概要:
前期はハードウェア記述言語 Verilog HDL を用いた回路の基礎的記述法を習得した後,モデルコ ンピュータを例として取り上げ,CPU の設計法を学ぶ。後期は,前期の演習を踏まえて LSI 設計に おいて必要となる理論についての講義を行う。
授業の進め方・方法:
前期は,Verilog HDLによる設計演習を行い,コンピュータを用いた基本的な回路の設計方法を習 得する。後期は,講義により LSI設計における理論について学習し,その際に用いられる考え方,ア ルゴリズムなどを理解していく。
注意点:
関連科目 ディジタル回路,論理回路,コンピュータアーキテクチャ,回路理論,電子回路と関連する。 学習指針 集積回路技術の進歩により, 計算機(コンピュータ)は高性能化・高機能化し,その応用分野 はますます広がっている。 特に近年,携帯用の情報通信端末が急速に普及したことに伴い,コン ピュータの小型化・低消費電力化を可能とする設計手法は重要な課題である。 本講義では,前期 で演習を通じたコンピュータの設計手法の習得を目指し,後期では演習で得た知識を基に,実際の 設計フローや LSI 設計において必要となる知識の定着を目指す。 自己学習 学習した内容を適宜ノートにまとめることを要求するので,授業時間外に取り組んでおくこと。 目標を達成するためには,授業以外にも予習復習を怠らないこと。特に,前期内容の VerilogHDL を用いた回路の記述法では,予習だけでなく,授業で習った内容が確実に利用できるよう,復習を 欠かさないこと。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学リテラシー | 工学リテラシー | 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。 | 2 | |
基礎的原理や現象を理解するための実験手法、実験手順、実験データ処理法等について理解する。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の進め方について理解し、実践できる。 | 3 | |
実験テーマの内容を理解し、実験・測定結果の妥当性評価や考察等について論理的な説明ができる。 | 3 | |
実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。 | 3 | |
情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報の意味と情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を理解し活用できる。 | 3 | |
論理演算と進数変換の仕組みを理解し、演算できる。 | 3 | |
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を理解し活用できる。 | 6 | 前15,後1,後15 |
インターネットの仕組みを理解し、実践的に使用できる。 | 3 | |
情報セキュリティの必要性、様々な脅威の実態とその対策について理解できる。 | 3 | |
コンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系 | プログラミング | 変数とデータ型の概念を説明できる。 | 3 | |
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。 | 3 | |
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。 | 3 | |
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。 | 3 | |
与えられた簡単な問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 3 | |
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 3 | |
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。 | 3 | |
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。 | 3 | |
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを理解している。 | 2 | |
主要な計算モデルを説明できる。 | 2 | |
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。 | 3 | |
計算機工学 | 整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | |
整数・小数をコンピュータのメモリー上でディジタル表現する方法を理解している。 | 3 | |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 3 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 3 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 3 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 3 | |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 3 | |
与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 3 | |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 3 | |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 3 | |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。 | 3 | |
与えられた簡単な順序回路の機能を説明することができる。 | 3 | |
簡単な順序回路を設計することができる。 | 3 | |
五大装置それぞれの役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 3 | |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | |
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | |
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | |
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて理解している。 | 1 | |
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。 | 3 | |
その他の学習内容 | 少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。 | 3 | |
少なくとも一つの具体的なオフィススイートを使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。 | 3 | |
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 情報系【実験実習】 | 情報系【実験実習】 | 与えられた簡単な問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。 | 3 | |
与えられた数値を別の基数を使った数値に変換できる。 | 3 | |
与えられた仕様に合致した簡単な組合せ論理回路や順序回路を設計できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。 | 1 | |
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。 | 1 | |