表現、位相について説明できる。
2週 信号の解析1 フーリエ級数展開、フーリエ変換について理解し、それによる信号解析ができる。
信号の周波数領域表現について説明できる。
3週 信号の解析2 フーリエ変換の定義を導出でき、基礎的なフーリエ変換の計算ができる。
4週 信号の解析3 各種フーリエ変換の性質を理解し、それを用いた計算ができる。
5週 信号の解析4
dB等の概念を理解し、それを用いた通信回線設計の計算ができる。
信号や無線通信システムを評価するための計算機シミュレーションの基礎を習得する。
6週 信号の表現2 信号の電力、エネルギーの表現を理解でき、それに関する基礎的な計算ができる。
7週 演習1 第1~6週までの内容理解を目的として、基礎的な演習問題が解ける。
8週 信号表現2 無線通信システムをモデル化でき、確率的な信号表現についての必要性を説明できる。
平均、分散、確率密度関数、相関など確率・統計の基本的な概念が説明でき、基礎的な計算ができる。
2ndQ
9週 信号表現3 確率的な信号の表現として自己相関関数を説明でき、そのフーリエ変換表現である電力スペクトル密度について説明できる。
雑音、正規分布(ガウス分布)、加法性白色雑音についての基本的な概念が説明できる。
10週 無線通信システム1 正規分布の累積分布関数の導出ができる。
複素ガウス分布の平均電力など基礎的な計算ができる。
11週 無線通信システム2 無線を用いた電波伝搬に関する基礎概念(自由空間伝搬、無線周波数帯の特徴など)および移動通信環境に関する基礎概念(パスロス、シャドウイング、フェージング)の基礎概念について説明できる。フリスの式を用いた自由空間伝搬損の計算ができる。
12週 無線通信システム3 解析的信号を説明でき、それを用いた計算ができる。送受信機の基本構成、等価低域系と帯域通過系の違い、変調と復調の基本的な処理を説明できる。
13週 変復調1 BPSK/同期検波の理論ビット誤り率を導出できる。
多値化の意義を理解でき、QPSK変調とその復調について説明できる。
14週 変復調2 周波数利用効率と電力利用効率の観点から、変調方式を説明できる。電波伝搬特性と情報理論性能の観点から、無線通信システムを説明できる。
無線通信システムにおける通信速度、通信距離、消費電力におけるトレードオフ関係を説明できる。
15週 演習2 第8~14週までの内容理解を目的として、基礎的な演習問題が解ける。
計算機シミュレーションを用いて無線通信システムの受信品質を評価できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

課題試験ポートフォリオその他合計
総合評価割合20800000100
基礎的能力1040000050
専門的能力1040000050
分野横断的能力0000000